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【活用事例】高校野球は時間が無い、だからこそ「経験を買う」(武田高等学校野球部)

 今回は、VR打撃トレーニングサービス「V-BALLER」の高校野球部における活用事例をご紹介します。なぜ・どのようにVRを練習に取り入れているのか、実態が気になる方も多いのではないでしょうか。
 そこで、以前からV-BALLERをご活用いただいている武田高等学校(広島県東広島市)野球部の岡嵜監督に詳しくお話を伺いました。

武田高等学校 野球部 岡嵜監督

高校生に足りていない「変化球を見る練習」をVRで補う

ー 武田高校にV-BALLERを導入しよう、と決めたのはなぜですか?

岡嵜監督:導入の決め手はVRで変化球が見られるからですね。「高校生は変化球を見る練習が圧倒的に足りていない」というのはどこのチームの指導者も感じていることだと思うんです。一方で、変化球を現実で見るには選手に投げてもらう必要があるため、投手の故障の原因になったりデッドボールが増えるリスクもあります。(V-BALLERがあれば)変化球を見る経験をVRで補完できるというのがとても良いと思いました。この価値が伝われば、V-BALLERはさらに広まっていくんじゃないでしょうか。

”見るだけ”でも意味がある

ー V-BALLERを使っていて、特に価値を感じている部分はありますか?

岡嵜監督:現在は選球眼モード(※詳細は下記リンクから)をメインで使っているのですが、これがかなり練習になります。とにかく目が大切だと思っているので、見るだけでも意味があると感じています。 

岡嵜監督:そもそもV-BALLERの導入以前から、マシンの投球を打たずに”見るだけ”の練習に取り組んでいたんです。変化球のボール球を(見極めきれず)振ってしまう選手が多く、「それさえなくなれば絶対ワンボール取れるよね」ということで始めました。スライダーが強いピッチャーと次の試合で当たるとなれば、マシンの球種をスライダーに設定してひたすら”見るだけ”。逆打席で慣れると順打席でもしっかり見れるようになるだろう、ということで、逆打席から”見るだけ”の練習もしていました。この練習がVRでもできるのが良いですね。”見る”というのはどうしても練習のメインにはなりにくい部分ですが、とても大切なことなので。

 VRとリアルを行き来しながら練習する

ー VRを取り入れた練習で、気づいたことがあれば教えてください。

岡嵜監督:選手の結果や傾向を見ていくと、やっぱり落ちる系の球が圧倒的に苦手ですね。中学生から見る機会が多いカーブは正答率が高いんですが、スライダーやチェンジアップなどの見極め力は弱いです。
 中でも特にスライダーの見極め練習にV-BALLERが活かせるなと思っています。例えば顔の高さの少し低めあたりを通過する球は、ストレートならストライク判定ですが、変化球でスライダー系ならボール判定になりますよね。それを選手は全部振ってしまうので「ここは振る!ここは振らない!」という高さの感覚を、グラウンド練習でもまさに教えていたところなんです。このような、普段の練習で選手と会話する中で見えてきた課題に対して「次は、今のポイントを意識してVRでやってみな」という流れでV-BALLERを使わせています。そしてまた実践に戻ってきたときには、VRで練習したことを意識しながら取り組んでみて「前と変わったね、変わっていないね」みたいな会話をしますね。
 また、今後V-BALLERでたくさんデータが溜まっていけば「A選手はスライダーがまだ見れていないから次のピッチャーにはB選手が合うな」など采配にも活かしていけそうです。

実際にV-BALLERを使って練習する選手たち

・現実の感覚とVRで見る感覚のズレが少ない。
・打席に入った際にVRで見た軌道がイメージできたり、実践で見れなかったボールをVRで振り返ったりできる。(VRと現実を行き来しながら)だんだんボールが見えるようになってくるので良いツールだと思う。
・自分の苦手なところがわかるのが良い。さらに、発見した苦手をVRのトレーニングモードの練習でつぶしていくことができた。

