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18年経った今もマジでお薦めしたい書籍③「アドレナリンジャンキー」

こんにちは、オリンピックも佳境に入ってきましたね。

ワクチン打ちましたか?
私は職域で2回目接種完了!ちなみに2回目の翌日は発熱で寝込んでいました。。

このシリーズは私が東京に来た18年前当時から読んでいて、今もホントにいいと思って個人的にお薦めしたい本をご紹介します。

なので、タイトルに「18年経った今も...」とつけています。(本の出版年とかは全く無関係です)

東京は緊急事態宣言が続いており、私もステイホーム生活を継続しています。おかげで読書量が例年より遥かに増えました。

現代のベストセラーである「嫌われる勇気」こちらも最近読みました。
何やかんや素晴らしい本ですね。ついつい読み返してしまう。

哲学者の先生と青年との対話形式で繰り広げられていく「アドラー心理学」の考え方を分かりやすく教えてくれる本になります。本題じゃないので詳しく書きませんが...これ読むと日常、特にビジネスの様々なシーンでこの本で言う「フロイト式原因論」で片付けられてしまうケースってあるよね〜って思ってしまう。特に会議の場などで出来ないことを一生懸命上司へ報告する場面かな。。

「フロイト式原因論」を簡単に言えば、今起きた結果の原因を説明する時に、一番分かりやすい過去の出来事(納得されやすい、トラウマ的なもの)を安直に紐づけてそれを原因としてしまう…という事です。なので仕方ない、不可抗力だったみたいな。。。

基本的に大事なのはいつでも「これから」なので、この本では前述の原因論に落ち着く人は一生変われないということを教えてくれます。

一度興味があればこちらもご一読ください。
さて本題です。

18年経った今もマジでお薦めしたい「アドレナリンジャンキー」

今回お薦めするのはこちらの本です。

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私の本業はエンジニア、及びエンジニアリングマネージャーという知識労働者なので、ちょっと本業絡みの本となります。

著者のトム・デマルコさん(他もいますが)は私の世代くらいの業界の方なら知らない人はいないと思います。有名な著書に「ピープルウェア」とかがあります。私ももちろん、トム・デマルコの殆どの本を持っていて読んでいます。なんやかんや、私はこの「アドレナリンジャンキー」が一番好きです。

何が良いって「短編集」になっていること、86個の短編読み物になっていて、要するにプロジェクトあるあるな話を面白おかしく書いてくれている。アンチパターンというか、こういうチーム、組織は失敗するよみたいな失敗例が多いかな。。。でもサラッと気になったところから読めて、中にはどうても良い話なんかもあったりするのですが、それも含めてとても分かりやすくて面白い。

トムデマルコさんの他の本って基本は物語調になっていて、システム開発現場の臨場感を出すべく会話なんかも多く、まぁ言いたい事は分かるんだけど登場人物とかその背景とか色んなことを深く知りながら読み進めていくのが正直面倒くさい。。ただ誤解のない様に、どの本も今読み返しても原則的なところに触れられているので一読の価値はあります。

アドレナリンジャンキーで、個人的に好きなパートを挙げて、なんとなく個人的感想を書いてみたいと思います。(ネタバレかも知れませんが。。。)

4 - 幸福礼賛会議
→偉い人が出る会議では実質的に賛同することしか求められない、偉い人が「悪い報告でも遠慮なく言ってくれ」と言ったから報告したのに…偉い人が手のひらを返しちゃった瞬間、その会議は今後未来永劫そうなってしまう。(これまでの社会人人生、何度手のひら返しされたことか。。。笑)

26 - かかし
→かのスティーヴ・ジョブズの思想とかぶる、ユーザーは形にあるものを目にするまで何が欲しいかなんて分かっていない。
これホントそうで実直にヒアリングしてその通りソフトウェアを開発したのに全く使ってもらえない状況になって「何でだろうな〜」なんて言ってる人が現場にいるから笑ってしまう。。もっとタチ悪いのはPMがこの原則を分かっていなくてユーザー責任にするべきだとメンバーに騙されてしまうケース

48 - ミュージックメーカー
→これは番外編、IT業界に勤めているヤツはやたらと音楽が好き、特に楽器を弾くことが好きなヤツが多い。これ確固たるデータは無いですが個人的にもホントにそう思った。

62 - 隠れた美
→どんなものにも美しさの要素は必要、普段見えないもの、何の気なしに使っているものにも「設計美」というものが存在している。これはホントそうだし作り手である以上追求するべきところである。デザインを美しくするには「削ぎ落とす」こと。この言葉が出ることがホントに素晴らしいと思うし、この感覚を共有しあえるチームといつも出会いたいと感じます。

79 - 製紙工場
→プロジェクトにおいて資料やドキュメントをプロセスの一環として作ってしまう、またメンバーやステークホルダー、はたまた上司は誰かから発信された資料をとりあえずコピーしたり、今のご時世だとURL共有してもらったりして手元に残しておく、これ思考停止でやる人多いけど、大事なのはそのドキュメントが持つ意味や目的だよね?って話。なんでも欲しがる人見ていつも思っていたことだなぁ。。と今回読み返しても改めて共感

なんの話かわからないかも知れませんが。。もし気になればぜひ実際の本をご一読頂ければと思います。

あと、番外編で「プロジェクトことば」ってのがあってこれがまた面白い。為になるかと言われると微妙ですが...実際にホントに現場で同じようなことを言うヤツが出てきたりするとちょっと笑ってしまう。(こちらもネタバレかも知れませんが。。。ご了承ください)

実際のプロジェクトで出る言葉=本当の意味
このスケジュールは果敢=俺たちはもうおしまいだ
エグゼクティブサマリー=漫画バージョン
ハイレベルな=なんちゃって
開発は続いてます=どうすれば良いのやら
コードは完成した=テストはまだ
同じ土俵で話をしよう=俺のやり方に従え
・・・など

実際、私も部下のメンバーにこんなのあるよ教えてそれ以降「コードは完成しました」って報告受けると「テストまだやろ?」って冗談で言ったりしてました。笑

最後に

少し間が空いてしまったのですが、ちょっと自分の本業路線の中からご紹介してみました。

昔からある本なのでもしかすると今の感覚にマッチしていない部分もあると思うし今の若いエンジニアが見てもピンとこないこともあるかも知れませんが、私が現場で長い間プロジェクトマネジメントをしてきた中でも実際に多様な状況に直面する場面があって、その中でうまくやれたかどうか分かりませんが、自分自身としてはこの本だけでなくトムデマルコさんの本からは多少なりともプロジェクトマネジメントしていく上での「嗅覚」を身につける事が出来たのではないか…と思っています。

こんな状況下なので、また改めて読み返したいと思います。

ではまた、次の本にご期待ください!!

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