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居場所づくり

少し前に、オンラインの研修で、ある大学の先生の講義動画を観た。
今の時代の、子どもたちの人間関係について学ぶための動画だった。

現代は、人間関係を自分で自由に決められる時代になった、ということを、その先生は言っていた。昔は、部活や会社での寮生活など、外から決められる共同体で生活することが多かったが、今では、そういう強制力が和らいだ。自分が所属するグループは自分で自由に選べるようになったが、だからこそ、そのグループに属せなくなることを極度に恐れるようになってしまったという。自分で選んだからこそ、その居場所を守ることに必死になる。その結果、グループ内での同調圧力は強まり、グループ内で必要なキャラを演じ、場の空気ばかり読むようになる。さらには、自分がグループから外されないよう他者の排斥には進んで参加する。ざっくりすぎるが、そういった話だったように思う。

そう考えると、僕自身は、近所の知り合い、子ども会のスポーツチーム、部活、サークルなど、外から与えられた人間関係で割と楽しく過ごしてきた方なので、楽だったな、と思った。

高校、大学など、大きくなるにつれ、自分で複数人の人間関係をつくったり、すでにあるグループの中に入っていくのが苦手であることに気づいたが、最終的には「面倒くさい」となった。大学はもちろん、僕の通った高校も、誰かとつるんでいなくても窮屈ではない雰囲気だったので、それにも救われた。

「空気読むの面倒くさい」とか「一人でいい」とか、格好つけて言えたのは、僕の場合はきっと、自分でつくらなくても、居場所があったからだ。その場所がたまたま僕に合っていたからだ。外からだろうがなんだろうが、それには感謝だなあ、と思う。

こんな風に自分を振り返った時、子どもたちに、
「居場所は自分でつくるんだ」
なんてとても言えないな、と思った。

子どもが居場所づくりにあくせくしないために、大人ができることは何だろう。それをちゃんと考えていこうと思った。

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