ワクチン接種とシェディングについて
高知大学医学部皮膚科学講座の山本真有子助教と佐野栄紀特任教授らの研究チームの論文が、ワイリー社のオンライン雑誌「Journal of Cutaneous Immunology and Allergy」に掲載されました。
国民の8割以上が2021年より開始された新型コロナウイルスのmRNAワクチンの2回目接種を完了していますが、皮膚障害を含む様々な副作用が多数報告されています。
佐野栄紀特任教授らは、ワクチン接種後に皮膚症状が発現した患者の皮疹部を調べた結果、新型コロナウイルスのスパイクタンパクが検出されたことから、ワクチンの副作用としてmRNAがコードするスパイクタンパクが皮膚病態に関与している可能性を示唆しました。
研究チームは、mRNA ワクチンの初回接種から2週間後に発症した成人水痘が、3週間後の2回目接種に伴ってさらに増悪し、3ヶ月間に渡って遷延した症例を経験しました。この皮膚症状は水疱とともに有痛性の皮膚血管炎を伴っており、抗ヘルペス薬内服を使用することで治癒しました。
新型コロナウイルスのmRNAワクチン接種後には水痘帯状疱疹ヘルペス感染症が多く報告されていますが、3ヶ月も遷延持続した症例は非常に稀です。また、その皮膚を調べると新型コロナウイルスのスパイクタンパクが検出されたことから、ワクチンの副作用としてmRNAがコードするスパイクタンパクが皮膚病態に関与している可能性を示唆しました。
この研究は皮膚での検討でしたが、今後臓器で発現するスパイクタンパクにおいても同様に証明することができれば、mRNAワクチンによる臓器別副作用の証拠となるかもしれません。
尚、この発表内ではシェディングについては触れられていませんが、皮膚からスパイクタンパクが検出されたということは、発汗などにより、それが周りに伝播する可能性は当然あるものと認識できます。
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