本日は、青磁 (せいじ) についてご紹介。
薄く透き通るような青緑色に気品を感じる「青磁」。
青磁とは、青磁釉を施した磁器または炻器のことです。
❖「青磁」の歴史
その起源は紀元前14世紀頃の中国、殷の時代とされています。「封神演義」の時代ですね。なんとその歴史は3400年。その後、後漢の代 (3世紀頃/「三国志」の時代です) に流行し、普及したようです。その製造技術は近隣の日本や高麗(現在の朝鮮半島)、東南アジアなどにも伝播していきます。
本来その形は、宗教的な儀式に使われた青銅器をかたどったもので、色は「玉(ぎょく)」、つまり翡翠を摸したと言われています。
格式高い青銅器のかたち、そして翡翠の色。
青磁はもっとも高貴なうつわとされていたようです。
❖「青磁」のメカニズム
青磁の特徴的な青緑色は、釉薬や粘土に含まれる酸化第二鉄が、高温により酸化第一鉄に変化することで発色します。釉薬中に含まれる鉄分量等により、黄色がかった緑から空色まで、発色が大きく変化。 現在では石灰バリウム釉を基礎釉とし、珪酸鉄を着色剤として使用することで澄んだ青色を得ることができるのです、本来の青磁は灰釉です。
❖日本での「青磁」
日本の文献に青磁が最初に現れるのは11世紀頃。平安時代の遺構からも出土例が多く、特に茶碗が多かったそうです。鎌倉時代から広まった「茶の湯」の茶人たちも愛用。侘び茶の始祖・村田珠光は青くならなかった灰黄色や褐色の青磁に価値を見出して愛用したようです。
日本で本格的に青磁の生産が始まったのは江戸時代に入り17世紀以降。有田では、色絵と併用したものが多くつくられました。
高麗では11~14世紀頃、タイでは14~15世紀頃に青磁がつくられるようになりました。タイではサンカーロク窯という窯で焼かれており、安土桃山時代には日本で広まっていたようです。産地の名前から「すんころく焼」や、漢字を当てて「宋胡録焼」などと呼ばれていたそうですよ。
本日は「青磁」のおはなしでした。
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