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なんともしがたい微妙な文章を速攻でちょこっと魅力的にするための超具体的秘技。

 はじめまして! 株式会社VERTEXグループというITベンチャーで広報をしている23才の井手です。社会ではまだまだ若輩者ですが、私はもうかなり長いこと文章を書いて暮らしています。

 まずこの文章を読んで欲しい人はこういう人です。

「えっ……私の文章……ヤバすぎ……?」ってなったことある人
・とにかく部下の文章がわかりにくいけど指導の仕方がわかんない人
・なんかわからないけどとにかく文章書くのが辛い
・文章上手くなりたいけどそもそもうまい文章がわからない
ぶんしょうかくのこわいきらいアレルギー、という人

(*ご挨拶を兼ねて、私が前書いた文章とちょっと履歴などがわかる文章は こちら から読めます。)

 私の文章キャリアのスタートは結構早め。高校まではとにかく小説を書いては応募していました。細々した賞をいただいたりも大学進学とともにフリーでライターの仕事をはじめました。お金のためなら本当にシャレにならないくらいなんでも書いてきたので、我ながら文章をひねり出す力、整える力は結構負けていないと思います。

 そんなこんなで現在の私は、広報をやりつつ社内の赤ペン先生的なポジションでいろいろな文章を見ています。で、気づきました。

めっちゃ頭いい人でも文章ヘタクソだったりするじゃん!!!
文章ヘタクソなせいでなんか損してる人、めっっちゃいるやんけ!!

 というわけで、社内で伝授している、なんともしがたい微妙な文章を速攻でちょこっと魅力的にするための超具体的秘技をまとめました。


1. 一文の句点を2回までに制限する

 ダラダラ長い文章は読みにくいので、一文の句点を2回までに制限しましょう。これはビジネスメールを描いたことのない新人を指導するときにも必ずいうことです。まずこれを守るだけでかなり変わります。

 文章の読みやすさと言うのは、一度読んだ量でどれくらい頭に入ってくるかがとても大切で、一文の情報量があまりに多いと、最初に捉えるべきだった内容がしっかり捉えられず、実際その文章では何を伝えたかったのかがぼんやりしてしまい、「伝わらない」「読み取れない」という悪循環を……(悪い例で書いてみました。ぜんぜん頭に入ってこないと思いませんか?)

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EX) だらだら長い文章を簡潔にする

イマイチな例
私の将来の夢は宇宙飛行士なので、小さい頃から宇宙に関心があり、星座に関する本を読んだり、宇宙の図鑑を集めたりしながら宇宙について勉強していて、休みの日は父に車を出してもらって祖母の住んでいる田舎まで行って、天体望遠鏡を使い星の観察をしています。

 →極端な例……に見えますが、意外とこんな風につらつら文章を書いてしまう人は多いです。一文の句点を2回までのルールに従うとこのようになります。

"一文につき2句読点まで"ルール遵守
私の将来の夢は宇宙飛行士です。小さい頃から宇宙に関心があり、星座に関する本を読んだり、宇宙の図鑑を集めてたりしていました。今でも宇宙について勉強しています。休みの日は父に車を出してもらい祖母の住んでいる田舎まで行きます。星がよく見える場所で、天体望遠鏡を使い星の観察をしています。

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2. まず結論を頭一文で言い切る

 なんだかんだ「結論から言う」文章が一番わかりやすいです。文章を書いているときはストーリーテリング形式(=物語を語る形式)で、ついつい起承転結の順で話をしてしまいがちです。そのうちに話していた内容がずれてきて、「結局何が言いたかったんだっけ」ということになりがち。

 文章を書いたけど正確に伝わっていなかった、「で、どういうこと?」と言われてしまった……という経験がある方はぜひ試してみてください。情緒的な文章の場合は、結論の部分を「最も伝えたい感情」に置き換えると良いと思います。

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EX) 結論から伝えてみる

イマイチな例
会社を創立して以降、創業期と呼ばれる時期をすぎてから会社の売り上げは伸び悩んでいます。現在の会社の課題点として、「新人の教育が行き届いていないこと」「古参メンバーのナレッジ共有が円滑でないこと」「経営層とのコミュニケーション不足」が挙げられます。これらの経営課題に向き合い、全社的な一体感を取り戻すのが急務です。今期は全社での合宿、ナレッジ共有などのシステム導入などを積極的に行い、全社一丸となって売り上げ目標を達成できるよう頑張りましょう。

