運動しても痩せないのはなぜか 前編

「運動しても痩せないのはなぜか」ハーマン・ポンツァー著

今回の本は、正直どこからまとめたら良いのかをとても迷う一冊だ。
結論から言ってしまうと、その部分だけを良いように解釈して

「めちゃくちゃな食生活で運動もしなくて問題ないじゃん!!」
とか
「運動に使った私の時間は何だったの・・・」

ってことになりかねない。

なので、慎重にまとめてみる。

私たちは、カロリーを消費するという言葉を何気なく使っているけれど、

「カロリーを消費するというのがどういうことなのか説明して下さい。」

と投げかけられたらどれだけの人が答えられるのだろうか・・・

カロリーを消費するという事の説明を細かく説明していると読むのが嫌になる(退屈)な話になるので、ここでは省略する。

この答えはシンプルで、

消費カロリー>摂取カロリー なら痩せるし
摂取カロリー>消費カロリー なら太る(体重が増える)

仮に、ポテトチップスで一日1800カロリー摂取し、それ以外何も食べない。という生活をした場合。

一日の推定消費カロリー

体重72キロの男性、3000キロカロリー
体重63キロの女性、2300キロカロリー

なので、健康面などを考慮せず、ただ体重を減らしたいと思った場合、このポテトチップスダイエットは見事に成功することになる。

もし、日々体重の増加をしているのであれば、単にカロリーを摂りすぎているからである。

健康にいい食事でも、たっぷりのドレッシングをかけてオーバーカロリーになれば当然太る。
だが、高カロリーの食事を食べてもその後の摂取カロリーをコントロール出来ていれば太らない。

糖質制限ダイエットが結果を出しやすいのは、人類はカロリーの約半分を炭水化物から摂取しているから。(6500万年前から)

炭水化物の量を減らすという事は、摂取カロリーが減少するから結果、消費カロリーが摂取カロリーを上回って体重が減少する。
というただこれだけの仕組みだ。

一食を何かに置き換えるダイエットも摂取カロリーを減らせば痩せるのは当然。
朝バナナも同じ理屈。

炭水化物に関しては、糖1gに対して水分を3g吸着するので体の水分量が増えて体重が重くなるという側面もあるので、糖質を沢山摂取した翌日は体が重たくなりやすい。

体重を減らすという事だけにこだわるなら摂取カロリーをどうコントロールするのかを考えればいい・・・となる。

体重が減少すると消費カロリーは自然と減少するので(細胞の数が減る)、ダイエット前に体重を維持できていた食事に戻しただけでも体重は増加しやすい。(体重減少により、消費カロリーが減少)

これだけを読んでみると、食事なんてどーでも良いんだね!!となるのではないか・・・

個人的には心配だ。

ここからは少しマニアックに栄養の分解について書いていくので、興味の無い人は、「スキ」だけ押して次回また読んでね!

炭水化物について

でんぷんと糖類は、どんな食物から摂取しても分解されると三つの単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)の中の一つになる。

でんぷんと糖類の分解は全ての多糖と二糖が単糖になるまで続く。

これらの糖類は腸壁から吸収されると血流へ送り込まれる。食後は栄養を運ぶために消化管への血流が2倍以上になる。

食べたものが加工食品で食物繊維が少なく、簡単に消化できると炭水化物が一気に分解されて血流に入り、血糖値が急激に上昇する。(グリセミック指数が高い食事)

食物繊維は人の消化酵素では分解されないため、一緒に摂取することで糖類やその他の栄養が血流に乗るのを遅らせる。

食物繊維は消化管に住んでいる微生物叢(びせいぶつそう)の餌にもなる。

微生物叢は食物繊維のような小腸で消化できないものをすべて処理する重要な役割をもっている。

微生物叢の細菌の数は何兆にも及びそれぞれが数千の遺伝子を持っている。

これらの細菌は人の細胞では作ることのできない酵素を使って食物繊維を分解し短鎖脂肪酸を作る。

その脂肪酸を細胞が吸収し、エネルギーとして使用する。

微生物叢は
・小腸で見逃されたものを分解する
・免疫システムの活動やビタミンなどの必須栄養素の生成を助ける。
・消化管を適切な状態に保つ

微生物叢に元気がなくなればあなたも元気がなくなる。

炭水化物は、筋肉と肝臓に主に蓄えられる。
グリコーゲンはエネルギーが必要になったらすぐに取り出せるが、炭素と水が同じ割合で含まれている(だから炭水化物と言われる)ため重い。
人のグリコーゲン貯蔵量には限界があるので、余った分の血糖は脂肪に変わる。

長くなるので次回の後半に、脂肪の分解について書きますね!!


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