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北京留学日記 其の六

初夏です。北京では今頃柳絮が飛び交っていることでしょう。
白い柳の種の綿毛がふわふわと雪のように舞うのです。
とても風情があってきれいなのですが、問題も。
私はいつも露店で果物を買っていたのですが、私の大好きなイチゴに柳絮が降り注いで、水洗いでは取れないので、ひとつひとつ取り除かなければならないのです。店先で味見するのも一苦労💦

良い気候とともに北京体育学院には、日本の太極拳の先生さまたちが団体でお越しになるのです。師事したい先生がいらっしゃるのと、ご自身の箔付のためです。この方たちがかなり不遜な態度で…失礼、日本ではお偉い先生方なのでしょうから…学内を我が物顔で闊歩されるのです。
幸い私は中国人に見られているらしく、鼻にもかけて頂けません。
「そこら辺の日本人留学生を捕まえて、メシでも食わせて通訳させればいいから。」と、おっしゃっています。
日本人留学生でジャイアンツのベンチで通訳をしていた男性は、本当にタダで便利使いされています。そこはそれ、彼は大人なので、まめまめしく働いています。
私の友人なども一緒に歩いていると「そこのあなた、ちょっと来て頂戴。」などと呼びつけられます。中国人に見える私にはお声はかかりません。差別的な一瞥を頂戴するだけです。

中国人に差別的な態度丸出しなので、露店では常にボラれておいでです。
露店のおばちゃんたちもやるときはやります。

滞在の最後に、中国との対抗試合が催されるのですが、学院側も心得たもので、商売に徹し、先生さまたちにはお勝ち頂くという試合運びになっています。寄付金の額によって順位が決まるという噂もありました。

先生さまたちは、皆ご満悦で帰国されます。
通訳してくれた日本人留学生たちに、自分たちが使い切れなかったポケットティッシュをお礼と称して手渡して。
いや、それ、こっちでも売ってるから!

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