見出し画像

刈り込まれる

ヒトの脳内では神経細胞のネットワークが形成されている。
神経細胞と神経細胞が、シナプスと呼ばれるつなぎ目を介して繋がっていて、情報を伝えていく。

神経細胞間の情報の移動は、よく交通網に例えられる。
交通量が多い主要道路は広いが、交通量の少ない道路は狭い。
交通量が著しく少ないと、場合によってはその道路はもう通れなくなったりする。
シナプスも同様で、使えば使うほどその繋がりは強化され、使われないと廃れていく。

脳内では、使われないシナプスの刈り込みという現象が起こる。
このシナプスの刈り込みが起こる時期は脳の部位によって異なっている。
例えば、脳の後方にある視覚野では生後8ヶ月頃から刈り込みが始まる。
ヒトらしさを司る部位である前頭前野では4歳頃から刈り込みが始まり、その後ゆっくりと進んでいくが、急激に進む時期があることが知られている。
それが14〜16歳、いわゆる思春期にあたる。

世界のIT企業トップ達が、何故自分の子どもには14歳になるまでデジタル機器を与えず、アナログで育てようとするのか?
アナログのやり取りでないと培われない大事なものがあるからだろう。
そして、子どものその時はもう二度と帰ってこないことを知っているから、だと思う。