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第293回、ワンセット学習法を提案してみた

今回は、自分がかねてより、こうした方がいいのではないかと思っている、言葉、単語の学習方法を提案してみようと思います。

自分は、勉強の出来る子供ではなかったので、実体験による提案ではなくてそうした方がいいのではないだろうか? という、推測上の話になるのですが聞いて頂けると嬉しく思います。

まずワンセットとは何の事かというと、曜日や方角等、同属性でひとくくりに出来る単語の事を示しています。

曜日は月~日の七つの単語でくくれますし、方角は東西南北の四つの単語でくくる事が出来ます。
こうしたひとくくりに出来る同属性の単語は、同属性の単語を全てまとめて学習するのが当然であり、例えば月曜は知っているけど、火曜は知らない、北は知っているけど、南は知らない等という事は、普通起こらないのです。

曜日を覚える際は、月~日までの七つの単語を全て同時に覚える物であり、方角を覚える際も、東西南北の四つの単語を同時に覚えます。

「こいつは、何を当たり前の事をいっているんだ?聞く必要がなかった」と思わずにどうか聞いて欲しいのですが、この同属性の物をひとくくりにして覚えるワンセット学習は、有効な学習法でありながら、実は適応出来る言葉自体は、結構少ないのです。

例えば感情を表す言葉は、日本では喜怒哀楽という表現方法がありますが、感情はその四つだけではなく、明確な数がわからない程数多くあります。
同様に、天気を表す言葉も相当数あり、しかもこちらは、代表的な四分類もありません。

そう特定の個定数、ワンセットで構成されている属性の言葉は、実はかなり少ないのです。

それ故、これらの非ワンセット属性の言葉は、各言葉をそれぞれバラバラに学習をする事になるので、例えば、晴れという言葉や漢字は知っていても、霧という言葉は知らない、又は漢字が書けないという事態が発生します。

自分達はそういう学習をしているので、それを当然の様に感じるかもしれませんが、これは曜日でいえば、月曜は知っているのに、火曜は知らないのと同じ様な事なのです。

あらゆる属性の言葉を、曜日や方角の様に、特定数のワンセットで学習する事が出来れば、かなり効率的な様に思うのですが、実際にはその様になっていません。

それは何故かというと、言葉をワンセットに出来るのは、同属性内での言葉の数が予め決まっている、固定分類(自分が勝手に作った造語です)である必要があるからです。

固定分類とは、曜日や月日干支等の暦(こよみ)の様に、人間が予め特定数で属性内の言葉を決めてある物です。
固定分類は、決められている以上の物は存在しないので、ひとくくりにして覚えられるのですが、世の中の多くの言葉が、同属性内での数量が決まっていない、非固定分類(勝手に作った造語です)なので、その属性内の言葉をひとくくりにして覚える、ワンセット学習が出来ないのです。

感情の様に、非固定分類なのにも関わらず、喜怒哀楽といった代表的な言葉を抜粋した、疑似固定分類(当然造語です)が行われていれば、とりあえずその単語は、ワンセットにして覚える事が出来るのですが、実際には、そうしたくくりは、殆どされていません。


自分が今回提案をする、ワンセット学習法とは、この固定分類されていない非固定分類の属性の言葉も、各々の属性の中で、代表的な言葉を抜粋させた疑似固定分類を作ってしまったらどうだろうか?という事なのです。

そうすれば、今より遥に多くの属性の言葉で、ワンセット学習が可能となり言葉を覚えやすくなるのではないかと思うのです。

多分自分以外にもそう思っている人はいると思いますし、実際に個人的に、その様な学習をしている人はいるかもしれません。

しかし一般的には、世の中の学習方法は、その様にはなっていません。
それは何故なのでしょうか?

結論をいえば、それは国の定めた学習指導要領に反するからです。
例えば、晴れという漢字は学校では小学二年生で、霧という漢字は中学校で教える事が、国の学習指導要領で定められてます。

国の方針で、言葉や漢字を教える時期を決めてあるのに、教育現場で勝手に同属性の言葉をひとくくりにして、ワンセットで教える事は出来ないのです

塾等も、学校の成績をあげる事を目的にした学習をしているので、必然的に国の学習指導要領に沿った方向でしか教えません。

そうワンセット学習は、効率的な方法だと理屈では思っていても、国の方針に反する為に、教える側の教育者は、誰もそれを行えないのです。

仮に誰かが勇気を出して、ある属性の言葉の疑似固定分類化をして、子供に教えたとすると、その教育者は「お前、国が定めてもいないのに、何勝手に言葉をくくっているの?お前は何様なの?」と、強烈な批判を受ける事は、間違いないでしょう。

