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卒業から半年、3つの事業を統括。1期生が振り返るVFJでの日々

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よくいただく質問の一つ、VENTURE FOR JAPAN(以下、VFJ)の2年間はどんな日々なのか。また卒業後はどのような道を歩むのか。

今回は、1期生として2019年に岩手県釜石市の会社に就職し、2021年3月にVFJを卒業してからも企業に残り、事業推進を行う山口俊貴氏にインタビューを行いました。卒業から半年経つ今、現在のことや2年間を振り返っていただきました。

従業員集合写真_複数名

従業員の方々と(写真一番右)

山口  俊貴
2019年、VFJ1期生として岩手県釜石市に本社を置くmaruwamart株式会社に入社。2021年3月にVFJを卒業後も事業統括者として在籍。CHEF`S BENTO 弁当の宅配事業、お惣菜事業の3つの事業推進に向けて取り組んでいる。

3つの事業のマネジメントを行う現在

盛岡で地域のお店からセレクトしたお弁当を取り扱う事業CHEF`S BENTOと、釜石市内を中心に展開しているお弁当の宅配事業、お惣菜事業の3つの事業をマネジメントしています。

CHEF`S BENTOは昨年から現場改善に着手し、6年ぶりに黒字化することができました。現在もじわじわと伸び、安定しています。一方で宅配事業は苦戦中です。周りには競合もたくさんいるため、管理栄養士の方にも加わっていただき、県産の食材を使った付加価値の高いお弁当でオリジナリティを出すことにしました。さらにその一環で現在はお惣菜にも広げています。楽しく、おいしく召し上がっていただける商品作りをしています。

卒業から半年、周囲は変わっても変わらない自分

maruwamartでは3つの事業を展開しており、今はその全てを見ています。正直、大変ですね。(笑)3月にVFJを卒業する時に、自ら社長に直談判しました。もともと社長のトップダウン的な企業風土が強いこともあり、一人ひとりが率先して仕事をする文化がは育まれていませんでした。そこで私が中心となって変えていきたい、と話をしたんです。

VFJを卒業して半年経ちますが、自分自身はあまり変わっていないと思います。社長を含めて社員には同じ話しかしていません。でも確実に周りの仲間は変わってきた、と感じています。自分の考えに賛同してくれる人が増え、自ら率先して動いてくれるようになりました。

実は早朝の朝の弁当作りを支えていた、技能実習生の帰国から体制変更をしたことが背景があります。もともと決まっていた帰国だったのですが、体制づくりができずに時期を迎えてしまい、結局その穴埋めを自分がしていました。朝4時に出社し、弁当作りをして夕方18時まで働いて。当時は精神的にだいぶ追い込まれました。

責任感の強さと、能力的にもできるため背負いこんでしまっていたけれど、周りの仲間からしても、少しおかしいと見えたようです。社長に、状況や自分の想いを冷静に伝えつつも、事業への想いや必要なことは感情に乗せて話をしました。体制変更後は、今はすぐには芽が出ないと分かりながらも、事業全体の戦略を立て、役割を与えています。これまで何事もその場の口頭で伝える組織文化でしたが、僕が事業統括となり、きちんと資料を作ったり、会議の場を設けビジョンを伝えたりするようになりました。

資料画像①

僕は性格診断で「指揮官タイプ」と出てくるくらい、リーダーシップに長けている一方で、他者の感情に十分寄り添えないことが課題です。なのでコミュニケーションでは気をつけています。事業責任者でも、会社では自分が一番下で、周りは40〜70代の方々で価値観も全く違う。また女性も多くいらっしゃいます。だからこそ優しく、時にあえて厳しく、そのバランスには気をつけていますね。

「人に頼る」を学んだVFJを振り返って

社長とは、大学時代のインターンシップでの出会いからの付き合いです。インターンシップ生の山口くんから、正社員の山口くん、現在では事業統括の山口くんになりました。より厳しくなっているようにも感じていますし、他の事業などで忙しいけれど、もう少し見てほしい・褒めてほしいとの想いもあります。でもビジョンや当時から変わらない社長のいいところを尊敬しているので、一歩引いた自分たちなりの関係性を築いています。事業統括になって、社長も事業を任せてくれるようになりました。細かいところは任せてくれるので、自分自身もリスクフリーで正しいことに挑戦できるのはいいことだと思っています。

