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〔訳詩〕太陽が花咲く ŽYDI SAULĖ

「太陽が花咲く」 サロメーヤ・ネリス

赤い花々とともに太陽が咲く。
さいごに太陽が咲く–– ––
わたしひとりに黒く咲くだろう……
そしてうつくしい、歌う世界よ!

やなぎが糸杉の塔とともに封じるだろう。
こころはもう泣くことも愛することもない––
そしてもう渇かないことにこころは慣れていく–– ––
しずかに手折られた花がしおれる。

愛するひとよ、きみは重荷に青ざめ、––
つめたい甕を––あたたかな掌が封じる。––
それは心臓のもっとも熱い血のしずく。––
それはわたしたちの友情の灰。

太陽が起きる。赤い花々とともに
それは緑の谷をばらまくだろう–– ––
ぬれて呼吸している芝の下で
わたしひとりにそれは黒く咲くだろう。

出典
Salomėja Nėris, Rinktinė, LTSR Valstybinė Leidykla Kaunas, 1941
https://www.epaveldas.lt/preview?id=C1B0003056470

LAIDOTUVIŲ SIMFONIJA (IV), Mikalojus Konstantinas Čiurlionis, 1903 https://ciurlionis.eu/lt/tapyba/galerija/


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