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力みを無くして投げるには

力まない仕組みを作る。

質問箱でこんな質問をいただきました。長くなりそうなのでnoteを書くことにしました。

練習では力まないけど、試合では力む選手はよくいます。試合では練習のようにやり直しが利かないので、仕方ない部分ももちろんあるのですが、だからといって力んでばかりもいられません。100%力みを解消できるわけではありませんが、少しでも力みを無くすヒントになればと思います。

力みの原因

普段の練習は力まずに「試合」という特別な状況下においては力んでしまうのですから、試合の時には何かエラーが起きています。それが緊張だったりプレッシャーだったりするのでしょうが、緊張やプレッシャーはエラーの原因であってエラーそのものではありません。それに、緊張やプレッシャーを無くそうとも無くならないから力んでしまうのです。

例えばですが、成人男性なら2リットルのお茶が6本入ったダンボールなら楽に持てると思うんです。しかし、片手で持たなければいけなかったり、ダンボールの底に手を回してはいけなかったりしたら、楽には持てなくなります。最も持ちやすい方法ができないことから、必要以上の力を使ってしまい、それが力みへと繋がります。

フォームとは

普段からフォームの大切さを口酸っぱく言っていますが、そもそもフォームとは一体何でしょうか。フォームには絶対解は無く、目的に応じた型となるものを「フォーム」と呼んでいます。ボールを投げる時には「前へ強い球を正確に投げるためのもの」をフォームと呼んでいます。つまり、フォームが崩れてしまうと目的の達成から遠ざかってしまうことになり、この差を埋めるために力んでしまうのです。持ちやすい方法ならペットボトル入りのダンボールを持てますが、持ちにくい方法なら力んでしまうことと同じ構造です。

ボールを投げる時によくあるエラー

これまで書いたことは幅広く対応するために抽象的な書き方をしましたので、ここからは具体的なことを。

ボールを投げる時に最もよくあるエラーが「上体が先に前に出る」です。早くボールを投げたい、強いボールを投げたい、そういった気持ちが先走って上体が下半身よりも先に前に出てしまうことが多々あります。当然ですが、上半身よりも下半身の方が圧倒的にパワーがあります。普段は下半身の力をたくさん借りてボールを投げているのに、上体が先に突っ込むと、下半身の力を普段よりも借りずにボールを投げることになってしまいます。その差を埋めようと腕や肩に力が入って、いわゆる「力んでる投球」になってしまうんです。

力まない仕組みを

力んでいる選手に対して「力を抜け!」みたいなアドバイスしているところをよく見ます。でも、そのアドバイスが機能しているところを見たことがありません。他の人も見たことがないと思います。力を抜くことなんてできないからです。

ペットボトルの入ったダンボールを片手で持っている時に力を抜いたら落としています。ボールを投げる時も同じで、上体が先に突っ込んで投げてしまう時に力を抜いてしまったら、もっと力のないボールになってしまいます。だから、力を抜く意識とかじゃなくて、力まない仕組みを作らなければいけないんです。普段の練習でそれができているのであれば、試合でもとにかく同じことをする意識をするだけです。

最後に

色々と書きましたが、同じことができれば苦労しませんよね。それがどれだけ難しいことかはわかっているつもりです。しかし、緊張やプレッシャーのせいにしていても何も進歩しません。力んでしまうのは何かエラーが起きていることを理解して、試合に挑めば、試合への取り組み方も変わると思います。頑張ってください!

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