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2024 春の東北を訪ねて ①

 4月17日早朝、はやぶさ103号で妻と二人新花巻へ。今年は例年になく桜前線のスピードが遅く首都圏では入学式の頃に満開、果たして弘前や十和田の桜は大丈夫だろうか?東北旅行は11年前の夏に復興支援の気持ちで仙台や平泉を訪れて以来となる。当時はまだ気力&体力が充実していたので自宅から車で向かったが、今回は更に北へ移動するので新幹線&レンタカーの旅にした。
 東京&上野駅で席の6割程度が埋まる。平日なのでビジネス客は勿論海外からの観光客やシルバー集団の観光客が多い。はやぶさは大宮を過ぎると次が仙台その後各停となる。多くは仙台で降り一関を過ぎる頃には乗客がめっきり減る。そして東京から約2時間半、ようやく新花巻駅に着いた。駅前は建物が少なく、レンタカー店はすぐに見つかる。借りた車種は初めて運転するヤリスだが乗り慣れたアクアに似ていて安心。
 さて早速妻のリクエストである宮沢賢治記念館を目指す。

宮沢賢治記念館入り口の門

 宮沢賢治記念館は2015年にリニューアルされ、宮沢賢治の詩や童話、教育、農業、科学のジャンル毎に映像や資料が整然と展示されている。旅行前の予習、童話の原書は方言が混ざって読みにくいので翻訳版?を事前にいくつか読んでみた。銀河鉄道の夜、風の又三郎、よだかの星、セロ弾きのゴーシュ、注文の多い料理店、どれも童話と言いながら難しい内容だ。記念館を出て駐車場の反対側にある山猫館の土産コーナーに寄る。旅が始まったばかりなので見るだけかと思いきや、妻の手に土産が積まれる。

注文の多い料理店 山猫館

 昼食は12時半に花巻市内「やぶ屋花巻総本店のわんこそば」を予約している。平泉ではあらかじめ多くの椀が膳に乗せられた盛り出し式?を経験していたので、今回はわんこそば発祥の地花巻で、給仕のお姉さんが次から次へとそばを入れる「憧れのわんこそば」にトライした。私たちが席に着くと既に5人のお客さんのトライが始まっている。「準備できたら蓋を取ってくださいね。それが開始の合図ですよ。ストップの時は素早く蓋をかぶせてください!」お姉さんがそばを補給しながら説明してくれる。旅の始まりに腹を壊してはいけないので目標は80杯かな。

 妻と二人で椀の蓋を取ってスタート、お姉さんがお盆を抱え7人順に「ハイ!ハイ!」とリズムよく一口大のそばを椀に補給する。7人もいるとインターバル長く薬味を入れたり刺身を食べたり余裕だったが、一人減り二人減りと人数が少なくなると、少しずつ補給ペースが上がる。私が30杯を超えたあたりから同年代のカップル、大学生3人そして妻が次々にリタイアし、お姉さんと1対1になった。それからはテレビで見るような補給スピードになり、私がそばを口に入れるのを待ち構えてお姉さんが追加のそばを椀に入れる。ピッチが速まり60杯超えたあたりからだんだん苦しくなる。70杯で限界を感じ蓋をしようとしたらお姉さんが笑って「ハイ!蓋はもっと急いでかぶせてね」、次も遅れて失敗、更に次も信じられない補給スピードと強引さに負け、皆に「あーもっと早くしないと!」と笑われる。結局73杯目で妻の支援を受けながらようやく蓋閉めに成功。結局後半は薬味をゆっくり味わう間もなく終了したが、「これぞ!わんこそば!」を体験し大満足でした。椀数73杯は「わんこそば大食い証明書」によると関脇だ。次回は100杯クリアして是非横綱に昇進したい。

 激しい雨が降る中やぶ屋を後にし三熊野神社を目指す。坂上田村麻呂が建立した歴史ある神社でケヤキ1本彫の毘沙門天が素晴らしいのだが残念ながら毘沙門天は撮影NG。そして「先に泣いた方が負け」の泣き相撲が行われる本格的な土俵がある。毎年ゴールデンウイークにNHKなどで放送される有名なイベントだ。

三熊野神社 泣き相撲土俵

御朱印をいただいて盛岡を目指す。

 花巻から盛岡へ向かう途中、盛岡競馬場に寄ってみた。地方では唯一芝コースのある黄金の競馬場OROパーク、一周1,600Mのダートコースの内側に一周1,400Mの芝コースがある。コース側から見るスタンドはコンパクトサイズだが、入場門から公園エリア、屋台村、庭園などゆったりくつろげるスペースは広い。残念ながら天気が悪く岩手山のパノラマ風景は見えなかった。

盛岡競馬場 OROパーク

 ホテルでチェックインを済ませてから盛岡城址公園までタクシーで向かう。まずは櫻山神社に参拝、満開の桜に囲まれた美しい神社だ。

櫻山神社

 桜が咲き揃った盛岡城址公園を散策する。まだ夕方だが花見狙いの屋台も出ている。公園を一周している間に薄暗くなって来た。少し肌寒いが花見シートに会社帰りのサラリーマンが座り始めている。

盛岡城址公園

 妻のリクエストで夕飯は「白龍(パイロン)の元祖じゃじゃめん」混雑する店なので神社前の焼き鳥屋で軽く晩酌を済ませ、19時前に行くと並ばずに入れた。カウンターに二人並んで座る。四方の壁に芸能人の色紙がこれでもかと並ぶ。メニューを見ると驚いたことにじゃじゃ麵がなんと600円、安すぎないか。まずは二人でこれを注文する。白龍は創業60年、創業者の高階氏が中国の家庭料理ジャージャー麺を満州で食べ、帰国後屋台で元祖じゃじゃ麵としてアレンジし再現したらしい。待つこと20分、特性の肉みそを乗せたじゃじゃ麵が運ばれてくる。うどんのような平たい麺ときゅうりネギに肉味噌をからめて食べる。美味しい。

じゃじゃ麵
ちいたんたん

一口残した器に卵をほぐしカウンターに乗せて「ちいたんたん」を注文する。器に麺の茹で汁を注ぎ味噌を加えて戻してくれる。これをかき混ぜると美味しいスープのでき上り。またこれが絶品。しかもプラス50円。盛岡三大麺のうち2品目を1日でクリア、残るは盛岡冷麺だがこれは次回の楽しみに取っておく。

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