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環境問題の解決に役立つ都市鉱山

こんにちは。株式会社ベジタリアンブッチャージャパンの広報担当部です。今回も表題について記事にさせて頂きます。

環境問題の解決に役立つ都市鉱山

環境問題を解決するには山林の保護が必要です。そうしたときに問題としてあげられるのが金属の採掘。金属の原材料は山の中にあることが多く、金属の採掘は山林の破壊につながります。そうした問題を解決するものとして注目されているのが都市鉱山です。ここでは都市鉱山についての説明をします。

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【都市鉱山とは】
都市鉱山とは都市で使用されている金属たちのことです。たとえばこの記事をスマートフォンで見ているとしましょう。スマートフォンの中には鉄や銅、プラチナなどの金属が使用されており、そうした金属が都市鉱山とみなされています。

ただしスマートフォンは小型なので1台あたりに獲れる金属の量は多くありません。それでも一人一台持っているといわれているように、日本全体の量でみると使用されている金属は膨大になります。例えば金の場合、都市鉱山として国内に存在している量は6,800トンといわれており、埋蔵量の約16%にもなります。言い換えれば日本には世界の16%もの金が眠っているといえるのです。

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都市鉱山にはレアアースも多くあります。実際にインジウムは全体の約16%、錫は約11%も眠っているといわれており、かなりの量のレアアースが存在しています。


【都市鉱山を活用できるメリット】
都市鉱山を活用できるメリットは「環境保護につながる」ことです。金属の鉱脈は山などに眠っているため、金属の採掘は山を開発することになります。山を掘る以外にも道を作ったり拠点を作ったりするので、被害は意外と大きかったりします。

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それに対して都市鉱山はすでに採掘されている金属を再利用するため、山などを荒らすことはありません。そのため環境にやさしいのが都市鉱山の最大のメリットといえます。

「外交手段に使える」のも都市鉱山のメリットです。以前中国ではレアアースの輸出を制限するなどして日本に強硬な外交を仕掛けてきました。レアアースなどの金属は産業だけでなく政治のカードにもなりえます。

都市鉱山でレアアースが再利用できればどうなるでしょうか。都市鉱山によってレアアースを多く入手できれば、中国はレアアースを外交のカードとして使用できなくなります。結果として交渉などを有利に進められ、日本の国力アップにつながるようになります。


【都市鉱山の課題】
多くの金属が眠っている都市鉱山ですが、活用するにはいくつかの課題をクリアする必要があります。

課題の1つが「スクラップが多い」ことです。都市鉱山では機械の中にある金属を回収しますが、回収するときに多くのゴミが排出されてしまいます。例えばスマートフォン1台につき回収できる金の量は0.1グラムにもなりません。そのほとんどはプラスチックやシリコンなどになります。そのため都市鉱山で金属を回収するときは、大量に出るであろうプラスチックやシリコンなどをどう扱うかが課題になります。

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課題の2つ目は「コストがかかる」ことです。都市鉱山で回収する金属は機械の中核を担っている部分も多いため、分解などの手間がかかります。さらに同じ機械であってもメーカーが違えば分解方法もまた異なります。都市鉱山で金属を入手するには分解する機会の仕組みを理解したうえで実行しなければいけません。

コストがかかることは採算のとれる金属に限りがあることにもなります。都市鉱山で取るのは金やプラチナ、銅など価値の高い金属のみとなります。都市鉱山はコストがかかるので採取する金属は価値の高いものでないと採算は取れません。そのため鉄やアルミニウムなど埋蔵量の多い金属はとるだけ赤字となってしまいます。

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☆★まとめ★☆
都市鉱山はスマートフォンやパソコンなどで使用されている金属のことです。1台当たりの量は少ないけれど日本全体で考えると大量の金属が眠っています。そうした金属を回収・活用できれば環境の保護だけでなく外交も有利にできるなどのメリットがあります。ただし活用するには多くのスクラップが発生し、回収にもコストがかかるなど、色々な課題を解決しなければいけないのも現状です。

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