 →このメッセージの中で本当に伝えたいのは「全社的な一体感を取り戻さなくてはならない」というメッセージ発信者の危機感です。それが、他の課題や実際の方策などで薄まってしまっている状態。

結論から伝える例
今期は全社的な一体感を取り戻すために万策を尽くします。会社を創立していこう、創業期と呼ばれる時期を過ぎてから会社の売り上げは伸び悩んでいます。現在の会社の課題点として、「新人の教育が行き届いていないこと」「古参メンバーのナレッジ共有が円滑でないこと」「経営層とのコミュニケーション不足」が挙げられます。これらの課題を解消するため、全社での合宿、ナレッジ共有などのシステム導入などを積極的に行います。全社一丸となって売り上げ目標を達成できるよう頑張りましょう。

 →結論>問題意識の根元>具体的な課題>解決策、というわかりやすい文章になりました。

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3. 主語と述語を近くする

 人間が文章を認識する時はまず主語と述語を把握します。他の情報はあくまで後付け。伝えたいことをダイレクトに伝えるためには主語/述語を近づけることが最も手っ取り早いです。

 もちろん一概にはいえませんが、主語と述語を離した文章をわかりやすく書くのは結構な高等テクニックです。また、一般的に言われている通り日本語は主語を省略しても成立するタイプの言語です。例えば「ご飯は食べましたか?」という言葉に「あなたはご飯を食べましたか?」と聞くとちょっと不自然な感じがします。なのであくまでもここは臨機応変に。

 何より重要なのは、主体や視点をわかりやすくすること、そしてその述語を遠くなく記述することです。説明だとわかりにくいので、例文を見て見ます。

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EX)主語と述語を近くする

イマイチな例
弊社VERTEXグループは、事業拡大に伴い、新規事業立案・グロースの責任者として会社の企画を盛り上げてくれる若手人材を募集しています。

 →言いたいことはわかりますが、主語と述語がちょっと遠くて読みにくい印象を受けます。句読点は二つまでの先ほどのルールは守っていますが、装飾が長いのが問題です。

主語と述語を近く
弊社VERTEXグループでは新規事業担当の人材を募集しています。事業拡大に伴い、新規事業立案・グロースの責任者として会社の企画を盛り上げてくれる人を大募集中です。

 → まず最初の文章で人を探していることを伝えます。詳細やそれに付随するコメントはあとからでOK!

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まとめのおまけ: だめ文章Before/After

 本日ご紹介した”小技”のおさらいです。

・一文につき句点は2つまでに制限する
・とりあえず結論から伝えてみる
・主語と述語は近くする

 この三つを守るだけでかなり良い文章になるのは請負います。最後のおまけとして、だめだめな文章をこの3つを守ってリライトしてみます。

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悪文例
今の会社に入って2年がたち、わかることも増えてきたけれど、まだまだできない業務も多い中、広報として業務を頑張れるのは、なによりも支えてくれる仲間のおかげです。急激に拡大していく事業を支え伸ばしていくためにアイディアを出し合いながら仕事をする環境はとても楽しいです。自分自身の限界を超え、成長していける環境を楽しめる方であれば間違いなく一緒にお仕事ができると思います。現在株式会社VERTEXグループでは、視座を高く持ち目標に向かって邁進できる人を探しています。興味のある方はご連絡ください。

この文章の悪いところは……
・最初の時点での主語が大変わかりにくい。
・句点が多くて読みにくい
・結論が最後に来ているので、最初の文章との整合性が取れていない。

 仮にこの文章を、「会社の広報担当者がTwitterなどのカジュアルな場で新しい仲間を募る文章」とすると、こんな感じにリライトでいます。

リライト例
 株式会社VERTEXグループでは、一緒に会社を成長させてくれる人を探しています。急激に拡大していく事業を支え伸ばしていくためにアイデアを第しながら仕事をする環境は、新しい刺激や楽しさに恵まれています。高い目標に向かって努力ができる人、自分自身の限界を超えて成長したいひとであれば大歓迎です。
 私は今の会社に入って2年経ち、未経験入社後わかることも少しずつ増えて来ました。それでもまだできないことや難しいことも多い中、広報として業務を行えるのは支えてくれる仲間のおかげです。ITベンチャーで挑戦したい人はぜひご応募ください!

 一番伝えたいことである「株式会社VERTEXグループでは、一緒に会社を成長させてくれる人を探しています」からはじめ、その補強として文章を追記。さらに個人の経験で共感を求める仕上がりになっています。


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2019/10/29 (火)  18:00 - 21:00(途中退出自由)

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