ALSのBさんのお話し

お仕事お疲れ様です。
今回は、ASLの難病の方Bさんのお話しになります。
Bさんは私が有料老人ホームに転職して1週間くらい後に
ご入居されました。入居当初はほぼ自立されており、もともとは
他県にお住まいでしたが、難病になって将来の事考え、息子さん夫婦がいるそばに住むことになり、入居されました。
Bさんと私は入職、入居がほぼ一緒な事もあり、勝手に私が親近感を持ち
お話しする中、共通の趣味もあり信頼関係を構築する事ができました。
Bさんは、現役時代は医療従事者としてお勤めされていたようです。
私たちスタッフの専門用語の話しなども理解され他の利用者様の心配を
される事もあり、とても優しい方でした。
ALSの難病は人それぞれの進行スピードですが、Bさんの場合は目に見える
速さで進行していきました。入居当初は施設の近くに買い物や散歩に出かけられる程でした。そんなある時、Bさんの居室からコールがあり訪室すると
ズボンがあげられないとの事でした。入居して2か月位したころでした。
両腕が上がりずらくなってきていたのです。食事も口元まで運ぶの事も
徐々に大変になってきました。スタッフ達はBさんの状態に合わせてケアを
行いました。
ある日、Bさんの入浴介助をしている時にお話ししてくれました。
「ALSになって俺はある程度どうなるか解っているつもりなんだ。」
「もう少し早く薬が開発されれば良いのになぁ。」
「君たちに今の状態と今後どうなるかしっかり自分の身体で勉強するだよ」と言われた事を今でも忘れられないです。
Bさんは、それから状態は落ちてきおり、自分で起き上がる事や食事ができなくなり、唾液すら飲み込みずらくなっていました。

Bさんと出会って5ヶ月経った頃、Bさんは天国へ旅立ちました。
Bさんからは短い期間ですが色々な事を教えて頂きました

特に利用者の気持ちに寄り添う事がどれだけ大切でその場その時の時間が
いかに大切で尊いものなのか改めて考え実感したことがらでした。
私自身、お見送りした事が初めての事でした。
介護には正がない分、利用者様が満足してくれることが正だと
信じてケアを心掛けております。
様々な考えがあるかと思いますが決して自分のケアの考えや、やり方を
利用者様やスタッフに押し付けてはならないと思っています。
Bさん素敵な思い出ありがとうございました。

補足ですが、ALSは当時はあまり知られていない難病でした。そして
Bさんが亡くなってからしばらくして、治験が始まりました。
一日も早く、難病の方に合った効果的な薬が開発され、いつもの
日常が戻る事を願っております。

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