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なぜ眠ると思う?

周囲の人に「なぜ眠ると思う?」と聞いてみた。
「体を休めるため」
「脳を休めるため」
「記憶の整理」
「眠くなるから」
といった答えが返ってきた。
すべて正解。

「何故眠るのか?」というシンプルな問いに対する、明確な答えはまだないのだと本にあった。
睡眠に関しては、実のところまだまだ謎が多い。
一方で分かってきていることもある。
先の断眠実験の結果からも、眠ることで身体の疲労回復、精神の安定、論理的思考力の維持、などが得られていることが分かる。
眠っている間に起きていることとして、脳活動により生じた老廃物の除去(脳内のクリーニング)、記憶の整理と定着、ホルモンバランスや自律神経の調節といった恒常性維持機構のメンテナンス、身体及び細胞に生じた傷の修復、身体疲労の回復、などが挙げられる。

脳内の老廃物は、グリンパティックシステムという仕組みによって、脳脊髄液を介して脳の外へと運ばれていく。
このシステムは眠っている間(主にノンレム睡眠中)に働く。
つまり眠らないと老廃物は脳内に蓄積していくことになる。
脳内では、1年間で脳の重量に相当する量の老廃物が、産出されているという。
脳内に溜まった老廃物は、認知症発症の原因になるとも考えられている。
脳であれ、肺であれ、細胞のひとつひとつであれ、活動の結果生じた不要なものが適切に処理され、除去されなければ何らかの不具合を生じることは容易に想像がつく。