意外と知らない言葉の語源や由来
何気なく使っている言葉でも、その語源や由来について詳しくは分かっていないのではないでしょうか。
今回は、普段使っている言葉の語源や由来について「15」の言葉をご紹介します。
1. 挙句の果て
【和歌俳諧用語】
由来:連歌、俳諧でいくつかの句を連ねる時の最後の七・七句が「挙句」で「果て」は最後の意で同義の語を重ねて、いろいろとあった結果として最後に行き着いた終局とした意味で用いられます。
「~した挙句」という単独の形式もあります。
2. 一か八か
【博打用語】
由来:「丁」の頭の部分の「一」と「半 」の頭の「八」から取られたといわれ、丁半博打などの賭け事で用いられました。
そこからどうなるか分からないが、運を天に任せて思い切ってやってみるという意味で用いられるようになりました。
なお、「八」は「罰」で「一か罰か(一の目が出るかだめか)」から生まれたという説もあります。
3. 揚げ足を取る
【相撲用語】
由来:相撲などの格闘技で、相手が技をかけるために上げた足を手で持って倒そうとすること。
そこから相手の失敗を利用するという意味が発生し、相手の言い間違いやことば尻をとらえたり、相手の小さな失敗を取り上げて、反論したり責めたりするという意味で用いられます。
4. 板につく
【歌舞伎用語】
由来:「板」は板敷き・板の間から舞台を意味し、舞台によく馴染んだ役者の芸を意味する言葉です。
そこから、態度や仕草などがその人の地位や仕事などに合っているという意味で用いられるようになりました。
5. 一枚看板
【歌舞伎用語】
由来:上方歌舞伎で劇場の前に掲げた大看板を指します。
演目の題名と主な役者の姿絵が描かれており、そうした一座の主役級の役者を指して「一枚看板」と呼ぶようになりました。
後に仕事などのグループの中心的な人を指して用いられるようになり、さらに、他にはあまり良いものはないが評価に堪えるたった一つのものという意味でも用いられます。
6. 一目おく
【囲碁用語】
由来:もとは、ハンディとして弱い方が先に碁石を一つ置いたところから対局を始めるという意味です。
通常は、「弱い方のハンディ」という意味がなくなり、能力が優れていると判断した相手に敬意を持った態度で臨むことを言います。
7. いなす
【相撲用語】
由来:「去(い)ぬ」という動詞に使役の「す」を加えたもので「去らせる」という意味です。
これを相撲では、突進してくる相手を真正面から受けるのでなく、体をかわすことで相手の姿勢を崩すという技の意味で用いられ、さらにそこから、相手の議論や質問などをはぐらかすという意味に、転用されるようになりました。
8. 引導を渡す
【仏教用語】
由来:「引導」は、もとは人々を仏教へ導くことでしたが、後に葬式の時に迷わず解脱(げだつ)の道に進めるよう、僧侶が死者のために唱える法語や経文のことを言うようになりました。
そこから、相手を教え諭して最終的に諦めさせることを「引導を渡す」と言います。
9. 一点張り
【博打用語】
由来:サイコロ博打などで、同じ目ばかりに賭け続けることを言います。
そこからある一つの事柄にこだわり、そればかりを主張または固持し続けることをいうようになりました。
状況を省みないという意味で、悪い評価として用いられることが多いです。
10. 上っ調子
【邦楽用語】
由来:三味線を合奏する際に、基本の調子に対して高く調律させた三味線のことを「上調子」と呼んでいました。
ここから意味が変化して表面は調子が良いが、実は内容がなく軽薄で、いい加減な言動を言うようになりました。
11.打ち合わせ
【邦楽用語】
由来:雅楽を演奏する時に、管楽器・弦楽器・打楽器間の呼吸を合わせるために打楽器を打って拍子をとることを言います。
また、二挺の三味線などの合奏がぴったりと合うことも「打ち合わせ」と呼びました。
これらのことから、物事がうまく合うことの意味が派生し、さらに後、物事がうまく運ぶように事前に相談するという意味でも用いられるようになりました。
12.大詰め
【歌舞伎用語】
由来:江戸歌舞伎で一番目狂言の最後の幕を「大詰め」と呼びました。
これが、すべての演劇の最終幕の意味に変化し、さらに物事の最終的な段階という意味になりました。
なお、二番目狂言の最後の幕を「大(おお)切(ぎ)り」といいます。
13.お題目
【仏教用語】
由来:特に日蓮宗で「法華経」の表題「南無妙法蓮華経」をいい、これを丁寧に唱えることで成仏できると考えられました。
転義して、有難そうに唱えているだけで内容や実質が伴わないことという意味になりました。
14.岡目(おかめ)八目(はちもく)
【囲碁・将棋用語】
由来:「岡目」は「傍目」の意味で、当事者ではない者の立場で見ることです。
「八目」は八手先が見えること、または八目分の得をすることなど諸説があります。
いずれにしろ、より有利であることを言います。
ここから、第三者の方が客観的で正しい判断ができるという意味で用いられます。
15.大立者(おおだてもの)
【歌舞伎用語】
由来:一座の中心的な役者のことを「立者」と呼びます。
その中でも最も中心となるのが「大立者」で、後には歌舞伎だけでなく、重要な地位にあって大きな勢力を持つ人物のことを指すようになりました。
いかがだったでしょうか? 普段使っている言葉の語源や由来について「15」の言葉をご紹介しました。
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