死神
彼女は死神のような仕事をしていると語った。
大変なのでおすすめしないよと笑った。
しんだいぬはご主人様になでてほしいの。
しんだごしゅじんさまは自分の犬を探している。
犬は見つからない。
いぬはごしゅじんさまの隣にいるのに。
犬は見つからない。
こっちだよ。こっちだよ。
おうちはこっちだよ。
おかえりなさい。
おうちにおかえりなさい。
何度話しても
ごしゅじんさまは自分の犬をさがしている。
いぬは見つからない。
もどかしいのよ。
今日
肉を喰らい血を流して彼女は笑っていた。
わたしは道を知っている。
わたしはひとりでゆけるから大丈夫。
笑ってそう言った。
繋がっていなさいと彼女は言った。
ケムリをたてずに煙草をすった。
ふわふわでいなさいと言って笑った。
見えないケムリがふわふわしていた。
みおくられるゆめをみる。
みおくるゆめをみた。
彼女が死神ならゆくのも悪くないと思った。
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