認知症との闘い 団塊の世代編

以前団塊の世代の方が今後施設を利用することが増えてくるとの投稿を書きました。

戦後生まれの高度経済成長期時代を生きてきた方。第一次ベビーブーム世代の方です。
つい先日、その団塊の世代の女性が入居してきました。

アパートの部屋ではありません。
入居する前は独りでアパート暮らしをしていました。ベビースモーカーで年金暮らし。近くにコンビニがあるけど、家を出た時目的地を忘れてしまい、自宅に戻るつもりだったようだが戻れず、何度か保護されたケースがある。また、徒歩で隣町20キロくらいある道のりを歩いて移動してしまう。怪我もなく疲労感もない。さすがバレーボールをやっていただけのことはある。
事前調査にいった時は正直びっくりしました。
「普通の人やん〜」
「え〜要介護ついてるの⁉️」
身内は兄弟が近くに住んでいたから時々様子を見にいっていたらしい。食事も摂れないから食事の用意や弁当を買い与えていたと。

気分転換に地元の施設にデイサービスを利用していた。しかし、だんだん認知症の症状が悪化。家で落ち着いて生活することが難しく、買い物と言いながら外出するも、家を出たまま行方がわからなくなることが何度もあり……行政,親族、ケアマネさん、入居施設を検討していた。

近くのコンビニに弁当を買うと言って外出したがコンビニに入っていなくて、自宅から10キロ以上離れたところで保護されたり、それが何度もあったようで………

認知症が進行して1人では生活できなくなったとのことらしい。
そこへ私の施設(サービス付き高齢者向け住宅)に相談に来所。本人、本人の兄弟、親族等見学に来た。

意外にもすぐ決まり契約❗️

利用者様は以前バレーボールをしていたようで身長が180cm超痩せ型。意外と(?)は失礼?食欲は普通。間食はしない。ベビースモーカーだったということだが、タバコの要求はない。

世話好きで困っている利用者様がいると駆け寄って話を聞いている。マメな人には違いない。

日中は職員も何人かいて見守りもできるため落ち着いているが、夜間が問題………まず、夕食の食事が終わって居室に戻ろうとするが、自分の部屋がわからない、表札があっても目の前で名前を確認しないとわからない。他の利用者様の部屋に入ってしまったり……部屋にトイレがあるがトイレがわからない。

だんだん不穏な表情を浮かべる。環境が変わりどのように動いたらいいのかわからない、不安や緊張感などが入り混じり不穏になってしまうのはわかる。
夜眠れなくなり表情も険しくなり、他の利用者様の部屋に入ってしまうことも……
職員に手を挙げるような仕草も見せる。
往診医に相談してし、薬を処方していただく。2、3日すると少しずつ落ち着き夜も寝てくれるようになる。まだ70代ということもあり、朝が早い。

で、自分の部屋がわかるように赤旗🟥を立てるようにした。

「◯◯さん、赤旗上がっているところへ行きますか?」トコトコ歩いて行く。

「おっ❗️」「ココっすか❓」て。
「そうそう」「そこに入って横になりましょう」
「ありがとうございます♪😊」と丁寧に挨拶してくださり部屋に入る。
礼儀正しく一礼してくださった。

ところがまたすぐ、1分も経たないうちに部屋から出てくる。

「私の部屋どこですか?」

「トイレどこですか?」

「もう寝てもいいですかぁ?」


などなど、かなりの認知が進んでいたのがわかる。

「◯◯さんのお部屋、ここですよ」

「表札つけましたのでわかると思いますが、どうですか?」

「あっホントだ😳私の名前だぁ〜」

「わかる〜わかる〜」

「ありがとうございます」
また深々一礼して挨拶される。

「トイレに目をやるとこのトイレ使っていいですか?」

発言も常に柔らかいし明るい,ハキハキしている。
30分ほど格闘しただろうか?他の利用者様のコールにて事情を説明しその場を離れる。

夜間はスタッフ1人で対応しているからだ。

トイレ介助(トイレ誘導やおむつ交換など)だったり、寝る前の薬希望だったり。ケア中にコールがまた鳴り、またまた鳴り、ケアの順番ができるのだ、予約制ではないが1分後2分後というように。

大体一度どこかでコールが鳴ると次から次へとコールが鳴る。トイレはみんな同じ時間帯に出るようだ。日中トイレに行っても出ない方は夕方以降多尿の方が多い。

全てのケアを終え◯◯さんの部屋に行くと部屋で布団をかけて入眠されていた。


でも、朝まで眠れるかと言ったらそうではなく………


しばらくすると(数分か◯分後)またひょこっと居室から出てくる。サッパリとした表情で。

認知症の方ですから数秒後の言はわからない。言ったその場ですぐ忘れているのだから。

でまた同じように声を掛けて部屋へ案内する。

談話室で他の利用者様と過ごす方法もあるけどそれすらもできない落ち着きのない方、いつもソワソワして座ってお話すらできない……

この方若いんですよ〜〜まだまだ嘱託(定年後も再雇用で働いている世代の方)で働けるくらいの世代の方。認知症が進んで兄弟が致し方なく施設を選んで私の勤めている施設に入ったのだ。

認知症の方でもスタッフのことはよく見ていて、スタッフの声掛けを素直に聞いて動いてくれる方と、怪訝な態度でスタッフを困らせる方もいて。言葉掛けで態度も変わるのだがそこが難しいところ。

スタッフが変わっても同じような言葉欠けで対応しても同じような行動をするかと言ったらそうでもなく。やはり認知症の利用者様でもスタッフを見ています。好き嫌いもあるけど、この人ならと言うのが頭の片隅にでもあるのかも………


要するにスタッフは、どのようにしてその方を落ち着いて部屋で過ごしていただくか、頭の使い所。

マニュアルはあっても相手は利用者様、生身の人間で感情もある。いろんな対応をしてどの対応がマッチしているか? その日によって異なる。職員の力量に掛かっているのかもしれない。





じゃぁ現場でいろんな認知症の方が居るけど、マニュアル通りにケアすればいいの?

なかなかマニュアル通りにはいかないよね、生身のにんげんだもの!


認知症ケアの基本中の基本がこちら⬇️⬇️

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