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#64 ダメ出しで出来ていたことが出来なくなる(レッスン 2月2回目)

前回の#63で、ダメ出しされた相手の反応として、

  1. 反発する

  2. 萎縮してパフォーマンスが落ちる

  3. やる気(モチベーション)がなくなる

があるようなことを書きました。私のピアノの場合は、「2.萎縮してパフォーマンスが落ちる」ことが多いです。

先生は私のことを

vc_archetさんは前に出来てたところが出来なくなることがよくある

と不思議がっていますが、私に関しては多くの場合、ダメ出しが原因です。

私がピアノを弾く理由

基本的に私がピアノを弾く理由、好きな理由は2つありますが、その1つがマインドフルネス的なものです。※もう1つはいつか書きます。

過去のことも、未来のことも考えず、ただ今(現在)だけを、ピアノを弾いていることだけに集中する。それが心地良く、そして気分がやすらぐ。社会人として生きていると、ツラいことも多いですから。

妻が好きでよく一緒に見に行ったミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」にもそんな歌がありますね。まさにこんな感じ。

そう。
ピアノを弾いているときは無心というか、基本的に何も考えないのです。それが目的なので。何も考えずに、指先の感触と聴こえる音だけに意識を向けるといいますか。。。
子供のときからこれは変わりません。小学生時代も結構、大変だったので。

しかし、ダメ出しされて、先生によって無心が崩されると、ムカデの話のように、出来ていたことが出来なくなってしまうことが時々あります。

今回のレッスンで、よく起こるそんなことの中で、かなり重症なことがツェルニー30番で起こりました。

ツェルニー30番 No.10

両手で分担して、アルペジオを弾く練習ですが、

右手の親指を上げて叩いて弾いています。
親指を鍵盤から離さずに弾いてください。

と言われました。

要するにハイフィンガーとよく呼ばれているもの。
指を上げて叩いて弾いてしまうというのは、今の先生に習い始めのときに真っ先に注意されました。

先生による地道なハノンのレッスンでだいぶ改善されてきたと思っていましたが、この10番は何となく左手と右手を交互に上下にウェーブさせるイメージを持っていたせいか、元の癖が出てしまったようです。

で、この左手親指と右手親指の受け渡しを鍵盤に触れながら弾こうと意識した直後、ピアノの弾き方そのものがよくわからなくなってしまいました。

・大きな音が出ず、ものすごく弱い音しか出ない
・右手小指を上げることができなくなって、最後の音が伸びてしまう
・暗譜するくらい練習してきたのに、頻繁に音を忘れて、外す。
 しかも、楽譜を見てもなかなか復帰できない。

先生が何度も大きな音でとか、最後の音は短く切ってとか、音が違いますとか言われますが、コントロールが全然利きません。

自分にとっては、ダメ出しされた後にときどき起こる現象としてよく自覚しているので、今回のレッスンもダメだなと早々と諦めて、弾くのをやめてしまうと、今度は見かねた先生が、コロナ禍にもかかわらず、

手を乗せてください

と言いだしました。躊躇したものの、今更気にしても仕方がないと思い、先生の手に手を乗せてもらって、久しぶりに手首を使った弾き方を初歩レベルからおさらいさせてもらいました。

もう親指のことは考えず、ただ先生の手の動きだけをイメージするだけにしたことで、再度大きな音が出せるようになり、何とか元通りに弾けました。

親指がよくなったかどうかはわからないのですが、それで合格に。
結局、10番は納得いく弾き方ができずじまいでしたね。

バッハ/シンフォニア 9番

今回、初めて9番見てもらいました。ただ、譜読みが足りなくて、つっかえつっかえ、ところどころ止まりながら、ただ最後まで弾いたという状態。

分解練習は嫌なんですよね?

と先生がまたもやおそるおそる聞いてきます。

3声でひとまず弾けるようになる前にやる分解練習は無駄だと相変わらず思っていますが、前半は3声で指は動くようになっているので、前半だけ分解練習を受け入れることに(私が分解練習が嫌いな理由は以下のシンフォニア12番のところで書いています)

ただ、今回はいつもの先生の方針と違い、各声部を左手オンリーで弾きました。2声ずつ弾くときも、右手と左手で完全に役割分担して弾きます(本来右手で弾くところも、左手で弾いたり)。

これはとりあえず3声で弾けるようになった後に、普段私が部分練習でやっている方法と同じ。こっちのほうが声部を聴き分ける耳を作るのに合理的だと思います。

今回はこの部分練習をやるだけで終わりました

ベートーヴェン/ソナタ10番 1楽章

暗譜(と言ってもところどころ忘れて楽譜を見ました)で一通り弾いたあと、冒頭の左手と右手の連携(掛け合い)をうまく表現するように、また左手のフレーズの前の8分休符をはっきりさせるように指摘されました。

また、先生から次のように提案されました。

次回、仕上げにしましょう。
発表会で弾くわけでもないですし。

何だか「お前にはベートーベンのソナタを発表会で弾くのは無理」と言われているみたいでひっかかりますが、それとは別のことで容認できず、先生のこの提案は以下のように言って拒否しました。なぜなら、

「それはダメですよ。だって、私はまだペダルを全く踏んでないですよ。ペダルを踏まずに仕上げはあり得ない。。。」

からです。
先生も私が古典派のペダルにこだわっていることを思い出したのか、「しまった」という顔をして、

この曲はあまりペダルを踏まなくてもいいのですが。。。
踏んでも、上1/4くらいで。

と言いながら、ペダルのお手本を見せてくれます。お手本披露中、

もっと足をよく見て!

と先生から注意されますが、実は私、見ただけだとなかなかペダルを覚えられません。楽譜と突き合せながらでないとどう踏んでいるのかが、いまいち理解しにくいというか。。。

それに先生、冬場はいつものことなのですけど、

着ぐるみか!?」

と突っ込みたくなるような、もこもこでボリュームのある猫足スリッパを履いて演奏するので、足の動きがわかりづらいし。。。

仕方がないので、同じ曲を弾いていてペダル操作まで映っている動画を探して自力で試行錯誤してみることにします。

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