見出し画像

居酒屋店主のぼやき

ハシビロ君、聞いてくれるか。
こないだまでウチ、バイト募集しとってな。
ある日 連絡が入ったんや。
んで、履歴書持参で面接に来てもろてん。
ほな 坊主頭の小僧がやってきてな。
早速、履歴書拝見いうて
と取り出したんが茶封筒やねん。
なんで白ちゃうねん?て聞いたら なかったんやて。
まぁえぇわ、ないもんは しゃぁない。
でな、すみっこ折れてるし なんかシワシワやし。
しゃぁない思て取り出そうとするんやけどな
すみっこ折れてるさかい、出てこぉへんのや。
もぅ苦労したヮ。
で やっと取り出してやな、やっと履歴書サンと遭遇や。
ほな 専門学校に通っている、19歳やねんて。
近所に住んどるしな、そらえぇヮ 思て
志望動機は、と見たら やな。


【生活を嫁ぐため】って書いたぁるねん。
「ぉい、ちょっとキミ。ココ、これどぅゆぅことやの?」
「あ、生活費が欲しくて」
「やんな?ほなココは生活費やな?」
「あれ?僕、なんて書いてます?」
「生活を嫁ぐて」
「あれぇ?」
「あれ?ゃあれへんわ、ほんで嫁ぐてなんやねん、稼ぐんやろ?ノギヘンがオンナヘンになっとるがな」
「あれ?携帯で変換して見ながら書いたんですけど」
「見ながら書いてコレかいなっ」
ってな、もぉ面接いぅよりコントかなんかやったヮ。

と豪快に笑う店主さんに
その坊主どないしましたん?
と聞いたところ
「そうはいぅても人当たり良さそぅやし、
ネジ外れとるんやろなぁ、な人懐っこいキラッキラの笑みに
ヤラレて採用してもぅてん。」

さ、さ、採用ですか!!
彼が二十歳になったらぜひ連れてきて下さい。
逢ぅてみたいです。

よしゃよしゃ。
とさらに豪快に笑う店主さんでした。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?