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カルテは石鹸で書こう!? 〜物言わぬ動物の不調をみつける! SOAPってなあに?〜

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私たち獣医師はもの言わぬ動物の不調をみつけるために、飼い主さんからの問診、動物の身体検査などから予測できる病気に合わせていくつかの検査を組み合わせて病気を発見して治療の筋道を立てていきます。

その記録を記したものがいわゆるカルテですね。カルテにもさまざまな記録の方法がありますが、今は問題指向型診療録(POMR)の考え方からできたSOAPという方法で記されていることが多いです。POMRというと、なんだんだ?と思ってしまうのですが、情報を明確にして漏れがないようにするためのものです。
後から他の人がカルテを見てどんな風に考えて動物の病気を診断して、どんな治療をしようと思ったかがわかり、情報共有をスムーズに行うことができます。

SOAPはソープと読み、石鹸という意味のsoapと同じつづりです。動物の診察をする時にはこのソープ方式でカルテを書くことが多いでま¥す。

それではSOAP形式のカルテがどんなものかみてみましょう。

Sは主観情報subjective:動物の飼い主さんが言っていること、動物の状態はこうみえる。客観的ではなく主観的な情報も記載する。
Oは客観的情報objective:検査で得られた情報。
Aは評価assessment:得られた情報はこのように評価する。
Pはプランplan:次の処置や検査、ご家族への指示
の頭文字をとったものです。

たとえば(症例は例です。おなじ病気でもカルテに記入する内容はことなります。)

S: 元気食欲は前よりよい。
O: 体重:3kg 体温:38.6度 脈拍:120回/分
血液検査のデータ
A: 甲状腺ホルモンの効きが悪い 
原因:用量が足りていないのか?薬をうまく飲めていないのか?薬は飲めているので用量が足りていない可能性。
P: 投与量を増やす。1ヶ月後に甲状腺ホルモン測定。

動物は自分で話してくれないので、飼い主さんからの元気や食欲、おしっこやうんちの情報などはとても重要です。きちんとカルテに記入しています。

参考
伴侶動物の臨床病理学 第3版 石田卓夫

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。