『いま、ソーシャルワークに問う』を読んで

朝晩寒くなってきて、俺っちが大好きな冬に向かってきてると感じ、柿が美味しく感じるぽんニャンです😃👍

俺っちは現在、社会福祉士の勉強をしているわけですが、常日頃社会福祉士の役割ってなんだろう?と感じているわけです😅
(難しすぎて、来年度受かるか心配(^_^;))


んで、今回は一冊の本の感想を述べたいと思います。
それがこちら😃
『いま、ソーシャルワークに問う』

結論から言えば、「この本に俺っちが目指すソーシャルワーカー像が全部書いてあった😭」

日本社会福祉士会の倫理綱領と行動規範は、社会福祉士の役割として、大きく2つの役割があることを示しています。

それは、マッキーヴァーが考えたケースワークとソーシャルワークに通じると思います。

この本で、編著の1人である高木博史さんはこう書かれています「ケアマネジメント化するソーシャルワーク」。
これは痛烈な指摘であり、私もそう感じていました。
ソーシャルワーカーとは、社会福祉に携わり、社会変革していく人々の総称であると認識しています。
しかし、日本では個人にかかる問題について対応していく、いわゆるケースワークに終始している印象があります。

高木さんはオイルショックから高度経済成長をへて高齢化社会になっていく中、社会変革を志向するソーシャルワーカーの確保より、福祉市場化を視野に入れた動きがあったとしています。
また、1970年代の国の財政状況の悪化により、社会福祉領域も市場経済に委ねるという動きもあったと指摘しています。
そして1987年『社会福祉士及び介護福祉士法』制定により、社会福祉領域への民間参入を至上命題とする福祉市場化への道筋をつけるものだった時述べています。
そして、介護保険制度導入で、「措置制度」→「契約制度」移行を支えるものが「市場原理」だったということです。
そして制度の枠内での仕事が優先され、個人や地域の課題解決ばかりに目が行き、本来の役割である、政策への批判的思考、社会変革への創造的ソーシャルワークを展開する力の向上が疎かになってきた。そのように指摘しています。

私は政治に対してモノを言わない、または政府に右ならえのソーシャルワーカーが多いことに、とてつもない危機感を抱いています。
この本では、「生活保護法」「安保関連法」に関するソーシャルワーカーと職能団体の動きが載っています。
また、旧優生保護法、こどもの貧困問題などの事例も載っています。
一貫して言えることは、人々の苦しみや苦悩を聞き、それらを政策に反映させて社会課題を解決していこうという動きがあったかということです。
例えば「こどもの貧困」に対しても、原因は「親の貧困」にあるということが理解でき、それに対応できているかが問題ということです。
2019年総務省「全国消費実体調査」では、2019年までの25年間で所得の中央値が131万円下落。


2019年厚労省「国民生活基礎調査」
生活が苦しいまたはやや苦しいと答えた世帯は、全体の約54.4%。
母子世帯では86.7%。

つまり、国民全体が貧困化している状態で、「子供の貧困」に対処してもしょうがない。根本原因を見過ごしているからです。
この原因は「新自由主義的社会構造による雇用の不安定化」にあります。
新しい働き方ともてはやしますが、実際は不安定な自己責任の労働環境(その働き方を選んだのはあなた。あなたに責任がある)です。
株主至上主義に陥った企業は、目先の利益をとり、人材と設備投資はせず、即戦力の人材ばかり欲しがるばかりか、人をコストとみなして、利益を出すためにコストカットを行う。
企業は常に安い人材を求めますが、慢性的人材不足に陥っています。

街には炊き出しに並ぶ人の列が後を絶たないというのに。

社会福祉の現場、特に介護はそうでしょう。慢性的な人材不足の中、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの「介護福祉士就労状況調査」では、約12万人が潜在介護福祉士と言われています。

しかし、政府は外国人材登用を推奨。なんと、職能団体はそれに追従している形です。
外国人材については、働きたい方は働けば良いと思っていますが、それよりもまず、全産業平均7万円以上低い賃金や、劣悪な労働環境を是正する方が先です。
それには、本当の意味でのソーシャルアクションが求められます。新自由主義に染まった社会構造の打破であり、そこにソーシャルワーカーがどう対応するか。
そこには「政治」が欠かせません。

政治によって決められた福祉政策は、新自由主義と緊縮財政から成っていることに気付けるか。
私が目指すソーシャルワーカー像は、この本にあるように、実際の現場に対処しつつ(ケースワーク)、それらを集約して広く社会に周知し、政治に改善せよと働きかける(ソーシャルワーク)ことができるソーシャルワーカーです。

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