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蜻蛉日記解説

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『蜻蛉日記』解説まとめ
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記事一覧

蜻蛉日記の話④ 藤原兼家という男

義父、師輔の死/帝と藤原北家/菅原道真の怨霊/孝行息子の譲位/兼家の姉、安子/ナチュラルボーン権力者/兼家の挫折/章明親王との贈答/催馬楽『夏引』/二、三人どころの話じゃない/九条殿の女御殿の御方/有職故実/小野宮流と九条流/源高明と愛宮/村上天皇の崩御/冷泉天皇包囲網/朱雀天皇の忘形見/皇太弟問題/登子との交流/安和の変/蜻蛉日記の政治性/伊尹独走体制/次男兼通/最後の除目/寛和の変/藤原道綱/

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源氏物語の話20 消える女

第二帖「帚木」⑧/都合のいい恋人としての女房/左馬頭の助言/折らば落ちぬべき萩の露、拾はば消えなむと見る玉笹の上の霰/中将の体験談/右大臣家の怒り/山がつの垣ほ荒るともをりをりにあはれはかけよ撫子の露/あな恋し今も見てしが山がつの垣穂に咲ける大和撫子/昔物語/藤原道綱母『蜻蛉日記』/養女が欲しい/源宰相兼忠の娘/おきそふる露に夜な夜な濡れこしは思ひの中にかわく袖かは/母たちの期待/昔物語のやうなれ

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源氏物語の話18 愛の駆け引きとしての出家

第二帖「帚木」⑥/もう性格以外どうでもいい/愛の駆け引きとしての出家/尼削ぎ/葵の上の兄としての中将/光源氏の狸寝入り/蜻蛉日記/藤原道綱母/女房じゃない女性の文学/藤原兼家/最初の妻、時姫/道綱の元服/これで最後かもしれない/愛されたいと望み続けること/受領の娘/出家未遂事件/若い二人の思い出/疲れ果てて泣き出す道綱/藤原道隆の来訪/あまがえる/きはめたる和歌の上手/息子のラブレター母親が書く/

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蜻蛉日記の話③町の小路の女

私は気づいたぞ/疑はしほかに渡せる文見ればここや途絶えにならむとすらむ/三夜連続の不在/なげきつつひとり寝(ぬ)る夜のあくるまはいかに久しきものとかは知る/移ろいたる菊/げにやげに冬の夜ならぬ真木の戸もおそくあくるはわびしかりけり/時姫との贈答/そこにさへかるといふなる真菰草いかなる沢にねをとどむらむ/この女なに言ってるんだ/真菰草かるとはよどの沢なれやねをとどむてふ沢はそことか/四ヶ月後の再犯/

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蜻蛉日記の話②期待外れの最低プロポーズ

ルール無用の求婚手続き/夢見る文学少女/しょーもない紙で字も汚くてとにかくめちゃくちゃみすぼらしかった/音にのみ聞けば悲しなほととぎすこと語らはむと思ふ心あり/歌を咎める/彼女があえて書かなかったこと/夕ぐれのながれくるまを待つほどに涙おほゐの川とこそなれ/技巧を尽くした後朝の文/一晩はいいけど二晩は許せない/もっと和歌で繋がりたい/父の離京/君をのみたのむたびなる心にはゆくすゑ遠く思ほゆるかな/

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蜻蛉日記の話①現存最古の女流日記

命はとらずに苦しめたい/摂関家の貴公子、藤原兼家/受領階級、藤原倫寧の娘/藤原冬嗣の子孫たち/尊卑分脈/本朝第一美人三人内也/大鏡/きはめたる和歌の上手/男性貴族の先例としての日記/ためしにもせよかし/遺書を書くこと、人生を振り返ること/和歌の名手だからこそ至った境地/角川ソフィア文庫/川村裕子『平安女子の楽しい!生活』/新日本古典文学大系、新編日本古典文学全集、新潮日本古典集成/増田繁夫『蜻蛉日

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