やや誇張した曲解的な言い方をすれば、曜日や九九は、ひとくくりで覚えた方が効率がいいのに、国が「小学校では曜日は月~水曜まで、九九は1~5の段までを教えて、残りは中学校で教える様に」というから、皆それに従っている様な物なのです。

当然、固定分類の言葉は、その様な覚え方はしませんが、非固定分類の言葉は、何の疑問も抱かずに、それを当然の事として、同属性の言葉を年齢別に分断させて学習をしています。

それは本来、適切な学習法ではないかもしれないのにも関わらず、国がそう定めているから、誰もそれに反した学習をする事が出来ないのです。


少し応用的な考え方をすれば、英語も同様に、学ぶ事が必須なので、漢字を覚える際に、英語の読みも同時に覚えてしまえば、理論上は、漢字と英語の習得率は同じになるはずなのですが、実際には、漢字と英語は別々に学習をしなければならない為、ある言葉の漢字は書けるけど英語は知らない、又は英語は知っているけど漢字は書けないといった事態が発生します。

漢字と英語は、教える教科も時期も異なる為、学校の指導要領に従う限り、子供がそれを同時に学習する事は出来ないのです。


ここまで読んで頂いて、自分が提案をする、非固定分類のワンセット学習がいかに実現困難な物であるのか、わかって頂けたのではないかと思います。

では全く実現不可能なのかというと、自分はそんな事はないのではないかと思っています。

既に記述をした理由から、多分正規の教育業界では無理ではないかと思うのですが、しかし非正規の教育業界でなら、それを行う事もあるいは可能なのではないかと思っています。

非正規の教育業界とは、義務教育外の人を対象とした外国語等の言語学習や言葉の学習用の知育遊具等、言葉の学習を目的としていながら、国が定める教育指導要領に捕らわれる必要のない業界の事を示しています。

知育遊具というと、大抵は幼児向けの物を想像されるかと思いますが、自分は学生の学習に使える様な物も、十分出来るのではないかと思っています。


その例として今回提案をするのが、漢字や英語等の単語を記載したカードを用いる、トランプ式カードゲームの単語トランプです。

実は漢字トランプという物自体は、商品として既に存在しているのですが、しかしここでも、学校で学習する各学年ごとに漢字を振り分けた、学年別のカードゲームになってしまっているのが現状です。

つまり、小学二年生用のカードには、晴れの字のカードはあっても霧の字のカードはないし、中学生用のカードには、霧の字のカードはあっても晴れの字のカードはないのです。

これでは同属性の言葉をひとくくりにした、ワンセット学習は行えません。日本は一体どこまで、国の教育指導要領の呪縛に囚われるのでしょうか?

自分が提案する単語トランプは、漢字の学習年代別ではなく、同属性の単語を十二単語でひとくくりにした属性単語カードを四セット組み合わせる事で48枚の単語カードを構成するという物です。
これに属性総称カード(例えば天気の属性カードならば、天気という単語のカード)を合わせた全52枚のカードに、二枚のジョーカーカードを合わせる事で、トランプ同様のカードゲームを行える様にします。

属性カードが13枚で一組なのは、仕様として統一しているので、どの属性のカードを組み合わせても、四セットをそろえる事で、トランプカードとして成立させられるのが、このカードゲームの特徴でもあります。

つまり属性毎にバラ売りされた、13枚一組の属性カードを四セット組み合わせる事で、自分でカスタマイズをした、様々な単語学習兼用のオリジナルのトランプカードを作る事が出来るのです。

属性の組み合わせ例でいえば、例えば「感情、天気、動物、植物」といった全く無関係な物から「陸の生物、海の生物、恐竜、昆虫」等の生物繋がりや「髪型、服装、アクセサリー、色」等おしゃれに関係するカードを組み合わせる等、利用者の任意で自在にする事が出来るので、自分の趣向に合わせたオリジナルのカードデッキを作る事で、カードゲーム、単語学習、カード型辞書等の、様々な用途に活用をさせられるのではないかと思っています。


今回は、創作カードゲームではなくて、ワンセット学習法についての提案をする事が主目的なのですが、ここまで読んでどう思われたでしょうか?

この記事が読まれる事があるのかはわかりませんが、教育関係の人や、知育遊具の関係者の方々等の率直なご意見等も頂けたなら、嬉しく思います。


※今回新たな画像の用意をしてないので、今回の構想の元にもなっている、第47回の「漢字トレーディングカード」の時の画像を転用しました。

このカードにはトランプに必要な、1~13の数字の割り振りがありませんが左上の画数の箇所に数字を割り振る事で、単語トランプカードとして、転用する事が出来るのではないかと思っています。

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