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週末の夜はドラマをお供に『白夜行』

週末の夜は早めに家事を済ませてソファに腰掛ける。
サブスクの海からみたい映画かドラマを探り当てるこの時間が好きだ。
部屋の明かりを暗く,さながら映画館のようにしてみるのがお気に入り。
今回選んだのはこれ。

TBSドラマ『白夜行』。
リアルタイムでは1話だけちらっとみて、怖いと感じたのを強く覚えている。ホラーの怖さというか、得体のしれない怖さ。

それ以降見ていなかったのと原作も読んでいなかったので、U-NEXTのおすすめに従って初視聴。ただ、正直これをこのタイミングでみたのは間違いだった、と後悔するくらい心にずしんとしたものが残る作品だった。

フィクションとはいえ、あまりにも辛い。
救いのない作品って、これまでも好んで見ている方だと思うし、今回もそこまでダメージはないと思っていた。

ただ、今の自分のストレス耐性が思っているよりも随分低くなっているということが、意図せず露見したなと思う。しばらくは平和なファンタジーとか、のほほんとした世界観のものを見て過ごしなさいということだと理解した。そんな状態なら途中でやめればいいものを、ちゃっかり1週間かけて完走したところは、なんとも私らしい。

いい作品をみたあとに、頭の中でぐるぐると反芻し続けることがあるが、今回はまさにそれ。寝ても覚めても、心のどこかでこの作品のことが頭にあった。学生の頃だったら、耐えきれなかったかもしれなので、そういう意味では今のタイミングでよかった。

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仕事をしていると、何歳になってもある時の年齢のまま止まっているような人と出会うことがある。幼い、というのともまた違う、本当にそこで止まっているような印象だ。そんな人を話をしていると、その時の年齢で必要だった何かを消化できないまま、今まできてしまったんだろうなと思う。

多分この2人も同じ。
心は11歳のままでとまっていて、そこから進むことも戻ることもできないまま、抜け出せない沼を延々彷徨っていたんだなと思う。
それでも唯一救いがあるとすれば、2人いたことなのかもしれない。

2人だったことは最大の不幸であり、唯一の幸福だ、と思った。
そして、愛を知らない2人を本気で愛してくれた存在がいたこともまた、幸福だったのかもしれない。

余談だが、ドラマの一番いい場面で主題歌の「影」が流れるのは憎い演出だなと思う。
柴崎コウの歌声って唯一無二な感じがしてすごく好きだ。
ドラマを見てから改めて歌詞をみると、それだけで涙が出そうになる。


君が幸せ掴むように 偽日になり祈ろう
少しの念こぼし その先に残るのは
呼吸のあとだけ…

柴咲コウ『影』

誰かの唯一無二でありたいと願う気持ちは、本当にそうなったときに、とんでもない責任と重圧がかかることを忘れてはいけない。
気安くそんなことを願うものじゃない、そう自分に言い聞かせて、時が来たら原作も読んでみようと思う。原作はあまり2人の感情に焦点が当てられていないらしいので、その違いも気になる。

そのお気持ちだけで十分です…と言いたいところですが、ありがたく受け取らせていただいた暁にはnoteの記事に反映させられるような使い方をしたいと思います。