犬では胃潰瘍が少ない!?そのワケとは
自由研究のヒント
犬は食べ物がない時は胃液の分泌は他の動物と比べると少ないよ。
だから胃にできる潰瘍が他の動物より少ないと言われているんだ。
食べ物があると、人よりも速いスピードで胃液が分泌されてくるから消化はスムーズに行われるよ!
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胃は食べたものを一時的に保管する場所・消化しやすいように細かくすること・部分的な消化・食べ物を小腸へ送り出す役割をになっています。
塩酸やペプシノゲンといった胃液は食物を細かくして小腸で消化しやすくする働きがあります。食べ物がない時も、少量の胃液はでています。この食べ物がない状態でも常に分泌されることを基礎分泌と言います。
人では1分あたり1mlの胃液の基礎分泌があるといわれていますが、イヌでは0.3~1.5mlと幅があります。
最大胃酸分泌量は人で39、犬で18−23と低いのが特徴です(単位ははっきり書かれていませんが、24時間での量だと思われます。)
そのため、犬や猫は他の動物に比べて胃など消化管潰瘍がは少ないと考えられます。
胃酸分泌が少ないと消化しにくくなるのではないかと思われる方もいるかもしれません。しかし、胃酸の分泌速度という点で見てみると、人と比べて20倍ほども速く胃酸分泌することができます。食べ物が入ってくると素早く消化に必要な量の胃酸を出すことができるのです。
犬は群れで大きな獲物を倒して食べるため、一度に食べる量が多く食事と食事の間が何時間もあくことがあるのが関係しているかもしれません。
猫ではデータがみつかりませんでしたが、単独行動であまり食事と食事の間をあけずに小さな獲物をちょこちょこと食べる食性の猫では犬とは違う結果になりそうです。また資料を見けたら紹介しますね。
参考:イヌ・ネコの基礎栄養 消化・吸収,2000,ペット栄養学会誌, 3 (2): 98-106,
犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。