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東京の小さな農園から地球を自分ゴトとして考える。「人は」食べない。けど誰かに喜ばれてる!

JA世田谷目黒の体験農園で先週とれた野菜たち

野菜を愛する世界の皆さん、だいこんにちは。
野菜を作るアナウンサー・ベジアナです。
今年一年、農園でたくさん遊ばせてもらいましたー。
カラフル野菜が大豊作。


大根を境に右と左で、 どう分けているか、その意味わかりますか?

さっそくですが、ベジアナの~畑の世界ふしぎ発見クイズーー。
この写真の大根を境に右と左で、どう分けているか、その意味がわかりますか~?
また右のグループをなんと呼びますか?
わかったあなたは野菜ツウ!

さあ、答えを考えていきましょう~~

写真左端から・スティックセニョール・ケール・水菜・小松菜・赤ネギ・白ネギ・大根。
そして、右の方は、大根の葉っぱ、ネギの青いところと枯れたところ。

つまり写真の右側は、一般的には食べない部分です。
厳密にいうと、大根の葉っぱは食べることはできますが、
(もっと早い時期の小さな間引き菜の時は食べますが)
今の時期は葉っぱの茎も硬くなっているのと、大根本体を何しろ新鮮なうちに食べなければいけないので、
葉っぱまで食べる暇がないので、食べない、というのが正直なところです。

で、問題はこれらをなんと定義するか、という話なんですね。
自宅の台所でこれらを見ると、
・生ごみ
・廃棄
の扱いになるわけですが、
畑で見るとこれは、
「土壌に戻して堆肥にする原料」 なんですよね。
実際、せたがや体験農園では、畑の一角に大きな穴を掘って、土に埋めています。
1年も寝かせれれば、分解されて土にかえるというわけです。

あるいは、ヤギや牛や豚を近くで飼っていたら、
人は食べないけど家畜のエサ という活用法が考えられます。
こういう食品残渣は「エコフィード」と呼ばれ、家畜の飼料にする方法が
近ごろ注目されたり、国でも推進しています。
いわゆる食品ロスの削減、資源の有効利用になるんですね。

別の日の収穫物とそれ以外。左の一輪車に入っているのが「人は」食べない部分。右の黄色いコンテナの方は人が食べる部分

言いたいことは、右が人間にとって「主産物」であり、左は「副産物」ということです。
しかし、どっちがメインでどっちがサブかなんて、植物・野菜本人達は知ったこっちゃありませんよね。
人には取るに足らない不要なものであっても、
土の中の微生物や、他の動物にとっては立派なごはん!
役に立つ原料だということです。

食品ロス、産業廃棄物、環境問題では、
「棄てればゴミ。いかせば資源」なんていう標語があります。

とにかく自分で作ってみると、野菜や農産物というのは半分くらいは可食部分(エディブル)だけど、半分くらいは一般に「残渣」と呼ばれる副産物なんだな~って、実感・体感するんですよね。

スーパーで見る野菜は、そうした選別オーディションを乗り越えて生き残った精鋭のエリートの主役たちなんだ~と思うと、それはそれでけなげよね~。

っていうふうに野菜づくりのちょっとした場面から、食べ物のことを考えたり、人以外の微生物や土の中の働きに思いを馳せるのが、
ベジアナの一億農ライフ(^^♪

プラネタリーバウンダリー(地球の限界)

ところでプラネタリーバウンダリーって聞いたことありますか?
日本語で「地球の限界」
世界の人々がこのままの生活を続けていたら地球はもう限界にきてもたないよーという科学者たちの警告です。
この警告リポートを受けて、国連による「SDGs」は始まったんですね。
とりわけ、ヤバいのは、赤い文字!
種の絶滅の速度。
リンと窒素
のバランスが崩れて取り返しがつかなくなる。
窒素、リン酸、カリウムは、農業における植物成長の栄養3原則!
これがないと野菜も果物も花も草木もちゃんと成長できないのです。


窒素、リン酸、カリウムのほぼ100%を日本は輸入しています


さらに国内の農業を考えると
窒素、リン酸、カリウムのほぼ100%を日本は輸入しています。
そして、コロナのように世界の流通がストップすると、
日本にいくら土地があっても農産物を育てる肥料がないーということになるのです。
それで国は、「みどりの食料システム戦略」というものを今年策定して、
来年から、環境に配慮した農業に切り替えるという大きな方針を示しました。

小さな都会の片隅の農園から、野菜くずを土に戻して堆肥にして、循環させる「循環型農法」は、実は地球の危機とその課題解決につながっているのです。
こんなわずかな量でやっても、なんの足しにもならない、意味のないことだと、あなたは思うでしょうか。
量はわずかだけれど、都会の農園は多くの人の目に触れます。
東京の小さな農園からSDGsを自分ゴトとして考える。
「人は」食べない。けど地球に存在するほかの命に喜ばれてるって想像する。
それは、教育的、広報的な役割や新しい発想につながるかもしれません。

SDGs、環境問題、食品ロス、今いろんな課題があるけれど、教室や教科書で人に言われて教わるよりも、自分で感じて気づいたことって忘れないし、ココロに刻まれるよね
なにより、発見したこと自体が嬉しい!
学ぶって楽しい。

#未来に残したい風景  東京のまちなかの農園。自転車に野菜いっぱい詰め込んで~

せたがや体験農園、今年もありがとうー。
来年の1月でいったん終了で~す。

あなたもお庭や空いた土地を見つけて、屋上やベランダのプランターでも、野菜づくり、はじめませんか。畑は大人にも子供にもワンダー!驚きや発見いっぱい!

JA世田谷目黒 畑の力菜園部長
ベジアナ/あゆ

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