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どうして人や犬猫はオスとメスがいないと子供が生まれないの?


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自由研究のヒント:
生物界全体でみると子供を残すのにオスとメスが必要な哺乳類は少数派!
卵を電気やエタノールで刺激しても、成長は途中で止まってしまいます。
七面鳥は雌だけで子供を残すことができます。


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生物の世界では、オスとメス(お父さんとお母さん)がいなくても子孫を残せる生き物は多いです。たとえば細菌はお互いの遺伝子を交換して親とは違う遺伝情報をもつ子孫を残すこともできますが、分裂して自分と全く同じ遺伝情報をもつ子孫を残すこともできます。


子供のもととなる細胞を生物の言葉で配偶子(はいぐうし)と呼びます。大きくてあまり動かない方を卵(らん)、小さくて動き回る方を精子(せいし)と呼びます。
雌の配偶子(卵)だけで子孫を残す方法を単為生殖(たんいせいしょく)といいます。

魚や鳥も、数は少ないですが雌だけで単為発生できる種類もいます。
七面鳥も雌の配偶子だけで赤ちゃんが生まれます。

不思議なことに、人や犬猫を含む哺乳類だけはこの単為生殖ができません。
精子のかわりに卵子を電気やエタノールという液体で刺激する実験も行われていますが、胚盤胞(はいばんほう)という赤ちゃんが育つ始めの段階で成長が止まってしまい、きちんと大きくなれません。

どうして私たちや犬猫を含む哺乳類だけがオスとメスがいなければ子供を残せなくなったのでしょうか?

今日の記事のタイトルですが、その答えはまだ見つかっていません。これを読んだ子供たちが研究者になって見つけてくれるかもしれません…!?

参考:
獣医繁殖学 第3版 浜名克己 中尾敏彦 津曲茂久

哺乳類の生殖戦略 個体発生を介して見る雌雄ゲノムの競合と協調  河野友宏 , 学術の動向 2004.8


犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。