#53 生活を安定させるコミュニティの作り方とは?
「複数のコミュニティへの所属が、
精神的な安定への処方箋である」
というお話です。
「人は一人では生きていけない」
と、よく言われます。
確かに、自給自足が成り立っていた昔でさえ、
一人での生活が困難だったのですから、
社会機構が複雑化した現代社会で、
一人で生活していくことは難しいでしょう。
一方、人間の悩みの多くは、
人間関係によって生まれるものだったりしますよね。
適切な人間関係の作り方や、
適切なコミュニティサイズの保ち方は、
私たちの生活の安定度に強く影響を及ぼします。
「浅く・広く」の関係がいいのか、
「深く・狭く」の関係がいいのか。
そして、「深く・広く」が理想的なのか。
人間のコミュニティサイズには限界があるようで、
「ダンバー数」という考え方があります。
ダンバー数とは、
「人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限」
のことを指し、150名という値が一般的に知られています。
SNSが発達し、
幅広いコミュニケーションが、簡単にできる世の中になりました。
フォロワーが1万人を超えるインフルエンサーも、
珍しくはなくなりましたよね。
しかし、「ダンバー数」が事実だとすれば、
「顔が広い」とされる人も、「つきあいが狭い」と言われる人も、
有効な人間関係を営んでいる数に、
それほどの差異はないのかもしれません。
私は、この150名という限られた人たちを、
どのように構成するかが、
人生の安定度を大きく左右すると考えています。
具体的には、この150名は、
なるべく分散されたコミュニティに所属しているべきです。
極論ですが、この150名が、
全て同じコミュニティに所属していることは、
非常に危険な状態です。
90年代、オウム真理教関連の痛ましい事件を引き合いに出すまでもなく、
狭いコミュニティのみに没入していると、
しばしば視野狭窄によって、
危うい道をたどってしまうことがあります。
「学校」というコミュニティしか知らない子どもが、
そこで求められていることに適応できなかったり、
そこで仲間外れにされてしまったりしたとき、
命を絶ってしまうケースは、
狭いコミュニティしか知らない状況が引き起こした悲劇ですよね。
コミュニティの幅を広く持つということは、
自分の知見を広めるという意義もありますが、
最も大きな利点は、人間関係のリスク分散なのではないでしょうか。
一つのコミュニティ内で問題が起きたとき、
そのコミュニティにしか居場所がない人は、
大きなダメージを受けてしまいます。
しかし、複数のコミュニティに居場所がある人は、
別のコミュニティで様子を見ることができますよね。
簡単なことではないかもしれませんが、
「深く・狭い」人間関係を、
複数のコミュニティで構築することが、
精神的な安定への処方箋なのです。
DAO(自律分散型組織)の広まりに合わせて、
適切なコミュニティを作り、
そして保っていく生き方を、見つけていきたいですね♪
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