DX支援コンサルティングAcentureの決算

アクセンチュアの業績が振るわない。ITコンサルティング企業であり、DX化の追い風を受けていた同社の2Q決算が発表されたが、売上こそ昨年同期比で+5%となったものの営業利益は6%のマイナスとなった。営業利益率は12%と、過去4年間で最も低い水準となった。なお現地通貨建て(ドル建て)の売上は欧州が+12%(+6%)、アジア等成長地域が+14%(+5%)である。

アクセンチュアの四半期売上は前の四半期に続いてインフレ率を下回った

営業利益が低迷している理由は、売上に対して高騰している人件費である。アクセンチュアはSEC向け提出書類10-Qにて、今後18カ月で従業員の2.5%にあたる19000人を削減する方針を発表した。
新規受注は2桁増であるものの、従来の予想からは引き下げており、急拡大するクライアントのIT投資を見越して採用した人員の削減が急務となっている。ただし、IT人材の給与自体はインフレ傾向を反映して過去最高に増加しているため、利益率の圧迫は早期には解消しないだろう。


株価は2022年初頭からダウントレンドにある。反転するかどうかは、顧客のIT需要次第であるが、金融業や製造業では依然として需要が強い一方、通信セクターは弱含んでいる。
プラス材料としては、今後不況入りしても、どのセクターでもクラウドアプリの拡充とITセキュリティの需要は底堅いだろう。特に金融業のモバイル化が進む米国とインドなど新興国は、成長ドライバとして寄与していくと思われる。

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