肥大していく承認欲求をどうにかしようと試行錯誤する話。
ここ数日、承認欲求が著しく高まっている。
引用した文に挙げられている3つの例全てが当てはまっている。
「私を見て!」「私の話を聞いて!反応して!」「そして褒めて!!!!」
この気持ちを抱えてウズウズしている。
ありがたいことに現代社会において考えていることを発表する場は身近にたくさんある。
TwitterやInstagramにおいて簡単につぶやいて、友人や知らない人の反応を得ることができる。
よし、私もなにか呟いて反応を得て承認欲求を満たそう。
さすれば内なる怪物も鎮まるであろう。
満たそう承認欲求
まず手始めにインスタのストーリーに思いついたことを挙げてみることにした。
ただ、全体にアップするのは少々恥ずかしかったので親しい友達に向けてアップすることにした。
親しい分反応も見込めるし、承認欲求を満たすにはもってこいだろう。
そう思いながらストーリーにアップした。
これを思いついたとき、「天才」の2文字が頭に思い浮かんだ。
そうか、私は天才だったのか。
あまりに素晴らしい。
これを親しい友人間でのみ共有してしまってはもったいないのではないか。
しかしアップして30分が経過しても誰からも反応はない。ストーリー自体は結構な人数に見られている。
バグか?
いや、もしかしたら素晴らしすぎて喰らってしまっているのかもしれない。
追い打ちをかけよう。
さらにもう一発デカい花火を打ち上げてやろう。
そしたら皆堪らず反応するだろう。
インスタの親しい友人には高校時代の友人が多くいる。
私は高校時代理系のクラスに所属していたため、理系に寄った形での中尾彬もじりを発明した。
大学での講義で学んだ「相手にいかに伝えるのか、そのために必要な考え方」が最大限に生かされた至高の逸品。これは反応が来るに違いない!
そう思っているとチャット欄に一件メッセージが来た。
まだアップしてから1分も経っていない。
おいおい!!新作アップされるのを楽しみにしすぎて、スマホに釘付けになっていたのかい!!
ごめんね供給遅れてね!!けど、こんなに早く反応がもらえて俺も嬉しいよ!!承認欲求が満たされる音がする!!!
私はウキウキでチャット欄を開いた。
愕然とした。
どうやら私の渾身の一撃×2はすべっていたらしい。
この「すべっている」という言葉の意味が私の知っているものと同じ意味なのであれば、私はとんでもない恥を晒していたということになる。
この文を見た瞬間、私の顔は真っ赤に染まり、気づけばストーリーにあげていた渾身の2作品はどこかに消え去っていた。
受けると思ってやったことが滑ることがこんなにも恥ずかしいことだとは。
え、もしかして俺が今まで面白いと思って言ってきたことも全部つまらないと思われてた?
一発目に上げたデカ尾彬のやつ、結構な人に見られてたよ?あれ全員つまんないって思ってたの?
え嘘超恥ずかしいんだけど。
宣材をいそいそダウンロードして、わざわざ2回に投稿を分けてクイズ形式にして上げるっていうちょっとした労力を感じさせる仕様にしたことも恥ずかしい。
というか中尾彬に申し訳ない。私は中尾彬さんを利用してクソ滑ったクズ人間です。(ここまで超早口)
友人から送られてきたこの7文字に対して、文字数からは想像できないくらい傷ついてしまった。
7文字でこんなに人は傷つくことができるのか。燃費が良すぎる。この例えも多分よくはない。
全体のストーリーに上げてなくて本当に良かった…。それだけが救いである。
匿名性を利用して承認欲求を満たそう
こんなに傷ついたあとだというのに、私の中の承認欲求は治ることはなかった。
それどころか、逆に増していくばかりだった。
私はTwitterを用いてこの欲望を満たすことにした。
Twitterならばつまらないって言われて傷つく心配もないし、なにより匿名性が高いから先入観なくツイートを見られる!
誹謗中傷のために匿名性を悪用するのは良くないけど、承認欲求を満たすために使うのは大丈夫でしょ!!
Twitterのトレンドとかハッシュタグに関係ない猫の画像とかイラスト載っけていいね稼ぎしてる承認欲求モンスターいっぱいいるし!!!!
そう思いながらしたツイートがこちら
俗に言う「あるある」的なことを書いてみた。
マクドナルドでアイスコーヒーを頼んだら紙ストローだった。
そんなに紙ストローに対して否定的な気持ちを持ってはいなかったけど、なんかTwitter上でよく紙ストローディスられてるし、それに乗っかれば反応もらえるんじゃねって思って書いた。
(このツイートに書いたことは本当に起こったことではあるので、ちょっとだけ紙ストローが嫌になったのは事実)
Twitterの世界はそんなに甘くはなかった。
Twitterとはいわば情報の海。
私の放流したツイートなど、誰の反応も得られることはなく、ただ海の底へと沈んでいくだけなのであった。
ああ、無情
と、ここであることに気づいた。
ハッシュタグをつけていなかったのである!!
ハッシュタグないと人の目にはつかないよね!!
そりゃそうだよ俺のフォロワー7人とかだもん!!
これで反応もらおうとする方がおかしいってもんよ!!!!!
現在盛り上がってる話題といったらやはりジブリの新作『君たちはどう生きるか』だろう。
私も公開当日に観たし、これに乗っからない手はない。
よし!ハッシュタグつけて呟いて反応もらうぞ〜!これが俺の生き方だ〜!!
話題の作品を用いても反応は得られなかった。
なんなら皆に問いかけるような形のツイートをしたというのに反応はゼロ。
魂胆が見え見えでとても、とても情けない気持ちになる。
#君たちはどう生きるか をつけて上がっている他のツイートを見ると、考察やネタツイートなど、どれも人々の注目を集めるようなクオリティの高いものばかりだった。そりゃこんな箸にも棒にもかからないような文、目に入らんわな。
余談だが、君たちはどう生きるかの冒頭シーンの演出はとてもユニークなものだったのは確かである。
革新的なものを感じたし、あのシーンを大スクリーンで見ることができただけで、私は鑑賞料金の元は取れたなと思った。
おすすめです。
余談終わり。
やっぱフォロワーが多くないと反応は見込めないよなー。
人の目を引くようなセンスもない自分はこの承認欲求をどう鎮めるか、わからなくなった。
最終手段note
と、ここでこの体験をnoteに書くことを思いついた。
これまで書いた記事もありがたいことに結構な方々に見ていただいており、Twitterよりも人の目につく可能性が高いように感じた。
この記事は現在進行形で高まっている承認欲求を鎮めるために書いたものです。
皆さんこの記事を読んで少しでもいいなって思ったら「スキ」を。めっちゃいいなって思われたらフォローをお願いします!!!
私の中で暴れているこの怪物を抑えることができるのは皆さんです!!!!
自分が嫌いだと思っていたそれになってしまった
インスタのプロフィール欄で総フォロワー数をアピールしているインフルエンサーが嫌いだった。
youtuberが動画の最後で高評価、チャンネル登録を私たち視聴者に求めてくる意味がわからなかった。
フォロワーを増やしたいのなら内容で勝負しろ、数字を誇示してくるな、そう思っていた。
私が先ほど書いた文の内容は、私があれほどに嫌っていた彼らのしていたそれらと同じだった。
「嫌ってる人間に、人は必ずなってしまう」
どこかでそんな言葉を聞いた。
私は、自分が嫌いだったそれになってしまった。
私は、ただ数字だけを追いかける怪物になってしまった。
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