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ペットフードはドライ?ウェット?目的に応じて使おう

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自由研究のヒント

ウェットフードをドライフードのように何時間もお皿に出したままにできないのはなぜかな?

→犬や猫もバイキンによって食中毒になるよ。こうした悪い微生物が増えないようにウェットは残したらはやめに片付ける必要があるよ。ドライフードは水分が少なくてバイキンが増えにくいんだ。

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前回はペットフードの目的別による分類についてご紹介しました。今日はペットフードの形状についてご説明します。

ドライ:カビなど微生物が増えないように水分含有量10%以下となっています。

ソフトドライ:水分含有量が25から35%程度のフード。湿潤調整剤を使用しています。

セミモイスト:水分含有量が25から35%程度のフードで、加工方法がソフトドライタイプとは異なります。湿潤調整剤を使用しています。

ウェット缶詰:水分75%程度で殺菌して缶詰につめられています。

ウェットその他:水分75%程度で殺菌してトレーやパウチにつめられています。

ドライフードのメリット

・歯石がつきにくい:論文や実験で証明されているものではありませんが、私個人としては水分が少ないぶんフードの残りカスが歯に付着しにくいと考えています。残りカスがあると口腔内の細菌がそれを餌にして増殖し歯垢となります。歯垢は取り除かないと数日で歯石になってしまいます。
・管理しやすい:水分が少なく微生物が繁殖しにくいので常温でも管理が可能です。

・フードのタイプの中で最も重量に対してカロリーの比率が高い:水分が少ない分、単位重量あたりのカロリーは最もドライフードが高いです。ダイエットには水分の多いウェットフードを使うこともありますが、少ない量でカロリーをとらせたい時はドライフードが最も効率がいいです。

・歯がなくて丸呑みしても栄養が吸収できる:食欲旺盛な子や歯周炎の治療などで抜歯しており、フードを噛まずに飲み込む子でも栄養がしっかり吸収できるようになっています。

デメリット
・水分はお水から取る必要がある
・食いつきはウェットの方がよい

ウェットフードのメリット
・水分がとれる:メリットとしては水分含有量が多いので、お水からだけではとれないぶんの水分を摂取することができます。

・食いつきが良い:匂いや味わいがドライタイプのものよりもよく、ウケがよいことが多いです。

デメリット
・水分が多く微生物が繁殖しやすい:特に夏場などはフードを残した時も出しっぱなしにせず早めに片付けることが必要です。

・歯石がつきやすい:論文や実験で証明されているものではありませんが、水分が少ないぶんフードの残りカスが歯に付着しにくいと思われます。残りカスがあると口腔内の細菌がそれを餌にして増殖し歯垢となります。歯垢は取り除かないと数日で歯石になってしまいます。

・1gあたりのカロリーは同タイプのドライフードより少ない:水分が含まれる分gあたりのカロリーはドライよりも減ってくるので、主食としてウェットフードを使う際は必要なカロリーがきちんととれているかも注意が必要です。

私(獣医師)の個人的使い分け方:ドライフードは水分が少なく衛生的に管理しやすいので、基本的には主食は総合栄養食のドライフードをおすすめしています。しかし時にはウェットフードをおすすめすることもあります。

たとえば冬期は猫ちゃんの尿閉(結石や炎症産物が尿道に詰まっておしっこがでない病気)などのおしっこ絡みの病気が増える時期です。寒くなることで猫ちゃんの水を飲む量が減り、おしっこが濃縮して結晶ができやすくなったりするためです。こうしたおしっこトラブルをおこしがちな猫ちゃんでは水分を補給するために一時的にウェットフードをおすすめすることがあります。
また、ウェットの方が匂いや味が良いので食欲がない子や手術後の子には一時的にウェットフードを与えることがあります。食欲の起爆剤としてふりかけのように使うこともあります。

猫ちゃんは体温前後のフードを好むので、とりわけ食欲がない子にはレンジで人肌程度にあたためて与えることもあります。

酸化を防止するためにも、ドライフードは開封したら1ヶ月程度で使い切りましょう。

参考web・資料
一般社団法人ペットフード協会:https://petfood.or.jp/knowledge/kind/index.html#02


犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。