怪談8「姉が連れてきたカップル」
と、前回の話から読んでいただいたほうが後半の話はわかると思いますが、まあ、こちらを先に読んでも大丈夫だと思います。
気が向いた方はこちらを読む前に前回の「怪談7「○いのビデオの暗転」」を読んでみてください。
この話は、「怪談6「近所で噂の幽霊マンション」」に住んでいた時の話で、私が17才の後半ごろだったと思います。
その頃は姉は20才で、まあ、もともとガラの良い家庭でもなかったので、当然、姉も素行はそこまで良くない(笑)。
で、20才で素行も良くないときたら、当然夜中に友達と遊び歩いているわけでw。
ということは、もちろん?心霊名所めぐりをバリバリ行っているわけです。
その頃の姉の体験談などもそのうち書くとは思いますが、この時は秋口ぐらいだったかな?夜中2時過ぎに姉が帰宅したわけです。
私は、ゲームして起きてて、姉がちょうど帰ってくる少し前にリビングに出てゲーム休憩の合間のコーヒー飲んでました。
母親はその時、台所でおしるこ作ってましたね(夜中にいきなりおしるこ作り出したりするんですよw)。
姉が帰宅し、廊下からリビングに入ろうとした時でした。
「あんた!どこに行ってきた!人が沢山自殺している場所に行ったでしょ!」と母親が姉を見るなり怒ったんですよ。
私はコーヒー飲みながら「ほえ?」ってなって声のほうを見たんです。
姉はいきなり母親からそんなことを言われたので「え?・・あ・・うん・・・」という感じの呆けた返事を返してました。
母親が「あんた、カップルの霊を連れて来てるよ、25~30才ぐらいの。知らないよ、変なことになっても」って怒って、出来上がったおしるこを持って、リビングのソファーに座りました。
姉はそのころまだ遅めの反抗期といえばいいのか、そんな感じなので、そのまま母親を無視して自分の部屋にさっさと引っ込んだんですね。
「はぁ~、あれは住み着くね、ま、私の知ったことじゃないし、悪さはしなさそうだし、ほっとけほっとけ!」っておしるこ食べながら母親が怪談話のビデオをポチリと再生してましたw。
(もう、うちはなにかとそういったビデオばかり見る家で・・・)。
そこからしばらくした頃でしょうか?姉が「部屋の壁に顔が二体浮き出たw」と言うんです。
見てみると、少し大きめのドクロのような顔?らしきシミが壁紙に出てきてましたw。
まあ、気のせい・・・といえば気のせいと言えなくもないんですが、確かに見えなくもない。
一応、私が「んなバカなw」とそのシミを壁のシミ取り剤みたいな洗剤を使って拭いてみたらある程度消える。
「なんだ、カビかなんかじゃんw」と姉に気のせい気のせいと言ってたんですが、その後数日するとまた同じ形でドクロっぽいシミ?が浮き出る。
なんどか拭いて消しましたが、しばらくするとまた浮き出る。
おそらく、壁紙ではなく、その下地のコンクリート壁にそういったシミの原因が残ったままなのだろうと思いましたが、さすがに壁紙を綺麗にはがして貼りなおすのはちと面倒です。
結果、「ポスターでも貼って隠しとけw」という事になりました。
しかし、ポスターを貼っても数日でなぜか剥がれてしまうw
両面テープの強力なものにしても数日で剥がれるw
なんだか無性に負けた気がするので、最後はノリなどで貼り付けましたが、なにをしても剥がれるw
最後には私がコンクリートドライバーで穴あけてネジで留めようとするも父親に「マンションのコンクリートは共益部になるはずだからそれはやめろw」と言われ、しぶしぶあきらめました。
というようなことが始まったころぐらいから、家に一人でいるとどこからともなく話し声が聞こえるようになりました。
たとえば、私が学校サボって(良い子のみんなはサボったらダメですよ)家でゲームしていると、どこからともなく話声がする。
それが、耳を澄ますと聞こえるレベルで内容がいつも似たような感じ(聞こえはするが、はっきりとなにを言っているか辛うじてわかるレベルのものとわからないレベルのものがあるって感じ)の話声。
そしてそれはあきらかにカップルらしき二人が話している感じなんです。
女性「・・・・・だからあなたはうだつがあがらないの!いい!あなた・・・・・だから、・・・・・」
男性「そんなこと言っても・・・・で・・・・だから・・・でも・・・」
女性「その・・・・・やめなさいよ!なんでいつも・・・・なの!」
みたいなやり取りです。
わかるのは、男性が女性に責められていて、男性はなんというか、煮え切らない感じの受け答えというものです。