CHEF`SBENTOの黒字化は、当時いらっしゃった顧問から「現場を見なさい」と言われ、飲食店にヒアリングしたことがきっかけでした。事業を始めた時は、自社でつくった弁当を販売していました。しかし実際に飲食店のお弁当の方がおいしいことに気づいたんです。飲食店のオーナーさんは気難しい方もいらっしゃるけど、そこが魅力でもあって。さらに商品がいいとお客さんってついてくるんですよね。原価は高くても、値引きや廃棄が減り、飲食店さんも増えていることで、安定した収益を確保するまでになりました。

CHEFSBENTO事業_画像①

改めて2年間を振り返ると、本当に大変でした。今では肩書きと能力が一致していますが、当時は肩書きが特になく却下され続けてきました。感情を取っ払って意思決定する人は、ほとんどいないんですよね。正しいことが全て正しいわけではないな、と。感情も時に大切で、能力と感情の葛藤の連続でした。

そのなかで、学んだことは「人に頼る」ことです。自分ができないことを誰かに相談していかにやるかかな、と思います。目の前にある課題も、自分一人では解決することが難しくて。いっぱいいっぱいになるため、あえて周りの方に相談をして、落ち着いていました。自分のなかでは正解は出ていて、背中を押してほしいのかな、とも思います。信頼する人に肯定されると、行動に起こせるんですよね。

VFJの小松さんをはじめ、事務局の皆さんや釜石で親しくしている方々に今もお世話になっています。今ではこの課題にはこの人に話を聞こう、となんとなく聞く人も分かるようになり、無意識的にやっていますね。

​​今の3つの事業は、成長の場として捉えています。事業として爆発的な成長を遂げる見込みはないので、スモールビジネスの中でどう成り立たせていくのか。ともに働く仲間が幸せに、目の前のお客さんを大切に、皆さんにも幸せになっていただけるように、と考えています。現時点では、それぞれの事業も僕がいないと成り立たちません。いずれいなくなっても回るようにしていきたいです。

「食」から「仕組み」へ。興味の変化とこれからの方向性

今は目の前のこと、長くて1年後の未来を見据えて取り組むことが大事だと思っているので、起業をしたい!など長期的にやっていきたいことなどは明確にあるわけではないです。

実はVFJに入って、修羅場やトラブルに遭遇すると、目の色が変わって心が踊る感覚になるようになったんです。もともと好きだったわけではないですが、自分がどんな時にやりがいを感じるのか?と考えた時、修羅場から乗り越えられた時に後悔しなくてよかったな、と。一瞬一瞬を生きるような感覚です。谷と山によって、自分の生き方が見えるんですよね。

またこれまで「食」に興味があるとの仮説を持っていたのですが、実はあまりそうではなかったようです。(笑)それよりも「仕組み」が好きです。分配やブロックチェーンの考えに興味があり、そういう仕事には没頭し、休みもずっと考えているほどです。分野は関係なく、食やこれからやる事業に活かしていきたいな、と思っています。となると、その後はコンサルタントやプラットフォームを作るなどはありそうですね。一から仕組みを作るのも、ボロボロになったものを立て直すのも好きだな、と。

おそうざい事業_商品②

起業自体はそこまで難しくなくても、経営を持続させていくことって本当に難しいんですよね。今は事業統括としてある種、経営者と同じことをしていますが、社長とすり合わせのもとやっています。起業をするのであれば、他のところでも経験を積んでいきたいと思っています。

エントリーを考えている方にお伝えすることは、正直2年では足りないですね。もちろん2年で起業できるくらいにはなるかもしれないけれど、それが正しいことなのか?とは思っています。2年間をやり切る…というよりも2年間を耐え凌ぐ…でしょうか。(笑)事業を拡大するなかで、理不尽なこともあるけれど、それが起業家としての素質につながってくるのかな、と考えています。
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