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ジュゴンは海に住む哺乳類です。生物の分類では、カイギュウ目のジュゴン科に属しています。カイギュウは漢字で書くと海牛です。大きな体でのんびり草を食む姿が牛にみえるというのも納得の丸くてかわいい動物です。
海牛目、名前には「牛」と入っていますが、分類学的にはゾウと近縁で歯などもゾウに似ています。

ジュゴンは草食動物で海藻を主食にしています。草食動物は自前で植物の繊維を分解する酵素を持たないため、かわりに植物の繊維を分解してくれる微生物を飼っていて発酵してもらうことで栄養を得ています。ウシの仲間はこの微生物を胃にすまわせています。何回も反芻(一度胃に入った食べ物を再度口の中にもどしてよく噛んでまた胃に送って複数回発酵させる)することでしっかり消化させています。こうした発酵のメイン槽が胃である草食動物を前胃発酵動物と呼ぶことがあります。

ウマやウサギの胃袋は牛に比べると小さいです。こうした草食動物は植物の繊維を発酵してくれる微生物を盲腸や結腸で飼っています。肛門に近い後ろの方の腸管に発酵タンクがある、ということで後腸発酵動物と呼んでいます。ゾウも後腸発酵動物です。

ゾウに近縁なジュゴンも海藻の繊維は盲腸で行っています。ジュゴンは他の動物よりも盲腸内で作られるガスが多いこともわかっています。
陸上の生き物がおならをしても目には見えませんが、海中では気泡となってよく観察できます。


鳥羽水族館ではジュゴンのおならの音声も聴くことができます。
https://www.aquarium.co.jp/kannai/ningyo.html

是非観察してみてくださいね。

参考:https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-03J08732/03J087322005jisseki/


犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。