太田巳津彦

「一店逸品運動」を通じて、地方の小売店を元気にするお手伝いをしているコンサルタントです。「こんなお店が地元にあって嬉しい」とお客様に思っていただけるお店づくりをお手伝いしています。コロナにへこたれず、元気に商売しているお店をどんどんご紹介していきます。

太田巳津彦

「一店逸品運動」を通じて、地方の小売店を元気にするお手伝いをしているコンサルタントです。「こんなお店が地元にあって嬉しい」とお客様に思っていただけるお店づくりをお手伝いしています。コロナにへこたれず、元気に商売しているお店をどんどんご紹介していきます。

    最近の記事

    お客のわがまま

     最近スーパーマーケットにセルフレジが増えてきました。近所のスーパーには、セルフレジ、セミセルフレジ、有人レジの3か所があります。私はいつも、セルフレジを使っています。店員の方とのやり取りが煩わしいというのが本音です。前回述べたように、専門店でのアドバイスに感激しているにもかかわらず、スーパーでは接客されることを避けています。個人的には、コンビニのレジもセルフになればいいのにと思っています。  考えてみれば、業界ナンバーワンの某アパレル専門店でも、数年前からセルフレジを導入し

      • 叱ってくれる店員さん

         10年ほど前ですが、私は店員さんに叱られてしまいました。夏物のジーンズを買いに、某アウトレットモールの紳士服店を訪れました。そこには、初老の店員さんがいて、いでたちや立ち居振る舞いがとてもおしゃれなので、前々から気になっていました。その時は、たまたまその方が接客してくださいました。素材やカラーを選び、気に入った商品があったので、試着したところ、ウエスト部分がややきつめの1本と、ゆったり目の1本が残りました。「脱ぎ着が楽なので、ゆったり目をください」とお願いしたところ、叱られ

        • くるみ割り器が割れた!

           「くるみが体に良い」とブームになっていた数年前のことです。たまたま旅先でくるみを売っていたので、購入しました。自宅に帰って、食べようと思ったのですが、殻が硬くて割ることができません。  「そうだ、くるみ割り器を買えばいいんだ」と、ネットで検索して、ちょっとしゃれたくるみ割り器を購入しました。ほどなく商品が到着したので、さっそく、くるみを割ってみました。ところが、くるみの殻は予想以上に硬く、悪戦苦闘、あろうことかくるみの殻ではなく、くるみ割り器が割れてしまいました。サイトに連

          • 旅先では、ついつい衝動買いしてしまう

             先日、九州方面に旅行に行ったのですが、旅割クーポンをいただいたこともあり、ついつい衝動買いしてしまいました。お菓子がメインでしたが、自宅に帰って食べてみて「もっと買えばよかった」と思うモノが、以前より増えているように感じます。たぶん、衝動買いするときに「本当においしいのか」「ここでしか買えないのか」と自問しているからだと思います。衝動買いでの失敗は、これまでいやというほど経験してきました。中高年になって、少しは学習効果が出てきたということなのでしょう。  でも、旅先だと、ど

            買い物の効用「ボケ防止」

             以前、本稿「初めてのおつかい」で、買い物の学習効果について述べました。実は、幼少期の社会教育だけでな、老人のボケ防止にも一役買っています。神奈川県のAショッピングセンターの最上階には、デイケアセンターがあります。そこで毎月1回開催されているのが、「お買い物ツアー」です。   同施設の職員の方のお話では、買い物という行為は頭を使うので、ボケ防止に効果があるとのことでした。確かに、商品を選ぶ、店員さんと話す、お金を払う、釣銭を確認するなど、買い物をする際には頭を使います。コミュ

            おすすめの魔法その3

             おすすめの有効性について、これまで述べてきました。でも、おすすめは簡単なようで簡単ではありません。なぜなら、安易なおすすめは、信頼の獲得どころか、逆に信頼の損失につながってしまうからです。  おすすめとは、本当に相手のことを考えながら、「自信をもって」おすすめする商品やメニューでなければなりません。もちろん、どんな人に使ってほしい、利用してほしいのか、そしてどんな喜びや楽しさをもたらすのかといった、豊かな想像力に裏打ちされたものでなければなりません。  極論すれば、「おすす

            おすすめの魔法 その2

             先週は、おすすめの魔法第1弾として、お客様にとっての魔法の効果を記しました。今回は、お店にとっての魔法の効果について述べます。  魔法の効果は「自信」と「信頼」です。  自分がおすすめした商品やメニューを、お客様が使用したり体験した結果「よかった」とのお声をいただけたとしたら、「自分のおすすめがお客様に認められた」という自信が得られます。難しく言えば、自分の価値観をお客様に共鳴していただけるので、おすすめの手応えが得られ、商売に自信が付きます。  加えて、お客様からは「買っ

