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犬と猫の飲む水の量は?:人と違うのかな?


人間の水分摂取量は体重や消費カロリー、年齢など様々な要因に関連して幅がありますが、体重1kgあたり30mlの水分量が必要となっています。犬や猫では下記の通りです。

犬の飲水量
正常だと60ml〜100ml/1kg/1日

猫の飲水量
正常だと最大45〜50ml/1kg/1日

人の飲水量
様々な要因により幅はあるがおおむね
30ml/1kg/1日

犬では1日体重1kgあたり100ml/kg以上、猫なら1kgあたり45〜50ml以上飲んでいると多飲(水を多くのんで尿が多くなる状態)と言え、原因追求と治療のための医療的介入が必要な状態です。


人の水分必要量は生活活動レベルが低い時で 2.3〜2.5 L/日程度、生活活動レベルが高い時に 3.3〜3.5 L/日程度と厚生労働省の資料では説明されおり、体重1kgあたり30mlをきっちり守ると少しすくなめです。必要水分量の算出には年齢や体重の最初の何グラムは水分量を少し多めに計算するなど様々な基準があります。

人間では、多尿の基準は3l以上とあります。しかし多飲の基準は何ミリリットル以上飲んだ時、という明確な定義はありません。

犬と猫では多尿の基準もあり、体重1kgあたり1日に50ml以上おしっこが出る時とされています。

・人多尿について: https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=10742022/10/13参照
・Bossingham MJ, Carnell NS, Campbell WW. Water balance, hydration status, and fat-free mass hydration in younger and older adults. Am J Clin Nutr. 2005 Jun;81(6):1342-50. doi: 10.1093/ajcn/81.6.1342. PMID: 15941885; PMCID: PMC2495085.
・飲水量について厚生労働省webサイト:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586571.pdf, 2022/10/13閲覧
・執筆:永田矩之(北海道大学),監修:大森啓太郎(東京農工大学), 鑑別診断プラクティス~臨床医を育てる全科ラウンド~第 6 ラウンド ,多飲多尿CLINIC NOTE No.204 2022 Jul 7月号 装着と登録が義務・努力義務化 獣医師が知っておくべきマイクロチップ徹底解説

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。