見積を早く、強くする「CADDi Quote」とは、どんなサービスか?
はじめに
はじめまして。
キャディでプロダクトマネージャー(PM)をやっている高山です。
この記事では、私たちが新しく開発したサービス「CADDi Quote」について、PM目線で詳しくご紹介していきたいと思います。
この記事を通じて、キャディがどんな新サービスを展開しているのか、少しでも多くの方に興味を持っていただけたら幸いです!
自己紹介
まず初めに、私自身の経歴について簡単に紹介させていただきます。
【1社目】
日本のとある精密機器メーカーで、法人向けのOA機器の商品企画、事業開発、プロダクトマーケに、約15年ほど関わってきました。
【2社目】
国内のB2B SaaS企業で、法人向けのバックオフィス業務を効率化するプロダクトのプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)として、10→100のグロースに携わってきました。
モノづくりの現場で得てきた経験とSaaS企業で培ってきた知見を活かし、2023年4月にJoinしたキャディで、古巣の製造業に回帰し、モノづくり産業の変革に取り組んでいる次第です!
巨人の肩の上に乗る
まずは、CADDi Quoteのご紹介の前に、キャディの旗艦プロダクトである「CADDi Drawer」について少しだけ触れさせてください!
製品サイトの公式プロダクト紹介や、CPOの白井、同僚の橋本のnote記事が、とても分かりやすく、”熱い想い”を語っているので是非ご覧ください!
上記二人の、CADDi Drawerに対する見方にプラスして、私から見た、「CADDi Drawerて、どんなプロダクト?」を、主観的に表現するなら、
「巨人の肩の上に乗る(※)」 ための道具、と比喩したいです。
そのこころは?
過去の先人達が残してきた、「重要な知的財産である図面」や、「モノづくり関連の周辺データ」を関連づけて蓄積ができ、そこから、探したい情報を、いつでも、誰でも、簡単に、すぐに取り出せ、今、そして、次の世代のモノづくりへ、ナレッジを繋いでいく道具
だからです。
CADDi Quoteとは?
CADDi Quoteは、そんな旗艦プロダクトである、「CADDi Drawer」の基盤上に構築された、新規のアプリケーションサービスです。
当サービスは、製造業の直接材の調達関係者を主な対象としています。
調達業務の高度化や脱属人化を促すだけでなく、CADDi Drawerと連携し、サプライチェーンデータの蓄積と利活用による調達原価の低減や、調達した部材のQCD最適化を、データドリブンに支援するためのツールです。
※直接材:製品の元となる部品や原材料などの資材のこと
「調達関係者」とあえて広めに表現しているのは、モノを仕入れる立場の「買い手」、モノを製造して販売する立場の「売り手」、の二者が存在するからです。
CADDi Quoteは、現在、買い手企業の調達課題に焦点をあて、なかでも、「一丁目一番地」にあたる、最も重要な「見積」にフォーカスしています。
ちなみに、「直接材の見積」が製造業で重要な理由を、ご存知でしょうか。
理由その1
製造業の売上の約6~7割を占めているのが、直接材の原価と言われており、この原価を決める行為が「見積」だからです。
理由その2
見積は「原価」を決めるだけでなく、調達されるモノの「品質」や「納期」も、最終的な仕入先の決定と合わせて決めてしまいます。
つまり、「品質(Q)」「原価(C)」「納期(D)」といった製造業の経営課題に直結する重要な行為、その”初手”が「見積」なのです。
直接材調達における見積の難しさ
製造業の調達現場では、見積の取得は非常に煩雑で、困難な作業です。
実際に、調達現場のお客様の声に、耳を傾けてみると、
調達担当者は、日々、膨大な量の部品や材料などの手配業務に忙しく、単納期なプレッシャーの中で、仕入価格と仕入先の情報をミスなく、滞りなく、収集していくことが求められます。
調達のリーダー/意思決定者は、各担当者ごとの複数の異なる見積案件を適正に管理しつつ、相見積価格を統合、比較分析しながら、最適な仕入先や価格を決定し、QCDを安定化していくことが求められます。
そこには、単なる価格や納期交渉の難しさだけではなく、下記例のような、非常に煩雑な業務プロセスが横たわり、どうしても属人化しやすい現実が存在します。
紙やエクセル、Faxなど、仕入先に合わせた見積のやり取りや情報の属人的な管理(メールの中に、個人のPC or 共有フォルダ、紙のまま, etc.)
