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ルックバック - 感想

映画版ルックバックを観たので感想を綴ります。

個人的に藤本タツキ先生のイラストがとても大好きなのですが、映像でも原作の雰囲気が忠実に再現されており、純粋に原作では表現しきれない音や色彩が追加されていて感動しました。作中のお気に入りシーンは、4年生の藤野が学年新聞で京本の絵と出会いったことをきっかけに、机に向かって猛練習するシーンなのですが、背景で季節が色鮮やかに巡っていく様子が綺麗すぎて眼福でした。

映画ならではの1番の気づきは、京本の喋りがめちゃ訛っていたところですね。原作では、「あのっ」を連発したり、人と喋るのが苦手な雰囲気は出ていましたが、訛りには気づきませんでした。むしろ、東北が舞台だとして、なんで他の人たちは標準語なんだろう?

ルックバックの最重要シーンは藤野が漫画家として成功し、突如訪れた京本の理不尽な死だと思います。この時、藤野は自分が引きこもりだった京本を連れ出したことが死因だと思い詰めてしまいます。そして、藤野と京本が小学生時代ではなく、大学生になって出会うパラレルワールド(?)が描かれます。
もし、京本が理不尽な死を遂げないことが正解だとすれば、大学生になって2人が出会うことが正解ですが、藤野は小学校卒業時に京本と知り合ったからこそ、漫画家として開花したのではないかとも考えられます(作品が売れるのには運やタイミングも重要ですし)。また、もしかすると大学生になって2人が出会う世界線では、藤野にとって京本が死を悔やむほど大事な存在にならないかもしれません。
そう考えると、どちらが正解と言い切ることは難しく、人生ってほんとタイミングに左右されるものだなと思います。幸運も不運も突然訪れるものだからこそ、もっと一瞬一瞬を後悔ないよう生きなきゃなと思いました。

以上、映画ルックバックを見ての感想でした。約1時間の上映だったのに、満足感がすごかったです。元々好きな作品への愛がより深まり、私にとって重要な映画となりました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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