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13,000イイね獲得の「やらない仕事を決める」ツイートの裏側

大手銀行の長いちゅわんちゅさんのリツイートによって、スタートアップ経験の長い私のツイートと共に予期せぬバズりで合計13,000イイねを生み出したのが3週前のこと。

バズったツイートの翌週すぐに、初対面でランチをしながら、このツイートに関連するリーダーの話から働く環境まで、お互い色んな発見があり、1時間あっという間ノンストップで話しまくりました。

大手銀行とITスタートアップという全く異なる環境と思い込んでいたところから、話すうちに、働く環境はかなり近付いている、という学びが濃かったので、その会話をnoteにしてみました。

1)日本のグレーな労働環境が理想のリーダーの少ない理由!?

野村:
ちゅわんちゅさんのリツイートは光景が非常に思い浮かべやすいもので、なにか痛快さがありましたね。

ちゅわんちゅ:
野村さんのツイート見て、アッ!?と数年前の光景がフラッシュバックして、具体的なシーンをそのままツイートしました。

リツイートや返信の反応も、役員に対する好感を中心にポジティブなものが多かったですね。

野村:
私の方は、こんな上司が欲しいという声や、上司にこのツイート見せてやりたいという上司への不満が多かったです。これだけ世の中の人が上司に不満をいだいてるのかと、笑。

こういう素晴らしい役員の方は、銀行は多いんですか?

ちゅわんちゅ:
いや、少ないですね。私個人は巡り合わせで良い上司と出逢えたので運が良かったと思いますが、「上司ガチャ」という言葉があるくらいなので、人は選びますね。

大企業が良いのは、1対1ではなく、関係者も多いので、直属でなくても目をかけてくれる人がいて、その人に見染められるということもあります。私もそういった経験者の1人です。

野村:
なるほど。スタートアップも同様にこういう上司の方は少ないです。スタートアップは人数が少ないから上司からの逃げ場は少なく、それでまいっちゃう人も多いですね。

だから、良いリーダーを採用して、配置するか、また若い人も多いので、どう良いリーダーを創り続けていくか、はスタートアップが大企業になっていけるかの生命線とも言えると思います。

ちゅわんちゅ:
スタートアップもそうなんですね。

野村:
あともう一つ感じるのは、日本の労働環境ですね。

私は去年までアメリカで駐在していて、アメリカで従業員に新たな役割を与えたり、業務量が増えれば、直ぐに給与交渉が従業員から入るし、それに応じなければ労働訴訟となりますよね。

そうすると、リーダーは限られたリソースの中で最大のパフォーマンスを出すためにはどうしたら良いのか、やらないことを決める意思決定をせざるを得なくなります

そういう強迫観念が日本はなく、グレーを追求できちゃうことも、優れたリーダーが少ない理由かもしれないですね。

ちゅわんちゅ:
それは大きいですよね。はっきりと役割と責任が定義されてないですよね、日本は。新卒一括型の採用方式とゼネラリスト志向の影響は根深いです。

<Point>
・「やらないことを決める」ジャッジができる良い上司はどこの会社でも少ない
・グレーを追求できる日本の労働環境が、優れたリーダーを生まない理由かもしれない


2)大企業で起きてる労働環境の大きな変化

野村:
次にマネジメント層の候補になる若手に目を向けると、スタートアップがそれなりに資金調達可能になって、給与待遇が改善して流動性が高くなっているため、影響受けているのではないかなと?

ちゅわんちゅ:
そうですね、転職する人もかなり増えてますね、特に30前半〜40前半の我々世代。反面、中途採用も増えているので、そういう意味では外の働き方が入ってきているのは良いことだと思います。

ある時、上司が中途採用の部下に「XXという新サービスの起ち上げをやれ」と指示したんですが、はっきりと「商品企画は私の業務ではありません」と答えるのを見てハッとしたんですよね。

その方はマーケティングの専門職として入ってきているので、自分のキャリアをこの道と決めていて、それに外れることはやらない

上司からの指示で、やったことないことをやることで自分の実力の幅を広げていく銀行の世界の考え方とは大きく違うな、と。

野村:
スタートアップは組織が小さいうちは、様々な業務を、できる人がカバーしていくので、銀行と近しい環境が存在しますね。大きく違うのは、自ら取りに行くケースが多いところでしょうか。

ただ、スタートアップも組織が急拡大する中で、いつどう組織化していくか、は次の成長に大きく影響しますね。組織の転換は非常に難易度が高いので、失敗するケースが非常に多いです。

加えて、組織が大きくなっていく速度も速いので、採用した人をどこに配置して、これまでいる人たちをどう活かしていくのか、組織の組み替えも課題の一つです。

ちゅわんちゅ:
銀行は組織が巨大で業務も多岐に亘るので、これまでは組織内の人間関係や商品知識など、多くを知っている事が重要でした。

ところが近年はシステム化によって、知っていることに価値がなくなってきたんですよね。特に稟議・会議のシステム化によって若手が受けている恩恵は凄まじいと実感してます。

恥ずかしながら銀行も数年前までは稟議も会議資料もすべて紙。

過去の経緯がどうだったか、当時の関係者はどの部の誰でどんな手続を踏んで進めたのか、これら若手が知ろうとすると、先輩に教えを乞うか、書庫で過去ファイルをひっくり返すしかありませんでした。

それが、今はシステムを見れば一発でわかる訳です。若い世代は検索能力が高いので、ツールがあれば情報へのアクセススピードはオジサンとは比較になりません。

「知っている事」のみを拠り所にしていた先輩や上司は、本当にあっという間にスキルで追い抜かれます

野村:
外で勝手にいただいているイメージから、実情はだいぶ変わってきているんですね。

ちゅわんちゅ:
そうですね。さすがに変わらないと、テクノロジーからも取り残されるし、採用含めて良い人も取れなくなりますからね。銀行も頑張ってます、笑。

<Point>
・大手銀行も流動性が高まっている
・大手銀行はシステムの整備で、社内の情報を知っている価値が落ち、若手の台頭が始まり、実力が正しく発揮される土壌ができてきた


まとめ🌮

ちゅわんちゅさんとの会話を通じて

・「やらないことを決める」ジャッジができる良い上司はどういう環境でも少ない
・大企業における労働環境の大きな変化で、大企業とスタートアップとの環境差は縮小している

という学びがありました。

どんな規模やブランド力のある企業に勤めているかが価値ではなく、個人として何がしたいのか、何ができるか、が本当に問われる時代になってきているなぁ、とそんな想いを強くする会話でした。

気に入っていただけたら、Twitterでも是非ちゅわんちゅさんと私をフォローしてください🌮


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