出会い系アプリで出会った男と銀座でイタリアン そのままホテルへ【離婚前夜・千夏編4】
千夏は久々の銀座にウキウキしていた。
ノースリーブの黒のワンピに白のカーデガン、ヒールも高めにした。
夫以外の男と2人きりで食事にいくのは、2年前に会社の上司とランチして以来だ。
出会い系アプリで、やりとりした同じ歳の男と会うことになった。
メーカー勤務の既婚者で、子どもはいないという。
メッセージを交わすうちに、とんとん拍子で話が進んだ。
夫には、会社の送別会で「少し遅くなる」と伝えた。
夜のお店に行ったことが発覚して以来、夫は妙によそよそしい。
私だって、女だ。
遊びたい。
千夏は待ち合わせ場所の銀座・三越前に急いだ。
アプリを通じて、相手の服装が送られてきた。
似たような服装の人がいて見分けがつかない。
自分の服装と、交差点近くのバス停前にいると伝えた。
緊張が一気に高まる。
「チナツさんですか」
思ったよりガタイのいい男が立っていた。
夫は優男だが、目の前の相手はどちらかといえば、ガテン系だ。
近くのイタリアンを予約してくれたらしい。
悪くない。
その夜はワインが進んだ。
子どものことも、夫のこともしばし忘れた。
店から出ると、そっと抱き寄せられた。
近くにホテルを取ってあるという。
「少し休憩しよう。泊まらなくてもいいから」
誘われ、そのままホテルに入った。
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