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【1】 3.14 終わりが決まった日

実は今日
付き合ってる人から呼び出しがあり
少しだけ仕事終わりに会う事になった。
正直いつもと違う、LINEのやり取りと
口調から、もしやこれは振られるのでないかと思った。

そこから気になって、ソワソワしながら仕事してしまった。

あたたかい時期によく集合するのに使っていた
公園に集まる事になり、
いよいよ振られてしまうのかと思いながら
スマホをいじることもなく、ぼーっと待っていた。

振り向くと、お酒を持っていた。
よくこの公園で飲んだよなーって思いながら
一缶もらって、飲みながら雑談をした。
いつ切り出されるのかドキドキしていた。

転勤が決まった。

え!?そっち?
(別れてくださいと言われると思っていた為)
となったが、聞くと転勤場所は、北海道だった。
少しほっとしたのも束の間、

以前、私たちは遠距離無理だよね〜と何気ない会話の中で話していたのを思い出した。
付き合うには遠すぎる、
と彼が言った。ちょっと会いにいくなんて出来ない。
私も否定しなかった。

私たちに終わりが来ることが決まった。
あと一ヶ月ないくらいの期間。


いつかは来るかもとと予想していた日。
正直彼と結婚するかと言われたら多分しないとは思っていた。それでもまだ一緒にいたい。
嫌いになる理由が出てくるまでは付き合っていたいと上から目線で考えていた。

泣くまー泣くまーと思っていたが、
涙が出てしまった。

明るく振る舞おうと思った。
暗く攻めることは絶対しなかった。

残された時間で今まで行こうと話していたところに行こうとなった。
観光名所、食べたいもの、やりたかったこと。
私がいくつも、泣きながら上げていくと、
彼も涙が出てしまった。

絶対に全部行ってやろうと思った。
いつも行こうー!と、会話はするが実現させようとしなかった。

ところどころ、話せないくらい涙が出てしまい
彼は抱きしめてくれた。

普段あまり彼からはしないキスもしてくれた。

早く転勤先での家を決めて、
遊ぼうねと話した。
まだ彼が好きだと思ったが
ついていくとも、行かないでともいうことはできなかった。何も私は出来なかった。

彼の決めたことを応援すると言った。
良い自分を演じた。

帰りのバス停まではいつも彼が送ってくれた。

今日もいつも通り送ってくれたのだが
目の前でバスが発車したのを確認した。
バスが来るまで、15分くらいかかる。
時間稼げたと内心喜んだ。

美術館のポスターを見て、美術館好き?と聞くと、
良いよね、と話した。
付き合ってる間にもっと行っておけばよかったなと思った。

バスが来て、
いつも見送ってくれる時に座ってる席についた。
1番近いところに立って最後まで見送ってくれる彼。
発車して見えなくなるまで手を振ってくれた。
これもいつも通りだ。
もうこれが一ヶ月後には、無くなるんだと思うと、
寂しくなった。

もっと優しくしておけば良かった。
文句ばっか言ってしまったな。

色々考えながら乗っていていると
あっという間に帰宅した。

LINEを送るとすぐ返事が来た。
2人ともレスポンスが早い方ではあるが、
最近は一日に数通くらいだったので、
楽しいなと思いながらやりとりした。

お揃いで買ったスタンプを送り合い
笑える話もした。
オススメしたボディソープをお互いに使っているこも分かった。

今書きながら、
現実なのか妄想なのか?わからなくなるが、
LINEを見返すと現実だった。

決まってしまった終わりまで
楽しむことはできるのか。

初めての体験だ。
別れるのが決まって、仲良く遊ぶの。
写真はたくさん撮っても良いのかな?
吹っ切れるまでは、許してもらおうかな。


返信が来なくなったので
多分寝てしまったのかな。
寝る時間ももったいないなって思っちゃう。

あと何年したら
タイムマシンってできるんだろう??


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