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生理で休んだらクビになった!毎月休暇を取るのはおかしいの?

生理が重いのに休みが取れない。何十年も前から女性たちはこの現状に悩んできました。私自身生理が原因で何度か仕事をクビになりましたし、生理休暇を毎月申請したために退職を勧告された同僚も知っています。

生理休暇は法律で認められているのに、令和の今でも理解のない上司や同僚に「生理くらいで休むな」と言われる人が後を絶ちません。この記事では、なぜ生理休暇は法で認められているのか、生理で休んだ人をクビにできるのか、会社は生理で苦しむ人にどのような配慮が必要かなどについてわかりやすく説明します。


なぜ生理で会社を休むのか

生理が原因で休みを取る理由は、生理痛だけではありません。多くの人は「体調が悪くて」と言って休みますが、人には言えないような理由に悩まされている人もたくさんいます。生理休暇を必要とする背景には次のような理由があります:

  • 腰、背中、胸に激痛が走っている

  • 下腹部が痛く、まっすぐ立てない

  • 頭痛がひどい

  • 貧血で苦しい

  • 経血が多すぎてナプキンから漏れ、服が真っ赤になる

  • 経血の粘度が高い、もしくは塊が出るためナプキンで吸収できない

  • ナプキンが痔に当たって痛く、座ったり歩いたりするのが辛い

  • 下痢がひどく、通勤が難しい

  • ナプキンを買うお金がない

  • タンポンはトキシショックで死亡する可能性もあるため使うのが怖い

  • トイレのゴミ箱の使い方を確認する人がいて、怖くて使えない(汚物入れの使い方をチェックしてくる人がいる)

私の場合は、月経過多でレバー状の経血が膣から大量に出てくる時期があり、仕事を休んだら退職を促されたことがあります。病院に行っても病名がつかず、会社からは圧力かけられ、本当に辛かったです。

なぜ我慢しないのか

みんな我慢はしています。ですが、痛み止めが効かない人だっているんです。それに、痛みは我慢できても、溢れ出る血は止められません。ナプキンのCMは「血がドバッと出ても、すぐに吸収します」と謳っていますが、それは経血の粘度が低い場合のみです。

経血は普通の血とは違い、粘度が高かったり、レバーのような形で出てくることもあります。サラサラしていない粘り気のある血は、ナプキンでは吸収できません。それに、血が一気にたくさん出た場合、ナプキンが吸収する速度より足や服などに血が広がる速度が早いときもあります。CMのように、毎回全ての血が爆速でスッと吸収されるわけではないんです。

血で服を真っ赤っかにしながら楽しく働けると思いますか?

女性ばかり会社を休んでズルいのでは?

女性の生理休暇について不満に思う人は一定数存在するようです。では、睾丸の痛みやED治療などで通院する人を見て、女性が「ズルい、働け」と言うと思いますか?少なくとも私はそんなことは言いません。辛いなら早く病院にかかってほしいですし、大変なんだなぁと思うだけです。小学校の性教育で男性と女性の体の違いは勉強したはずですから、お互いをリスペクトしたいですよね。

なぜ生理休暇を与える必要があるのか

労働基準法の第六十八条で「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と定められいるからです。

休暇中に給料を支払う必要があるかどうかは、法律では決められていません。女性ばかり有給が増えるのが納得いかないのなら、生理休暇は無給と制定することも可能です。

生理休暇を取っている人の割合

法律上では休めることになっていますが、実際に休みが取れている人はどのくらいいるのでしょうか。厚生労働省の調査によると、令和2年度に生理休暇を請求した人は全体の0.9%ほどだったそうです。

日本は管理職に就いている人のうち8割以上を男性が占めています。女性にすら相談しづらいことなのに、どうして男性上司に「生理が重いから休みます」と言えるでしょうか。

生理で毎月休む従業員を解雇してもいいのか

合理的な理由がない限り、解雇するのは難しいかもしれません。なぜなら、会社は労働者の健康に配慮しなくてはならないからです。

そうは言っても、生理休暇が原因で仕事を失った人はたくさんいることでしょう。もしあなたが不当な理由で解雇されそうになったら、すぐに会社の人事部や会社の所在地の労働基準監督署に相談してください。


生理休暇を与えることのメリット

時代は令和になり、SDGsの推進が盛んになりました。SDGsの8番目は「働きがいも経済成長も」となっています。生理休暇の取得率を上げれば、従業員が働きやすい職場環境を提供していると株主にアピールすることができるでしょう。それに、人は苦痛や不安を感じているときに最高のパフォーマンスはできません。ゆっくり休んで体調を整えてもらえば、生産性アップが期待できます。そうすれば、企業の成長に大きく寄与してくれるはずです。

労働者は人間です。体調不良や事故、家族の都合などで会社に来れない日があるかもしれません。就業日に毎日出社できなくても仕事が回るようにするのは、リスク管理をする人の仕事の一部です。

それに、休暇を与えれば法律違反にならずに済みます。もしあなたが管理職なら、自分の身を守るためにも生理休暇を申請されたら受理してあげた方が身のためです。

生理休暇取得率を上げるための導入ステップ

生理で苦しむ社員が安心して働ける環境を提供するために、何をしたらいいのでしょうか。まずは会社としてのポリシーの策定し、 生理休暇制度の概要を明確にしましょう。休んだ日は有給にするのか無休にするのか、月に何日休んでもいいのか、休むときはどうやって申請するのか、などのルールを決め、従業員に周知します。

ちなみに、生理の症状は人によって大きく違います。1週間ずっと辛い人、痛くはないけど出血量が多くて不安を抱えている人、血は少ないけど頭痛や吐き気が激しい人と、その差は千差万別です。また、生理はきっかり28日周期で来るとは限らず、2週間ごとに来る人もいれば年に2回しか来ない人もいますから、従業員のニーズに合ったポリシー策定が必要です。

超ホワイトな企業を目指すのであれば、パートナーや家族の生理の症状が重い場合に関しても、生理休暇を与えてあげるといいでしょう。これなら男女間の不平等をなくせます。

柔軟性のあるルール作りをしたら、次は従業員へ正しい教育をしましょう。もし男性社員に教えるのが恥ずかしければ、外部の人を呼び、SDGs関連のセミナーと称してプログラムの中に組み込んでもらうと簡単です。

生理が重くても働き続けられる環境づくりを

生理休暇は従業員が働きやすい環境を整えるための重要な制度です。法律でも定められていますから、必要なら必要分取得して何ら問題ありません。自分の体を大事にしながら働ける会社が増えてくれるといいですね。


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