            おすすめという魔法

             ネットショッピングをしていて、検索したらあまりにも多くの商品が紹介されていて、選ぶのに苦労した挙句、買うのをやめてしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか。沢山の商品から選べることは、便利なようでけっこう面倒なものです。  迷ったときに背中を押してくれる「一言」が欲しいのです。私はネットで迷ったら、お店に行って、事情をお話しして「おすすめ」をしていただくようにしています。  以前、ツイードのジャケットがほしくて、ある専門店に行きました。私はオーソドックスなツイードを

            はじめてのお使い

             テレビ番組「はじめてのお使い」をご存じでしょうか。幼児が一人でお使いに出かけ、お母さん(お父さんのこともある)に頼まれた商品をお店で購入するというストーリーです。初めての経験なので、たいがいは頼まれた商品を忘れてしまい、悪戦苦闘する姿がなんともかわいらしいのです。でもそんな時、お店の方が親切に聞き出してくれるので、どうにか目的の商品を購入できるというわけです。このあたりは、「地元のお店ならでは」と私はお思います。  初めての使いでの購入場所は地元のお店であって、ショッピン

            活性化ということ

             私は長年経営コンサルタントを生業としていますが、活性化という言葉をよく耳にします。まちの活性化、お店の活性化、組織の活性化などです。  そこで、特に疑問に思うのが、まちの活性化では賑わい、お店の活性化では売上アップなどが活性化の具体策として語られることです。でも、賑わいや売上アップは活性化の「結果」に過ぎないのではないでしょうか。  活性化とは結果ではなく「行動」と私は考えます。文字通り「生き生きと活動していること」が活性化ではないでしょうか。まちでは、そこに住む人や商売を

            イベントをする中華のお店

             前回ご紹介した武蔵小杉の一番喜龍さんですが、まち中華からの脱皮をしています。まち中華は、確かに定番料理や名物料理があって、お客様にとって安心感はあります。でも、経営面を考えてみると「ジリ貧」に陥りがちです。いつでも同じメニューがあることは、常連客にとっては安心感があると思います。でも、それではお客様が「マンネリ」に陥ってしまいます。「あの店は週1で利用」と、勝手に利用を固定してしまいがちです。変化を求めることで、お客様のマンネリ化を防ぎ、お店も元気になれます。  一番さんの

            生業ということ

             以前、静岡の老舗宝石店を取材した際、店主から「うちは生業(なりわい)として商売をしているので、この地で末永く営業していきます」と言われました。それまで、コンサルタントとして「生業から企業へ」を進めることが中小企業の活性化策と考えていた私にとって、目から鱗の一言でした。地域の小売業には「生業であることの誇り」が大切なことを思い知らされました。  今回ご紹介する一番喜龍さんは、武蔵小杉で50年以上商売している中華料理店です。2年前のコロナ真っ盛りの時に移転改装をしました。改装後

            お店がサードプレイスになる

             前回ご紹介した青森の電器屋IKOさんは、数年前に青森駅前に移転しました。移転に合わせて、店内に大きなテーブルを設置して、お客様にくつろいでいただけるようにしました。ご来店いただいたお客様には、コーヒーやお茶をお出しして、しばし店内で過ごしていただけるようにしています。  このスペースができたことで、まちなかにいらっしゃったお客様が気軽にお店に立ち寄られるようになりました。今では、IKOさんに寄り道するのを楽しみにしているお年寄りも多いようです。ご来店されたお客様は、オーナー

            専門店とは何かを教えてくれたお店

             青森市の新町商店街にある「電器屋IKO」は、家電品のセレクトショップです。大型店のように商品のラインナップで勝負するのではなく、店主の伊香さんが厳選したおすすめの商品が並んでいます。  新町商店街では2002年から一店逸品運動に取り組んでいますが、伊香さんは逸品運動のリーダーを務めています。逸品運動に取り組むようになってからは、おすすめ商品の品ぞろえを強く意識しています。  最初の逸品は「ごはんのおいしいIH炊飯ジャー」、震災直後には節電に対応した「かわいい魔法瓶」といった

            スーパー中村屋の成功に学ぶ

             前回は、江戸川区平井のスーパー「中村屋」のリニューアルの成功事例をご紹介しました。今回は、成功の要因についていくつか整理したいと思います。  成功要因は、「➀入りやすい店づくり②選びやすい商品陳列③コンセプトの見える化④貫かれた品揃えのこだわり」の4つです。  ➀入りやすい店づくり:店頭部分を黒を基調とした外装にしたことで、高級感やおしゃれ感を表現したため、若い客層が立寄りやすくなりました。また店内照度をアップしたことで、外から店内が見やすくなりました。さらに店内通路幅をし

            コロナ禍にリニューアルして千客万来

             コロナの真っただ中、2020年8月に店舗改装したお店があります。江戸川区の平井親和会商店街にあるスーパー「平井中村屋」です。それまでは、いい意味での下町の総合食品店で、地元のお客様に支持されていたお店です。    ただ、顧客の高齢化に悩んでいました。今回の改装では、顧客の若返りを図るべく、店内レイアウトの簡略化と陳列やPOPの明確化をしています。また、照明を明るくするとともに、モノトーンを基調とした店づくりで、ちょっと高級感を演出しました。  特筆すべきは、店頭に「中村屋宣