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間髪を入れず

最近、「間髪を入れず」の「間髪」を「かんぱつ」と読むか「かんはつ」と読むかで議論になっている。
私は「かんぱつ」派であり、日本語変換ソフトも「かんぱつ」で変換できる。むしろ「かんはつ」と入れると誤変換することがある。

実は「かんはつ」が正しく、「かんぱつ」は誤用だそうだ。
漢籍からの引用で「間、髪を入れず」という書き下しになり、「間」と「髪」の間が空いているのである。ゆえに、それを強調するために「かんはつ」とはっきり言い分けるのが正しいとされる。

意味はご存知のように「間に髪の毛一本も入らない」ほどの瞬間を言い「間一髪」に通じる。

ところで、私たち理系の人間にとっては、そういった由来を知った上でやはり「かんぱつ」を間違いとは思わない。むしろ言語学の立場から発音しやすいように「かんぱつ」になったのだと正当化したい。
「かんはつ」なんて言いにくいじゃないか?
音便(おんびん)は発音しやすいように習慣化されていくもので、言語の発達の一種である。

「おもんはかる」が「おもんぱかる」となるではないか?
「n-ha→nppa」は言語学では当たり前であろう?

「すてはち」は「すてばち」になることも私たちは知っている。
韓国語や印欧語ではリエゾンというものの仲間だ。

日本語は「五十音」という表音文字で規定してしまっているからかリエゾンが少ない。
実は、標準語だけの問題で、方言には豊かなリエゾンが残っているのに。

「なにぬかしてけつかる」と表記するが、関西ネイティブは「なんかってけっかる」と聞こえる発音をするのだ。

というわけで「かんぱついれず」は科学的に正しいというのが理系の答え。
言葉のうんちくとして「かんはついれず」は「間、髪を入れず」の事だよと知っているだけでよい。

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