そしてこれが内容がいつも同じなんです(というふうに感じました)。
最初はマンションですから、どこかの部屋の声が聞こえてくるんだと思ってましたが、おかしいと思ったのは、話の内容がいつも同じっぽい、つまり「繰り返し」ている感じなんです。
で、最近こんなことが・・・と母親にある日言ってみたら、母親は「ああ、あれよあれ、壁の顔。あのバカが自殺の名所?から連れてきたカップルの霊よそれ」とさも当たり前のように答えました。
「あのカップル、男性のほうがナヨっとしてるというか、うだつがあがらないというか、それで女性のほうがいっつも男性に怒ってるのよね~。死んでまで生前のことを繰り返してるんだろうね~一緒に自殺する前のね」と言ってました。
まあ、そんなことが続き、ある日、後輩が泊まりにきました。
両親と姉はすでに出かけ、私もちょっとコンビニに買い物に行き、後輩はゲームしながら私の部屋でお留守番することに。
その前にゲームしながら「ああ、俺、買い物行ってくるけど、カップルの話声聞こえるかもだから気にしないでねwなんかね、いっつも女性が男性を責めてる会話(笑)」と説明していたんですね。
後輩は「またまたぁ~」と言いながらお留守番。
そして私がかえってくる頃には、マンションの入口で一人で立って待ってましたw
後輩の顔は真っ青で、私が「どうしたん?」と言ったら「あ!やっと帰ってきた!洒落ならんですよ!マジで!いや」とすごく焦ってました。
そして私の家に入ろうとしないので、仕方なく、近くの公園で缶コーヒーを飲んで落ち着くことに。
(ちなみに、この公園も少し曰くつきwでも、この時の後輩には内緒(笑)なぜかこのマンションの界隈はそういったところが多かったんですよね)。
話を聞くと、私がコンビニに行ったあと、一人でゲームをしてたら、ふと気が付いたそうです。
話声が聞こえることに。
で、耳を澄ませて聞いてみると、私が言ったように女性が男性を責める話し声。
でも、まあ、あんまりそういうの気にしないタイプの後輩だったので「へぇ・・マジだ」ぐらいに思ってたらしいのですが、その女性の責める雰囲気があまり好きではない感じがしてきたので、ゲームしながら「てか、お前、口悪いんじゃね~の?だりぃ、死んでまでそれってダルくね?」と声に出して言ったそうです。
そしたらいきなり耳元で「お前もか!」と女性の声が響いたそうで、ビクっとなって固まったそう。
その後は、特になにも起きなかったけど、なんだかドンドン怖くなって、飛び出してきたそうですw
結局、後輩は私の家に入ることは拒否し、手荷物を私が取ってくると、逃げるように去っていきました(笑)。
まあ、そんなこんながあり、最終的には壁紙をはがして、コンクリート壁を清掃し、また貼りなおしたわけですが・・・それでも数日すると壁紙に同じドクロ型のシミが浮き出てきましたね。
結局、それ以外は特に悪さするわけでもないそうで、その後、すぐ姉が一人暮らしするために家を出たので、その部屋は空き部屋となり、使わなくなったソファなどを積んで物置にしました。
・・・・ということで、その部屋に私たちは滅多に入ることがないわけですが、それからしばらくすると、不思議な現象がいくつか起きていました。
たとえば、私が夜遅く帰ってくると、その部屋の電気が付いてる。
家に入ると両親は留守。
おかしいなとその部屋を開けると電気は消えていて真っ暗。
なんてことがあったり、積んであるソファが床にきれいに並べてあって、あたかも誰かが今までそこでくつろいでいた気配があったり・・・。
というようなことがですね。
母親にその話をすると「ああ、私が仕事から帰ってきて誰も家にいない時も、よく電気ついてて、話し声がするよ。ソファが積んでも積んでも並んでるから、談笑かなにかしてるんでしょ」との事。
母親はそういうとき「家の主人が帰ってきたんだから、静かにしな」と言うそうです。
すると電気がパチンと消えて、話し声も聞こえなくなるそう。
という今回のお話でした。
そして最後に、怪談7「○いのビデオの暗転」を読んでもらうとわかりますが、その中の話で「聞いて聞いて聞いて聞いて」とは、その女性のほうが私に相方の男性の不甲斐なさをグチりたくて、私のそう言っていたという母親の話です。
・・・・ただ、なぜか時々、そのマンションに住んでいる頃の夢を見るんですよね~。しかも両親が化け物になっている夢。
なんなんでしょうね~それでは
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