選手からいただいた感想

投手と1on1で対決する経験値(=打席数)をいかに増やせるか

ー練習や指導において、監督がこだわっているポイントはありますか。

岡嵜監督:うちでは経験値を増やすことを重視しているので、選手の打席数を常にカウントしています。要は”経験を数で知る”ということですね。「18.44mから来るボールを真剣勝負で振っていく」という打席経験がめちゃくちゃ大事だと思っていて、それを補えるのがV-BALLERだと思っています。日本の選手は海外と比べて打席経験が少ないので、素振りやTバッティングなどの”練習”は上手なんですけど、投手と1対1の対決が下手なんですよ。

高校野球は期間が短く時間が無い、だからこそ「経験を買う」

ー経験値の目安となる打席数はどれくらいですか?

岡嵜監督: 通算1500打席立ったら実践でもかなり余裕が出てくると思います。今の3年生はコロナが重なってしまった世代なので少し足りていないのですが、本当は通算1500打席を目指してメニューを組んでいました。
 うちでは、中学時代に下位打線や補欠で打席にあまり立てていなかった選手も多いんです。中学野球は1試合7イニングなので上位打者でも多くて3打席、下位打者は2打席、補欠だと打席にも立てない。中学で上位打線かつ強豪チームにいたようなトップ層の子たちは、かなり多くの打席経験を積んでから高校に入っています。そことの勝負になるので、せめて通算1000打席は超えて差を埋めないことには経験値として対等に勝負できないな、と思いますね。とはいえ時間は限られているので、V-BALLERを取り入れることで差を埋められるんじゃないかな、ということです。
 高校野球って実質2年4カ月くらいで、3年間もないんですよ。実践経験も積ませたい、身体も作らせたい、となると本当に短くて時間がない。V-BALLERというサービスを野球部として契約していることは「経験を買っている」という感覚です。むしろこれからは経験を買う時代じゃないかな。単純に数を積ませることは昭和の時代でもできていたと思うんですが、経験を積ませるってなかなか難しいんですよ。前からボールが来る経験の数、最終的に野球はそれしかないと思っているので。

武田高校流・VR練習の取り入れ方

朝練や雨天時の練習にはV-BALLERがもってこい

ー武田高校野球部ではどういったシーンでVRを利用していますか?

岡嵜監督:実践機会が減るオフシーズンやテスト期間、時間がない朝練、ウェイトトレーニングが中心になる雨の日・梅雨時期にはもってこいですね。例えば朝練では(ただでさえ時間が無い中で)準備や片付け、グラウンド整備などに時間が取られてしまいます。それならV-BALLERでやっちゃおうよ、と。ウォーミングアップも少なくて済むので、極端に言えば朝起きてすぐにでも打席に立ててしまうのも良さですよね。うちの選手は寮生なので、朝ごはんを食べてV-BALLERをやって登校する、という流れを作っています。
 また、高校生にはしっかり身体を作らせたいのに代謝が良くてすぐに痩せてしまうんですよ。V-BALLERであれば、ある程度消費カロリーを温存しつつ実践に近い練習ができる。そういった意味でも良いと思いますね。
 

室内練習場が完成したら土日練習にも取り入れたい

ー今後想定されている活用イメージを教えてください。

岡嵜監督: V-BALLERの導入をきっかけに、VRが使えるような室内練習空間を作ることにしたんです。完成まではもう少し時間がかかりそうなので、今後分析をしていくためにも、今はV-BALLERのデータをひたすら貯めていこうとしています。秋頃に室内練習場が完成したら土日練習にも取り入れていきたいですね。実際のバッティングとVRを交代でぐるぐるまわしながら使うイメージで、まずはスライダーを中心に練習させたいと思っています。
 あとは実際の練習ではやりづらいインコースの練習にも使っていきたいですね。大会が近い時期はデッドボールによる怪我で離脱してしまうリスクもありますし、インコースってやっぱり怖いので選手目線でもVRで練習ができるのはとても良いと思っています。


今回の記事は以上です。
V-BALLERは日々アップデートしつつ前に進んでおりますので、これからの進化にもご期待ください!!

今後もV-BALLERに関する情報をnoteで発信していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
もう少し詳しく知りたい方は、是非V-BALLER公式HPもご確認ください。

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