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アメリカ中西部 KfT#10 馬蹄形に緑のコロラド川が流れる


よく晴れた朝


砂の洞窟アンテロープキャニオン
に感動し「アメリカの国立公園」ガイドブックをホテルで改めて見る。たくさん美しい洞窟があるんだなあ。
「次どこ行く?」
「もう帰った方がよさそうだよ」
地図を見てると、つい調子に乗ってたくさん見に行きたくなる。
でも地図上では近くに見えても、ここ広大な場所では、東京のレストラン巡りみたいに容易に行けるわけではない。
ここまで来たはいいけど、ダニーのコロラドの家まで帰る道のりがあるからね。もう帰ろうか。

部屋の窓からホテルの玄関と空が見える。よく晴れている。
アメリカンな朝食もガッツリ食べたし、ガスを入れて、出発。
今日は観光客も増えてきて、ホテルもガスステーションも賑やか。
声を掛けられやすいのか、観光客に道を聞かれるダニー。

遠くまでよく見える レイクパウエルのあたり

展望の利くところまで来て、休憩。
近くに「ホースシューベンド」がある。行ってみよう。
天気がいいのはいいが、それにしても、暑い、、車の中も暑い、、到着したところはもっと暑かった、、、日差しの照り付けがすごいのだ。

全景入らない ホースシューベンドの上部

ホースシュー・ベンド(馬蹄のカーブ)は暑かった

ザレ石の駐車場へ。車から出る。
この時、私は車に酔っていて、パンツのチャック全開にしていた。それを隠すいい着衣がなく、苦し紛れにブラウスの上に、暑いか寒いかわからないこちらの気候に対応するために持ってきていたダウンベストを着ていた。実際、モアブの「デッドホースポイント」では雹が降って毛糸の帽子と、このダウンベストが役に立った。


しかし今この暑さでダウンはさすがにきつい。
暑いが、前開きチャックは隠さなくては、暑くても脱げない、ダニーにも言えず、不可解な不機嫌モードが顔に出ていたかもしれない。

ザレ場を登っていく。
今日は観光客がたくさんいて、観光地に来ている感満載。

ザレ場を登り切ると視界が開けた。風の空気は気持ちが良いけど、日差しがジリジリと暑い。
園路を進んでさらに眺めが広がると、ホースシューベンドの名のとおり、馬蹄形の緑のコロラド川がオレンジの崖に囲まれてゆったりと眼下に広がっていた。
どれだけ距離があるんだろうか。緑色の水のうねり柵もない崖下に広がる
立って写真を撮ってみてもカメラに入りきらないし、カメラに収めようと真剣になると足元に柵がなくてコワイので、腹ばいになって撮ってみる。するとダニーが面白がって背後から私を撮ってくれた。

振り向くのも暑くてキツい


しかし暑くてかなわん。ダウンのベストがさらに私を暑くする、しかし脱げない。そればかり気になっていた。
ホースシューベンドの全景はこちらで↓

https://cityofpage.org/

少し崖上を歩いて岩影へ行こう。
レイヤーの岩棚に腰掛け、ダニーはタバコを吸い、私は酔いをさまそうとダニーのタバコの煙が来ないところで、空気を思い切り吸う。

あの岩棚で休憩しよう

遠くに岩の地平線と、濃い緑とオレンジの岩がつくる馬蹄形をじっくり眺める。川の水はゆっくり流れているのだろう。流れているようにさえも見えないが、規模が大きすぎてわからないだけで、近づいてみたらゆっくりじゃないかもしれない。
歴史を重ねて、今でも不思議な形で残っているのは、きっと意味があるのであろう。
地層は波波していて、さざ波が固まったような形。無数のオレンジ色のレイヤが重なっていて、とても歩きにくい。

なみなみの岩


ペイジの町をコロラドへ向けて東へ


アンテロープキャニオン帰りのツアー客で、意外に車の数が多い。追越車線がない一本道なので、そのまま一列で少し距離をおいて走っていく。
左は草地、白っぽい石や岩、右は草地と背に山、近く見えるが実際遠いのだろう。こういう景色は好きだ。
この旅で今日まで、人の気配をあまり感じることがなかったが、今日は観光地に来ている感じがすごくする。
トイレ行きたい、こういう景色のところにちいさな土産屋、すそ野のある山に休憩所がある。がらんとした、お土産がちょっとあるだけ、閑散としている。テーブルに椅子。扉の傾いたトイレ、ペンキが剥げて汚いトイレ、観光客のトイレ休憩のための小屋的な場所、ここしかないので女子トイレが行列である。

ナバホネイションのどこまも続く地平線

カエンタの町へ

広い車道に出て、景色が変わってくる。岩山の塊が少し遠くに見える。削ってある、人工的にケルンを作っているようにも見える。
ひたすら走る。相変わらず車道から少し入ったところに木柵がずーっと走っている。ナバホネイションが続いていく。

カエンタの町へ入る。ここから「モニュメントバレー」へ寄って行こう。少し開けたところに小屋みたいな家が見える。人が住んでいるのかいないのか、分からないような壊れ掛けている家。ナバホの住民の家なんだろうか、実際ただの小屋なんだろうか、、また思いが馳せる。

ナバホネイションの旅はまだ続きそうだった。



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