見出し画像

「読書」に意味を見出せない、学生のみなさんへ

初めまして、vegielabです。普段はvegan情報を発信していますが、学生を相手にする仕事柄、悩みを多く聞く「読書の意義」について書こうと思います。「本を読みなさい!」と説教する気はまったくありませんのでご安心を。記事が少しでも気になった学生のみなさん、5分程で読める記事ですのでぜひ読んでいってくださいね。

読書をするのが嫌いな人、読書の意味がいまいち見出せない人、それぞれいると思います。私もそうでした。読書は自分にプラスになる、そう頭でわかってはいるけれど、なかなか気が進まないんですよね。

「読書の意義」とは?

今回は、読書がもたらすプラスの効果にはどのようなものがあるのか、vegielab的に考察をして3つの観点にまとめてみました。「ストン」と心の中に落ちてくる、そんな視点がみなさんにとって一つでもあればいいなあ。


①「新しい視点」を獲得することができる

ありきたりな理由かもしれませんが、一つ目はこれ。自分のなかに今まで無かった考え方やモノの見方を教えてくれるのが読書です。お笑い芸人であり作家でもある又吉直樹さんが独自の視点で読書を考察しているので引用します。

なぜ多様な視点や考え方を持つ必要があるのか。極論を言うと全人類が同じ考え方しか持っていないとしたら、一つの失敗で全員が死ぬからです。「この鮮やかなキノコ美味しそうだから食べてみよう」と全員が思ってしまったら駄目なんです。全滅ですね。(又吉直樹『夜を乗り越える』、小学館よしもと新書、 p.136)

毒キノコをもってくるあたりが秀逸。(笑)

ヒトの一生は限られています。そう何度も失敗している時間はありません。大体のことは先人たちが試し、失敗していますので、読書よってその失敗を学ぶのが一番早い。しかも、一冊千円程でその経験を買うことができるなんて安すぎると思いませんか?


②「自分以外の人生」を経験することができる

人生は一度きり。いくら頑張っても、生まれ変わる以外に別の人生を経験する方法はありません。基本的には。

「基本的には」と書いたのは、実は読書が「自分以外の人生」を経験させてくれる最高の道具だからです。例えば小説。主人公が見たこと聞いたこと感じたこと、それぞれを主人公の視点を通して追体験することができます。それがエッセーともなれば、さらにグッと身近なものに。

13か国語に訳されている世界的にも有名な作品である『沈黙』(遠藤周作、新潮文庫、1981年)。その登場人物に自分を重ねてみます。

時は遡り、17世期の日本。キリスト教布教のため危険を顧みず日本へやってきたポルトガル人のセバスチャン・ロドリゴ。「潜伏キリシタン」を悪とするこの時代に、若きイエズス会司祭は日本でキリスト教の灯を絶やさないため命がけで布教活動を行います。幕府に見つかれば捕らえられ、最悪、処刑される可能性も高い。ハラハラする展開が本編には盛り沢山。こんな状況、現代では到底経験できるものではありませんよね。(『沈黙』を知らない人、ごめんなさい。)

今までの自分だったら絶対に思いつかないような発想、視点、考え方を登場人物の視点から経験することは、自分が生きていくうえで必ずプラスになる、そう思っています。


③「何も知らない自分」を知ることができる

世の中は自分の知らないことばかり。だけど、歳を重ねるごとに少しずつ経験や知識、一人でできることが増えていって、ややもすると自分の考えに固執しがちになります。そんな時、「自分が無知である」ことを思い出させてくれるのが読書です。京都大学の名誉教授であり、歌人でもある永田和宏さんが読書の意味について以下のように考察しています。

読書や学問をすることの〈意味〉は、端的に言って、自分が何も知らない存在であったことを初めて知る、そこに〈意味が〉あるのだと思う。ある知識を得ることは、そんな知識も持っていなかった〈私〉を新たに発見することなのだ。(永田和宏『知の体力』、新潮文庫、2018、p.55)

独りよがりになりがちな自分を客観的に見直すきっかけをくれる、そんな効果が読書にはあると思います。周りとの関係がうまくいかないとき、自分自身のこれまでの言動を顧みる機会をくれる、読書にはそんなメリットがあると思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。今回の記事が読書をする後押しになれば幸いです。読書を通して自分の世界が広がる、そんな経験をする人がひとりでも多く出るといいなあ。

vegielab🍃


最後までお読みいただきありがとうございます。さらなるvegan情報収集のため、よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは、vegan情報の収集、対応CafeやRestaurantの取材に活用いたします。