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大人が持つべきアート思考【本要約】

私は、昔から絵を描くことが好きで、よくアニメやゲームのイラストを描いていた。

だが、小中学校での「美術」の時間はそこまで好きではなかった。
理由は、教科書に載っている絵が魅力的だと感じる事ができなかったから。何を表現したいのかも分からない絵も多く、適当に描いたように見える絵もたくさんあったからだと思う。

今回は、そんな昔抱いていた考えを覆してくれた一冊をご紹介。

「13歳からのアート思考」

こんな人におすすめ

  • 「美術」の授業が嫌いだった人

  • 教養として「アート」を学んでみたい人

  • 「自分なりの答え」を作り、周りに流されない軸を持ちたい人

「美術」とは何か

そもそも美術とはなんだろう。

結論、美術とは、
「自分の中の答えを”つくる”こと」である。

ほとんどの人は、美術館で作品を見ても、
「"作品そのもの"を見て、作品の説明と絵を照らし合わせる作業」をしている。

「作者がどういった”過程”を経て、今の作品を作り上げたのか」
この”過程”の部分を探そうとする姿勢が、現代の大人には足りていない。

今の時代の流れの変化はすさまじい。
世間で、「正しいといわれた答え(太陽)」はどんどん変わっていってしまう。

だからこそ、「自分の中での答えを作る(雲)」という行動は、
今の時代、とても重要な能力であるといえる。

カメラがアートの常識を壊した

すばらしい作品とはなんだろうか。

レッスンで自画像を描いてみようとあったので、
実際に描いてみた。

描いてみた自画像

この自画像は、鏡で見たものをそのまま描いた、いわゆる「写実」である。

昔の画家は今の自由気ままな題材を描く画家とは違い、
金持ちや王族に雇われていた。

昔の画家の依頼される内容は、
「キリスト教の宗教画」か、
「本物そっくりの自画像や風景など」だった。

そんなとき、
「カメラ」という破壊的な機械が生まれた。

それまでのアートは、より写実的な絵を描くことがゴールとされていた
それが根本から覆されたのだ。

有名な写実画家は

今日を限りに絵画は死んだ

ポール・ドラローシュ

と残すくらい、アートそのものへの巨大な問いが出来上がったのである。

その問いに向き合ったマティスは、
鼻の筋を緑色で塗った妻の絵を完成させた。

最初は、常識とかけ離れていたから認められていなかったが、人々がその絵のメッセージに気づき出し、評価されていくことになる。

ここからアートは、「見たものを描くことだけではない。」という考え方が生まれた。

素晴らしい作品というのは、ただ写実的に繊細に描けたものだけではなく、
作品を見たときに「どんな過程があってこれを作ったのか。」
という想像が膨らむものもあげられるだろう。

そして、その想像が、「自分の中の答え」となる。

アートという存在

『アビニヨンの娘たち』/  ピカソ作

 これを境に、アートとは何か。
という問いに先人のアーティストたちは戦い続けることになる。

ピカソは、
一つの視点の現実しか移さない「遠近法」に疑問を持った。

カンディンスキーは、
アートとしての「抽象画」の存在を確立した。

デュシャンは、
アートを「見る」ことから「思考する」という領域に広げた。

ポロックは、
「物質」としての絵の存在を表現した。

ウォーホルは、
アートの「垣根は存在しない」ことを証明した。

これらの詳しい作品の内容は、ぜひこの本を読んで知ってほしい。

アートとは、
好奇心や関心、疑問という「探求の根」を伸ばした結果、
生まれた作品である。

美術館に行くときは、
この観点を持って作品と向き合うと
「自分なりの答え」を作ることができるだろう。

気づき

この本を読んでみて、
アートの見方が分かっていなかったと思い知らされました。
そもそも見方に正解はないのかもしれないですが。

昔は、ピカソの絵を見ても、何がすごいのかを探すばかりで、
結局分からず終わっていました。
今なら、作品を見て向き合うことができると自信を持って言えます。

この本は、
アートをわかっていない人にとてもおすすめの一冊です。
今後の人生が、より有意義な時間になることは間違いないでしょう。

To Do

実際に美術館に行き、自分なりの答えを探しに行ってきます。
まずは、近くの宇都宮美術館かな。
行ってきた感想も書きますね。

私は、たまに(最近描いてない…)イラストを描くのですが、
もっと自分の探求心や好奇心を大事に題材を決めていきたいなと感じました。

自分は緑色が大好きなので、
それを題材にした作品を完成させたいですね。

決して、誰かの需要を気にした作品を作る「花職人」にならないように。

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