見出し画像

なぜ社会は、有機給食を求めるのか

有機給食、オーガニック給食が注目を集めています。

みなさんは、有機農業と言うと、どんなイメージを持っていますか?
不勉強なわたしは長いこと、有機農業でできた農産物(野菜)は手間がかかるので高くつく。なので、限られた人にしか買うことができない。(自分で作ったりしない限り)

という認識で終わっていました。(恥ずかしながら)

でも、そうじゃない方法があることが、わかったのです。

それが「有機給食」です。


「有機給食が地域を変える」農政ジャーナリストの会が定期刊行する「日本農業の動き」222号

「有機給食が地域を変える」農政ジャーナリストの会
去年、2023年の7月―9月期に4回に渡って開いた研究会での内容をまとめたものです。

「なぜ有機給食を社会が求めるのか~もう一つのオーガニック」

このシリーズの幹事を担当してことから、主旨紹介のための原稿を書きました。

「なぜ有機給食を社会が求めるのか~もう一つのオーガニック」

7600字、久しぶりに長いものを考えて書きました。

まずは本の概要から ↓↓

農文協のチラシより

学校給食に地元産の農産物を使う自治体が増えている。

農家には販路の確保となり、子どもたちを中心に農業と地域住民がつながる地産地消の好事例も多い。

また、みどり戦略のオーガニックビレッジを進める自治体では有機給食の取り組みが増えている。

教育、健康、貧困、福祉など、地域政策からも農業振興からもメリットの多い学校給食だが、

その実態、課題はなにか。

現状と政策・政治を改めて見直し、どのように学校給食と地産地消を理解すべきか、

これからのビジョンや必要な政策について様々な角度から検討した。

それが「有機給食が地域を変える」である。

特集:「有機給食が地域を変える」


なぜ有機給食を社会が求めるのか  もう一つのオーガニック
ほんの一部を抜粋して紹介します。

まずは「有機(オーガニック)給食」を巡る情勢について
農林水産省によると、
学校給食で有機食品を利用している市町村の数は、2022年度193である。

これは全国の自治体の11%にあたる。

2020年度の123と比べると、2年間で1.6倍に増えた。

これはオーガニックへの関心の高まりが、個人の志向に止まらず、

地域を単位とした公共調達への期待や可能性を示しているといえるのではないか。


「みどりの食料システム戦略」の中で進める

オーガニックビレッジ 93市町村

2025年までの目標100に対して、2024年2月時点で、93市町村が宣言している。①生産段階では、団地化による産地形成を目指すが、

加工・流通、消費段階では、市町村ごとに体制を構築するもので、

地産地消地域内での連携、学校給食での利用、マルシェなど域内流通、

地域外都市との提携、産消提携」などがイメージとして盛り込まれている。


「学校給食を有機に」することは、「農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組」そのものである。

地域の大人たちが子どものために協力すれば、

結果的に住みやすい、未来と希望あふれるまちやむらに近づく。

有機給食を核とした地域ぐるみの取組は、真の意味での「オーガニックビレッジ=有機的なつながりをもつむら(まち)」に生まれ変われるチャンスなのである。 


つづく・・・


目次は以下の通り~


オーガニックビレッジ93市町村

有機なのに地産地消しにくい矛盾

有機農業は広がっていないのか

有機農業には産業化と社会化がある

市民発「オーガニック学校給食フォーラム」

愛知発で広がる学校給食の市民団体

ママが二年で立ち上げた協議会

有機給食は、関わる人を増やす潮流

4人の講師による先進的事例

週3.5回が平均の米飯給食 あと一回増やせば

給食を変えれば 地域が変わる


などなど

研究会で講師を務めたのは、以下の4人


・「学校給食から進める有機農業」鮫田晋さん (千葉県いすみ市農林課有機農業推進班長)
・「有機給食のとらえ方」靍理恵子さん (専修大学人間科学部教授)
・「子どもたちが主体となる有機給食の課題と可能性~カリフォルニア州公立小学校の事例より」

山本奈美さん (京都大学大学院農学研究科研究員)
・「地場産有機給食の長い実践~生産者と学校の視点から」

福島県喜多方市熱塩加納町・山口潔さん(JA会津よつば理事・まごころ野菜の会会長)

・黒子学さん(喜多方市立加納小学校校長)・吉田賢吾さん(同教頭)


有機給食に関心のある方は、

農文協(田舎の本屋さん)まで

https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54023064/



あわせてこちらもおすすめです。

「有機農業スタートブック」靏理恵子・谷口吉光編著 農文協

「有機農業はこうして広がった 人から地域へ、地域から自治体へ」谷口吉光編著 コモンズ


わたしのように、有機農業って、たしかに理想的だろうけれど、
誰が得するのか、
どう環境に良いのか見えない、
と思っている人にこそ、読んでいただきたい。
有機給食の取り組みは、
ブランドとしてのオーガニックとは別の、

市民の、市民による、市民のための


もう一つのオーガニック

です。


ぜひこちらも読んでみてください。
いまの動きでわたしが最も注目してる団体の活動です
オーガニック給食がママたちの力で全国に広がっている



ベジアナ 農ジャーナリストあゆみ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?