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スマホに支配される現代人【本要約】

今回の一冊はこちら

「スマホ脳」

この作品は今すぐスマホを放り出したくなるよう、現代の読者に強く語りかけてくる。
自分もこの作品は大好きで、スマホをいじりすぎているなと感じたときに読み直すことが多い。

そんな本作をまとめてみようと思う。
この作品は、人類の進化の過程を重要視しているので前置きが長くなっているかもしれない。

スマホの害について早く知りたいという方は
「スマホは時間を奪うドラッグ」
から読んでほしい。

こんな人におすすめ

  • うつっぽい、不安などに悩まされている。

  • スマホを毎日4時間以上触っている。

人類が現代に適応できない理由

スマホはここ10年で急速に普及した。

スマホやインターネットが当たり前になった世代は、
今までの人類の歴史から考えても、1万分の1ほどである。
ほんの1世代ほどしか、この超常的なコンテンツに触れていないことになる。

これが人類が現代に適応できない理由になってくる。

詳しくみていこう。
はるか昔の人類は生き延びることに必死だった。死の危険が至る所に存在していたからだ。
そして、人類の目的は「生き延びて、子孫を残すこと」である。

よって、人類は生存するためにより多くのカロリーを摂るように。
また、生存するため「常に周囲を警戒する」ようになり、危険を察知したら「闘争か逃走」を行うように何世代もかけてプログラムされてきた。

時は経ち、現代へと移る。

より多くのカロリーを摂るようにプログラムされてきた人類がたどり着いたのは、「肥満を増やすこと」だった。

生きるため、危険を察知するようにプログラムされてきた人類がたどり着いたのは、「うつや不安障害を増やす」ことだった。

ここまでで分かったことは、
人類は現代社会に合うような進化をしていない」ということだ。

ストレス、不安、うつには理由がある。

扁桃体という、「脳の火災報知器」と呼ばれる器官がある。
扁桃体はストレスシステムを作動させる役割があり、身の危険から守るためにすぐに作動するようにできている。

不安はここから来ている。
心配事の9割は起こらないとあるように、普通では考えづらいことまで脳が警戒する。

うつにも原因があり、ストレスが長く続くと、危険がそこら中にあると脳が錯覚し、ひどく気分を落ち込ませることで引きこもらせる。

現代人が精神疾患になりやすいのは、
「死の危険がない平和な時代」だからこそなのである。

なので、脳の仕組み上、仕方のないことで、
不安を感じやすい自分を責める必要はない。

「今不安を感じているのは、脳が進化した通りに動いているだけ。
行動するためのエネルギーになってくれている。」

このように
「今、感じている感情を理解して、言語化できる」
これがストレスの多い現代を生き抜く上で、必須な能力といえるだろう。

スマホは時間を奪うドラッグ

ここからは、本題のスマホに入ってくる。

人類は新しい情報が大好きで、新しいことを学ぶと、
快楽物質である「ドーパミン」を放出する。

なぜこのような現象が起きるかというと、
先祖から、「新しい情報を得ると生存する確率が上がる」
という進化の過程があったからである。

そして、現代のスマホには新しい情報が大量に存在し、
ワンタップするだけで新しい情報が出てくる。

ここで大事なのは、
ドーパミンは「情報を追っている過程」
つまり「新しい情報があるかもしれない」という期待で放出されることだ。

ギャンブルにハマる人がいるのはこういう理由で、
「当たるかもしれない」という「過程」でドーパミンを放出しているため、やめられなくなってしまう。

例えば、スマホのSNSを例に挙げると、

「もしかしたら、返信が返ってきているかもしれない。」
「もしかしたら、いいねが一個増えてるかもしれない。」

このときに、ドーパミンが大量に放出され、スマホに手を伸ばしてしまう。

これがスマホ中毒になってしまう原因である。

スマホで失われる集中力

スマホで失われるのは、人生の貴重な時間と集中力が主だろう。

人間は「マルチタスク」が大好きである。

なぜなら、「注意を分散させることが生存のために重要だった」からで、
マルチタスクをすると脳がドーパミンを出すようになってしまっているからである。

そして、そのマルチタスクはほとんどの人間ができない。
というのが研究で分かっている。
マルチタスクは人間に取って意味がない行動なのだ。

だが、スマホは、そのマルチタスクを加速させた。
スマホは「ドーパミンを簡単に出してくれる魔法のような機械」なので、
通知やSNS、ゲームなどで作業が遮られ、
さらにはスマホをいじっていなくても、スマホが近くに置いてあるだけで集中力が落ちる。

集中力が大事な理由は、長期記憶に深く関わっている。
長期記憶は集中することで、初めて得ることができるもので、何年経っても忘れることはない。

それがスマホが近くにあるだけで妨げられてしまうのは、
もはや「違法なドラッグ」のような存在である。

私たちができる事

こんな現代のドラッグともいえるスマホとどう付き合っていけばいいのだろうか。

まずはシンプルだが、「あらゆる通知を切る」ということから始めよう。
連絡ツールはハードルが高いかもしれないが、それ以外のいらない通知はすべて切る。これだけでスマホの触る回数は減ることだろう。

そして、デジタルに触れない時間を作ること、
「デジタルデトックス」をしてみよう。
週1程度でいいので、3時間くらい触らない時間を作る。
これだけでも気分もリフレッシュされ、時間の流れをゆっくりに感じる事ができる。
私は銭湯に行くことでそれを実行している。
運動や自然に触れにいくのもいいかもしれない。

運動という処方箋

そして、一番大事なのは「運動」である。
スマホによって、失ってしまう集中力や様々な不安やストレスなどを一気に解消してくれる。

体を動かすというのは、
昔から狩猟をしてきた人類にとっては当たり前のことだ。
狩猟をするときには、獲物を仕留めるという集中力がいる。
現代人にも、それは一緒で
運動をすると集中できるように人間の脳はできているのである。

また、運動を定期的に行い体のコンディションが良いと、
人間の脳はストレスが来ても大丈夫だという脳に変化する。

これが運動をすることで、
集中力が上がったり、不安やストレスから強くなったりする理由である。

まずは週1、10分から始めよう。
そして、週に3回、それぞれ45分できるようになったらベストだ。
運動の種類はなんでもオッケー。自分の好きなことをしてみよう。

私は、ジムで週3回以上の筋トレを行っている。

感想

やっぱり面白い。
この本は、なぜ人間が精神的に病んでしまうのかを言語化してくれて、
その上で、スマホの恐るべき中毒性を説明してくれる。

人類の進化の歴史も知れるとても良い一冊だったと思う。
気になった方は是非。

To do

まずは運動。
そして、デジタルの使用を根本から見直すこと。










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