複数の見積案件を同時並行で進めるので、各案件ごとの適切な進捗管理
図面から仕様や加工技術を読み解く専門知識、価格査定などの専門スキル
図面上に書かれていない暗黙知的な仕様の確認や、すり合わせの難しさ
社内外との複数の異なるチャネルによるコミュニケーションの煩雑さ
日常課題にプラスして、中長期では下記のような外部環境の不確実性もあり、もはや、経験と勘、紙とエクセル、だけでは解決が困難な状況です。
昨今の地政学的なリスクによる、サプライチェーン供給網への影響
インフレによる物価高騰の不確実性と仕入価格への影響
下請法強化によるコンプライアンス抵触のリスク
SDGs/ESGといった投資家からのサプライチェーン関係者への厳しい目
見積を「早く」「強く」の企画意図
これらの問題を解決していくために誕生したのが、「CADDi Quote」です。
私たちは、「見積業務を楽にする、デジタル化する、情報を一元管理する」ための業務システムを開発したのではありません。
「調達現場の見積を「早く」「強く」することを実現する」ために、「DrawerとQuoteが連携するからこそ実現できる価値」を開発しています。
具体的には、
早く
Drawerが持つ、類似図面の情報や、過去の発注実績を参照し、調達担当者の誰もが、適正な仕入先候補の選定と希望単価(指値)の設定などが、データドリブンに素早く導き出せる
Quote上で、見積依頼の作成~回収までを集約し、見積案件の進捗管理が一箇所ででき、書式も統制されているので、回答結果の比較分析も瞬時に完結する
結果、無用な相見積は取らなくて済み、見積先選定から、見積依頼、回答の分析までが、適正に「早く」対応できる
強く
Drawer上にある図面や、関連する過去の品質情報、発注や見積などの取引情報を、組み合わせて分析や参照ができるので、最適な仕入先への集約や関係強化をデータドリブンに判断できる
誰もが、同じデータを参照して、根拠を持って判断できるので、属人化や暗黙知化を抑制し、最適な意思決定を再現性高く実行できる
結果、見積だけでなく、組織的に”稼ぐ力”を「強く」していける
以上のような価値提供を通して、
調達の実務担当者は、見積を「早く」適正に処理できるようになり、日々追われる見積業務から解放され、空いた時間を加工知識の学習や価格査定のスキル習熟などに、当てられるようになります。
調達のリーダー/意思決定者は、ベテラン頼りの現状を変え、組織としての見積を「強く」し、直接原価の低減、QCD最適化、サプライヤーとの関係性強化などの経営課題に、時間をかけて取り組んでいけるようになります。
以上が、新サービス「CADDi Quote」で実現していきたい世界観であり、プロダクトマネージャーから見たサービス紹介になります。
私たちが、このサービスの開発を通じて、どんな顧客価値を提供していこうと考えているのか、少しでも多くの方に興味を持って頂けたら嬉しいです!
最後に
キャディでは、モノづくり産業のポテンシャル解放に向けて、非連続な成長が常に求められ、仲間を絶賛大募集中です。
特に、CADDi DrawerやCADDi Quoteを含めたプロダクト開発を爆速で進めていくには、まだまだエンジニアやデザイナーの人材が足りません!
キャディの新規サービスや、0→1に興味がある方がいらっしゃいましたら、是非、カジュアルにお話からでも始めませんか? お待ちしています!
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