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焼肉屋若手店員君と その弍

「ところで ハシビロさん、悪徳不動産屋て何ですの?」
「!!! そうか、平成っ子は知らんのか」
「令和っ子はもっと知らんっす」
「令和っ子はまだ幼稚園児やないかぃ!

あんな、昭和の時代には おったんや」
「??? 不動産屋が悪徳?」
「いゃ今は違うで、今は ちゃんとしてはるけどもやなぁ、
ハシビロが若い頃にな、一人暮らしするのに物件探しに行ったんゃ」
「駅前とかにあるやつでしょ?」
「ぅん、で例えば駅から徒歩5分、家賃や設備もろもろ、ココえぇやん!
と思って内覧頼むやんか」
「ですねぇ」
「ほんなら、案内してくれる にぃちゃんがやな、めっちゃ早足やねん」
「へ?」
「途中から小走りでな、到着して 「5分です」て言ぃよるねん」
「は?小走りで?」
「そぅそぅ、ハシビロは疑い深いからな、ちゃんと駅の改札まで
にぃちゃん連れてって、そこからタイマーかけたってん」
「ほぅほぅ」
「ほんなら なんかめっちゃ早足やってな」
「ぅーーん」
「駅の改札から計ったん、ハシビロが初めてやったんかなぁ」
「かも、ですねぇ」
「ハシビロも大阪人の『いらっち』やから、それなりに
歩くの早いんやけどな、それでも置いてかれる速さやったわけょ」
「はぁ、いわゆる誇大広告ってヤツですね」
「まぁ、ハシビロのタイマーで8分半やったから誇大というかどうか」
「ぃやぃや、小走りで8分半を徒歩5分はアカンでしょ」
「。。。昭和の人間は わりとフツーやってん、当時は な」
「令和の時代はアウトですよ!」
「ぅん、えぇ時代になっとるゎ」



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